iPhoneが悪いというより、ただのベンダーファイナンス屋に成り下がったソフトバンクモバイルがいけないんでしょうけどね。レッツタップダンスもやりたいし、ユーザー評価のログを見とこうと思って。あさがた私のiPhone自宅でかろうじて五本中二本アンテナが立っていたのを見て落としてたら途中で圏外になりやがって涙目。

レッツタッ リズムタップ:名曲揃いのセガミュージックゲー!リズムゲー初心者こそレッツプレイ!1468
http://www.appbank.net/2009/10/16/iphone-application/53538.php

 まあ、PCで落として同期しろといわれればそれまでなんですけど。
 iPhoneアプリ開発を手がけるベンチャーが増えたはいいんですが、ちょっとまだ技術的に追いつかないというか、いろいろと試行錯誤している間に「iPhoneは儲からない」神話が出てきそうで怖いです。■eからは「アプリをもっと高く売ることにしようぜ」と公然カルテルの呼びかけまで出現。なんか天下御免で材木問屋が集まって談合して値段を吊り上げる会議をしているような感じで激しく好感が持てました。

iPhoneアプリは安すぎる!? スクウェア・エニックスの安藤氏に,この発言の真意を聞いた
http://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?blog_id=27839

 いまではiphoneのアプリ開発のボリュームゾーン自体が5万ドルから8万ドルぐらいが相場で、日本ではアプリヤさんとか専業メーカーも出てきていますけれども… いままでの大鑑巨砲主義時代の延長線上にあるRPGの縮小版みたいなコンテンツか、そんなのやるなら会社でやらずにインディーズでやれというような一発芸みたいなコンテンツか、このぐらいの開発費しかかけられないんだからこの程度の内容で良いだろという妥協したコンテンツがだいたい主流になっているので、いまはカオスだからいいけど近い将来は寡占する有力プレイヤーとその他大勢のニッチ&インディーという業者構成になるのは間違いないんでしょうね。

 そういう中途半端な作品しか出せない予算の会社は売れなくなって赤字で淘汰されてくれというのは本音なのかなとは思いますけれども、そんなに本腰入れて大規模作クオリティでiPhoneにアプリ投入してフラッグシップにしようという方法論もまた、日本の旧来のゲームメーカーの戦略や発想から抜け出せていないようには感じます。まあ、たくさん金かけて安値でリリースするのがその会社的に許されているというのはいいことなんでしょうけれども。

 消費者目線でいうと、カジュアルゲームはともかく、操作系がへっぽこで遊びにくいiPhoneを主要な携帯ゲーム機として遊び倒す層なんてそんなおらんだろうという。カジュアルやパズルはいいですよ。ただ、そのうちflashも乗ってくるだろうし、そうなるとカジュアルをiPhone向けにコアビジネスとしてやってきた業者なんてあっという間に死んじゃう。死んでいい、という気もするが、死ぬのは事実。

 本当にゲームにお金をかけたい、という層は、やはりPSPやDSでゲームを楽しむのは当然です。iPHoneは既存コンテンツの再販促や、新規コンテンツのプロモーションツールとして活用するというのが一義的に一番手堅く回せる方法で、高くかけてもやはり5万ドルぐらいが制作費に落ち着いてくるのは仕方ないのではないか、とは思うなあ。

 赤字は本当に嫌だよ。利益が出ない仕事なんて、いつかはなくなるんだから。でも市場では消費者がそれほど高い費用をアプリに落とさないことも分かってきているのだから、狭い池に鯨を泳がすような真似は当然できない。市場を広げる努力をしよう、というのは合意できても、じゃあ具体的にどうすれば消費者が使いづらいiPhoneにより多くのお金を落とすような状況になるのか、ときかれると、たぶんソリューションはない。たまに大ブレイクするアプリが出たとしても、市場全体を牽引する形にはなかなかならないだろう、というのも含めてね。

 だから、ガジェット的に、あるいは既存コンテンツのアクセサリ的に展開するアプリを頑張って企画してみて、二年ぐらい市場の推移を見て、なお継続的な収益を上げられそうということであればしがみついてでも開発体制は維持すべきだろうし、そうでないなら下請けも別のプラットフォームにシフトしていかざるを得ないんだろうな、とは思う。だって、コナミや■eみたいに自前で一作品20万ドル以上を余裕でかけてコンテンツ作る余力があるメーカーばかりではないもの。

 そして、値段上げたらtop25には入れなくなる可能性も高まる。いや、入れるんだろうけど一週間もたないのではないだろうか。top25に入らなければ基本的にはアプリは売れない。値段に関係なく。あとから値引きしても響かないしね。売れるためのゴールデンルールがランキング入りと効果的なセールス告知に限定されているので、結局、広くアプリをDLしてもらうには値段と広告しかない。それも瞬間的に効果を出せるように。

 iPhoneでもケータイアプリと同じく作り手とプロモーションが隔絶している体制をとっている会社が多いみたいで、iPhone的に面白いゲームができれば売れてくれるだろう風情のプロデューサーやクリエイターがどっとiPhone界隈に入ってきて、まだ夢を語っている段階なのだろう。それはいいことなのだが、いつまでこれは続くんだ。いや、続けられるんだ。頼む教えてくれotsune。