なんかまた微妙なネタが出てきて、もうそっち業界に秋風でも吹いてるのかと。いや、危機感を持って経営に当たるのは非常に大事なことだとは思いますけどね。

DeNA、ミクシィに人気ゲーム提供 囲い込み戦略転換
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091202AT1D010C301122009.html

 囲い込み戦略を転換したというよりは、上積みは単独でやっても描きづらいので、近しいところでうまく乗れる先はないかと探してみると、mixiアプリで見た目のPVは上がったけどその後の展開はしょんぼりなmixiぐらいが一番良い声の掛け先だった、という落ち着き具合じゃないかと思うのですが。
 まあ、サンシャイン牧場の例でも分かるとおり、あまり品質の高くないソーシャルゲームでもmixiではまだまだ客は騙せるご利用いただけるということで、儲かると勘違いした二線級の第三者がたくさん湧いて出てアタリショック状態のクソアプリ乱発されて一年程度でブーム終焉となるとmixiも良くないし、いまならmixiアプリでまだまだ稼げるけど自前戦略でやってたら外注費もサーバー代も出なくなるかもしれないと考えたDeNAが「いっちょやってみますか」と考えたのはアリだと思います。

 どうも「mixi・DeNA連合」 対 「GREE」という図式で考える人もちらほらいるみたいですけれども、実際のところそんな明確な対立の構図はあるんでしょうか。言い換えれば、もはや「オランダ・ベルギー連合」 対 「ドイツ」のような、助けてアメリカン的なアプローチに見えてしまって、まったくぞっとしません。

 つくづく思うのは、羽振りの良かったころのDeNAは本当にお金の使い方が下手だったのだなということで、いくらKDDIの無償支援があったとはいえGREEと互角だったころからほんの2年程度でここまで収益性に差がつくことになるとは思いもよりませんでした。こんな連合組む先に、コンテンツを優先的に提供しようと思う有力ベンダもおらなんだと考えるんですけど。

 肝心のランド法支援のネタはこれで、まあ株価対策になるか将来の宝くじぐらいの話に過ぎませんよね。戦況を覆すほどの起爆剤にはそもそもならんと思います。

DeNAとドコモによる新会社設立について
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/091124_00.html

 一方、GREEなんですけど、自分の社員に懸賞金かけてまで技術者を引っ張るようなお金の使い方をしていて、こちらはこちらで在りし日のインデックスとかコンパイルとかジャストシステムみたいなバブリー風味の無秩序拡張を続けていて笑えます。まあ、戦術的には正しいし、いい人もいっぱいGREEに流れていったのは見てて分かるけど、狭い耕地に沢山種を植えようとしてる雰囲気がして清々しいです。

 さすが、創業者兼経営者がリクルートもろとも株式を処分する会社さんだなと思いますね。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120091113058398.pdf

 mixiについては、実はあんまり内情よく知らね。手堅くていいんじゃないでしょうか。知らないけど。

(追記)

 …とまあ、茶化して書いては見たけれど、よく話を聴いてみると、両社ともに結構切実に今後の業績を考えてプラットフォーム戦略を再考した結果だということは何となく伝わってきました。ただ、戦い方としてはちょっと中途半端で、海外と伍しましょうというには迫力もなく、お互いもじもじしてるんでしょうかね。mixiも早いと来年までなので、DeNAより少し余裕があるかなぐらいの状態であることを考えると、本来なら異業種との連合のほうが選択肢の幅が広がってよいのでは、と思いましたけどねえ。