ぶっちゃけ96組以降の人間は何の関係ない話ではあるんですが、ガチネタもガセネタも乱舞していろいろと不思議な情報戦が起きてるようですね。どっちが勝っても基本的に大勢に影響がないので、微妙なところではあるんですが、当事者にとっては心境さまざまといったところでしょうか。あっさり認める人あり、社用で受け取ったと強弁する人あり、そもそも貰ってないという人あり。

 で、騒動師の上杉隆氏が。

http://twitter.com/uesugitakashi/status/14674731771
[引用]某テレビ局幹部。「上杉のスキャンダルを探せ。全力で探せ。経歴詐称でも、女でも、誤報でも何でもいい。潰せ」 あの~、最初から潰れているんですけど…。 QT @739 本日のペラペラは上杉隆氏がスキャンダルを持って登場です。生きて15時にスタジオ入りなるか。
 テレビに限らず、官邸から情報を貰っていたマスコミ人だけでなく、回転ドアで出て逝った人も一種の受益者であるので、いまさら上杉氏の口を塞ごうと努力したところであまり意味はなく。当時はバッチリ片棒を担いでいた皆さんであることは事実なのだし、むしろそういう粗相を握られた先が野中広務さんであり、彼がボケた以上、情報の機密性は失われて当然であったといえるわけです。

 また、上杉氏をメディア的に抹殺しようと既存メディアが考えるほどに、上記の通り大して重大でもない本件問題がさも今後の大事件であるかのように捉えられて”旧勢力”の一掃に帰結してしまう恐れだってあります。ぶっちゃけ、どうでもいいことじゃないですか。揺り戻しの機会なんて山ほどあるわけですし、アンシャンレジームを期待するなら政権が転んだところで総務省とでも握って放送の中立性を強く指摘して野良メディアへの規制を強化すればそれで済んじゃう話かと思います。本当にやるのかどうかは分からないけど。

 どうしても、いままでルールそのものが不合理だったので、革新者(というか愉快犯として)の上杉氏ほかnewbieジャーナリストが目障りといっても、じゃあ不合理な状況に戻しますか、そういう不合理である以上、あんたがたも不利なんですよ、というのは言えると思います。上杉氏が誰をネタ元にして活動しているのかは今回はっきり分かっているのだから、今回はきちんと騒いでもらって、政府も報道機関も何を持って中立とするか、新しい時代の情報統制はどうあるべきかはしっかり詰めておくべきだろうと考えるのです。

 だから、上杉氏の過去がどうであったとか、いちいち調べている人もいるようですけれども、彼が誤報を流した過去なんてそれなりにすでにあるわけじゃないですか。それでも彼は第一線で活躍している。それは、彼に商品価値があるからだし、使い勝手が良いからでしょう。それも、既存の体制が不合理で、国民一般の価値観からすると必ずしも是とされないものである、ということに過ぎない。逆に、岩上安身やら微妙な線の人を使うよりは、立ち位置もはっきりしていて使いやすい。金で動かないし興味本位だし。

 むしろ、振り子のような存在であるからこそ、いま一方向に流れていっている局面では彼の役割というのは厳然と存在しているし、彼もそう割り切って活動しているだけで、振り子が振り切って、賞味期限が切れたところでまた別の動きが起きるでしょうから、そういうときに備えて役者を用意しておけばそれでいいんじゃないかと感じます。

 いまだに飯島勲的な方法論に憧憬がある人々も多いのかもしれないけれど、野中さんの時代のように、直接カネを包んだり、おいしい仕事を斡旋したり、というような手法で観測気球を上げる方法は、もはやメインでは使って生けないということです。だって、今回みたく胴元がボケたら終わりだもの。

 官邸機密費リストがあるとかって話になってますけど、あれだってどうなんだということです。でも、動き出したら「止めろ」といわれて止まるもんでもない。貰ってた連中は損切りの対象として笑って忘れて、次の時代に相応しい方法を考えるほかないはずなんですけどね。

 まあ、下手に動いて掛け金を上げる馬鹿は死ねということで。