時事通信の湯川さんが、非常に示唆に富むエントリーを投下しておられます。まあ、時代にあった企業が儲かるというのは、そりゃそうですよねえ。

メディア企業が儲かる時代がくる
http://it.blog-jiji.com/0001/2009/11/post-9b3a.html

 FacebookやTwitter、Tumblrなどが勝ち組企業としてユニークユーザーを増やしている実情は良く分かりました。で、そういうところを使って人と人との間の情報流通が行われる、その具である情報産業はどこで利幅を取ればいいんですかね。
 目線の違いでもあるのですけれども、例えば湯川さんや佐々木さんといった、新聞業界や通信社などをオリジンとして、個人の才覚や人脈を通じて、一定の成功を収めているのは誰もが認めているし、分かっているとは思います。

 一方で、産業として考えたときに、じゃあそれなりの給料を支払われる1,000人の記者を養うにはどういう手段があるのでしょうか、という解決策の問題となったときに、上記「メディア企業が儲かる時代が来る」という言説はどのような処方箋を与えてくれるのでしょうか。

 時代の移り変わりやトレンドに合わせて興隆する企業もあれば衰亡する企業もあるのは必然ではありますけれども、湯川さんの世界観だとこういう流れになるということで…。

だからヤフーも報道機関になるって言ったじゃない
http://it.blog-jiji.com/0001/2009/10/post-9537.html

[引用]最初に危惧されていたように良質のコンテンツの供給を受けることが難しくなる。そうなれば、ポータルだろうとタルタルソースだろうと、コンテンツビジネスをやるところは、自らコンテンツを作るようになる。ただし老舗企業がやっていた高コストの作り方ではなく、徹底してスリム化した体制で作るようになる。

 情報が過剰になる、その過剰な流れに乗っかったポータルが儲かっていた、だが過剰になった分品質が下がるのでポータルがコンテンツの制作そのものに乗り出すようになる、というのが湯川さんのロジックですね。で、それは本当に儲かるのかい。

 そのエンジンは次世代広告だ、という人もあれば、ユーザーの囲い込みによるマーケティングだという人もある。でもそれはコンテンツで喰っていることにはならないんだよねえ。新聞記者が新聞記事を書いて暮らすのと同義的に、パッケージとメディアとコンテンツの関係には何の革新性も存在していないのも事実です。

 とか途中まで書いてたら結論に至る前にボーイが泣くのでこの辺で。