普通に仕事とかしてると、電話とかメールとか実際に会わなくても連絡が取れる手段で手早く済ませようとするのは当然だよね。いちいち会って話すほどでもない報告とか相談とかあるわけでさ。

 逆に、実際に会うと、プリントアウトしなきゃならなかったり、会議室どうしようとかいろいろ考えるのに比べて、メールだとパパッと添付ファイルで資料送りつけたりできるから楽。録音せずとも伝えた内容も記録で残るし間違いないし。
 仕事柄、どうしても公認会計士や弁護士とのやり取りも発生するわけだが、公認会計士とか税理士だと送ってくるメールの中に、余裕というか、雑談が含まれていることも多い。こんな記事があって参考になったとか、この銘柄の値動きは興味深いとか。場合によっては一口馬主になってる馬の画像まで送られてきたりしてね。馬だけに駒ります。なんつって。

 でも、いろんな属性の人とメール打ってて思うのは、弁護士とのメールではあまり話が弾まない。あんまり例外がないぐらい。つーか、依頼している弁護士でもなく、単に飲み会の幹事として連絡を回しているというようなカジュアルな連絡でも「はい」とか「承知しました」とかしか送ってこない。本文より圧倒的にフッタのほうが長い。そのフッタも、連絡先とかデコレーションして長いんじゃなくて、「間違ってこのメールを受信した人は~」とかそういう内容。

 普通、「お世話になっております」とか「お疲れ様です」とか「ご無沙汰しております」とか挿入して、何となく丸く書くのがメールじゃん。どうしてか、弁護士の人は要件しか書いてこない人が多いような気がする。無駄な時間を使いたくないのだろうか。または、あまり余計なことを書くのをよしとしない職業倫理がメールでも貫徹されてるからなんだろうか。

 一方で、ジャーナリストや役人のメールは長い気がする。本題がどれだか分からないぐらい、おかずがついてくる。「お世話様です」からはじまって「先日はどこどこでご一緒してありがとうございました、誰々が楽しいと言ってました」とか繋いで、「また近日中に一席考えたいと思います」って話になり、「ところでこれ知ってましたか。いまこっち界隈で噂になってるんすよ」まで書かれて、「さて本題ですが」ときて、本題が二行とか。何だろうね。ビジネスとかだと「結論を先に書け」というのが鉄則で、私なんかだと「お世話になっております」から本題に入ることが多いけど、やはり業界ごとの常識の違いなのかな。

 そんなことを、さっき弁護士から来た本文一行フッタ八行のメール返事を見て思った。