id:Chikirinがこんなネタを。

で、あなたはナニができるの? 「成長したい!」だけではダメな理由
http://money.jp.msn.com/newsarticle.aspx?ac=IT20091116002&cc=07&nt=25
 たまにid:Chikirinがネタで変な煽り方をすることがあり、これは何を意図しての話だろうと思っていたのだが、今回の「成長したい」とアウトプットネタでid:Chikirinの思想が何となく分かってきた。実名に一本化すりゃいいのに。

 で、インプットとアウトプットの議論はその通りですね。アウトプットがなければ、いくらインプットしても存在しないも同じ。名は財なりとか、悪名も名なりとか。自己主張をしない日本人ワーカーの群像を、id:Chikirin風に言い直すと、ビジネススクールのオリエンテーションで必ず「気づき」されるロジックに変身するという。文章も平易で、とても分かりやすいです。

 インプットが少なくてアウトプットの多い人というのは、現実に落としてみると、なんつーか本を読まないdankogaiみたいなもので、異常なダルさを感じます。お前、何言ってるの的な。そこに、意欲的なインプットと両輪で転がれば、確かに人としての成長と、成果としてのアウトプットが転がるわけですから、それは良いお話でありますね。

 個人的には、「したいこと」と「できること」との差異というのは厳然とあるものと考えます。意味合い的には近いですが、少なくとも私の周りに「成長したい」と言う奴がいない割に、「こういう仕事をさせて欲しい」とか「あんな案件を手がけたい」という奴が多いもんで、あれこれ議論した挙句「お前一人では、なかなかできないだろ?」という結論になります。だから、経営者やマネージャーの役割としては、その人のアウトプットが段階を追って成長していくようなマイルストーンを置くこと、組織としては利益なり何なりをクリアするための計画を立てるためにその人に何を期待しなければならないかを考えることが重要になるわけですね。

 で、ちきりんの議論の後段で、「生産性」という話がありまして… これがまたむつかしい。いや、結構な悩みとして、その人の生産性というのは、ある一定のルーチンやルールが見えてきて、創意工夫を育むに足る事業が確立していれば、その人の成長による生産性の向上が収益に結びつきます。例えば、家電なら家電を売る仕事というのがあって、それに従事する人がアウトプットを良質化することで生産性が上がり、売上が増えて利益になる。良いことです。

 ただねえ。その人の成長曲線が辿る線ほどに、事業の利益率と言うのは高くなってくれない時代になったんだと思うんですよ。ぶっちゃけ、効果的なアウトプットができるかできないかというのは、能力というよりは性格なんじゃないかと感じる機会が多いんですよねー。仕事の成果だったり友達の多さだったり、アウトプットというのはスキルだけではない別の能動的な気質のようなものが常に介在していないと成立しないように思える。

 だから、アウトプットがコンスタントにできる奴を見繕って、あるいは、アウトプットを強要するような環境を作って、一定の条件を満たしそうな奴に「できること」を向上させうる何かをやらせてみないとなあ、と自分でやってて思うところではあります。ああ、思うというより、反省する、という感じですけど(笑)。