今回、isologueで取り上げられていた「日本の国債は「紙くず」なのか?(国の財務書類・貸借対照表編)」は非常に示唆に富んでいたのでピックアップ。国の財務書類ってのは二年前のものが出回っている最新のものなんですってね…。単年度決算でぐるぐる回った挙句に、あまり頻繁にはアップデートできる規模ではないのでこれでええかなということなのでありましょうか。

http://www.tez.com/mag/

 パッと見て思ったのは、やはり「規模が大きすぎて、よく分かんない」。一時期、暗黒卿が埋蔵金だなんだと騒いでおりましたが、一桁兆「程度」の連結と単独の差異なんてゆうちょの数百兆の資産の中に埋もれててよく分かんないし、そもそも全体が1,000兆規模なんで、やはり容易には読み解ける代物ではなさそうなんです。

 さすがに良く分からんので、桁を3つ省いて自分なりに考えてみましたが… とりあえず、赤字時計とかやってる連中は、事業において負債があるのは当然のことという事実を見てから考えるべきなんじゃないのかなというのは思いましたな。

 精査する内容としては、やはり「日本政府は資産より負債の方が300兆円弱多いので帳簿上は明らかに「債務超過」の状態」なのだが「含みがどれだけあるのか帳簿上は出てこないので、何だか良く分からない」という…。

 いや、国の会計が駄目とかいいとかではなくて、皇居なんて今で言えば50兆ぐらいの評価額になるだろうけど、「国有財産としての皇居の価値は、2146億4487万円」だそうで、時価で換算すれば含みの塊のような物件は大量にありそう。まあ、それを各省庁が勝手に払い下げたりしながら還流させてたり、といった事例はあると思うんですけれども、これらの国有財産の含み規模というのはどれだけのものになりうるのか、良く考えないといかんということですね。

 これが、各省庁別の会計にブレークダウンされると、さすがにでかい上場企業レベルの規模に細分化されるということで、それなりに読みやすくなってくるわけですけれども、そうなると「この省庁、凄い決算内容になってて、民間企業だったら身動き取れない状況になってるけど、大丈夫なん?」という邪推も山ほど。isologueの中にリファレンス用のURLも別添されておりますので、興味の向きはご照覧ください。

 まあ、こうやって考えるといまの日本国の財政状況ってのは、実は誰も良く分かってないんじゃないの、試算した結果というのが第三者的にも合理的に分かる内容にまで整理されていないので、財政危機の情勢にあるのかないのか、あるんだとするとどのくらい喫緊なのか、というのがこれらの財務諸表を単純にざっと眺めるだけでは判断がつかないですなあ。そもそも、ざっと見てある程度確かな資料であれば経営状態を一覧できるというのが財務諸表の利点だと思うんですけどね。

 そのぐらい、国家財政の状態というのはプロの領域というか、分かっている人にしか分からないという神学論争もかくやというような内容になってしまっている。良いか悪いかは分からないけれども、少なくとも埋蔵金が見つかったらそれを支出に充てるのではなく、この財務諸表の通りの実情であるならば国債の償還に充てろよ馬鹿、という風には強く思いますね。

 個別の議論については分からんちんです。さてさて。