先に、twitter発のマーケティング営業をしにきた人を揶揄するエントリーを書いたところ、その当人が「自分のことではないか」とメールを打ってきたので「はい。その通りです」と素直に答えたのですが、激怒されていたそうで、二度と来ないで欲しいと思います。トランスコスモスは優秀な人が多いのに、どうして退職してOBになると一挙に知能指数が下がるのでしょう。

馬鹿「twitterやtumblrで爆発的な口コミをするから企業でもプロモーションで使いましょう」
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/07/twittertumblr-d.html
 で、儲かる論議で気になる話があって、結構前から思考実験を経て整理がついたのを一部書いてしまおうと思うのですが、儲かる系の軸足というのはこんな感じです。

ステップ1 儲かってる人がいる
 (例: twitter発のバズマーケで儲かってるんです、うちは)

 本当に彼らが儲かってるかどうかは別です。

ステップ2 儲かってる仕組みが分かる
 (例: twitterでキーワードを流せば、一万人は人が来るんですよ)

 その儲かってる人が、何をして儲けてるのか、単純化できる必要があります。

ステップ3 その儲ける仕組みを模倣できる
 (例: 貴方も頑張れば、私にように儲けられるようになりますよ)

 その単純化された儲け方は、コツさえ分かれば誰でもできることだと言います。

ステップ4 その仕組みを教えることで対価を要求する
 (例: もっと大きくムーブメントを起こしたいから、一緒にやりませんか)

 その誰でもできるコツを、金を出して習えば、儲けられるようになると営業します。

 まあ、競馬必勝法だろうが同人は儲からない論争だろうがネタはだいたい一緒で、成功している先行者が目立てば目立つほど、横から出てきた馬券師みたいなのが風呂敷を広げて金を巻き上げようとするわけですね。

 ただ、今回はwebサービスのように、私自身も良く分かっている世界だからこの手の話に乗せられて騙されずに済むのですけれども、自分が手がけていない、目利きのできない世界の話に飛び込みますと、なかなかその勘所が分からず苦労することになります。

 素人は騙される、というのはこういうことだろうと思うのですが、webサービスの場合は、関係者の記憶力が悪いのか、前回騙された業者がまた騙しに来てまんまと乗ってしまい、何度も大金を巻き上げられるケースが存在します。お前らついこの前までSaaSとかセカンドライフとか言っておったじゃないか。

 ユーザーからすると、twitterが流行っているらしいから乗っておきたいけど、やったことないし良く分からない、だから誰か教えて欲しい、というのは健全なニーズだと思います。別にセカンドライフの本を買ってきて読むとか、その程度は経験を金で買う投資だと思っておけばそれほど腹は立たず、腹も痛まない。

 ところが、ビジネスでtwitterを使ってプロモーションやマーケティングをやろう、という話になると、性質が変わります。ブログが出始めのときや、SEOが流行り始めたころのwebと、現在のwebでは、ネットユーザーの母数は増えているし、ユーザーも馬鹿ではなくなっているのが現状です。

 ただ、そこを取り巻く業者が馬鹿なままのため、バブルが終わると一挙に喰えなくなるので、喰わせてくれるところ、話に乗ってくれそうな素人くさいところを探し回っているんだと思うんですよね。
 前のエントリーでは面白おかしく書いたけれども、twitterやtumblr使ってweb上の新しいメディアを作ってテレビ局巻き込んでブーム作って物販で回収しようって計画ですよ。そんなもの、どこのテレビ局のメディア事業局だって乗るはずがないじゃないですか。三年で億単位の投資をしませんかという話ですからね。

 これが、大学出て自分でビジネスしたくて夜も寝ずにビジネスプラン考えて、疲れてるけどキラキラ目を輝かせて「こういうアイデアどうですか」という話だったら、金は出さないけどアイデアを実現できそうな方法を考えようか、という話になると思いますけど、それなりに立場も実績も積んだ人が持って回るような事業計画だと思いますか。
 レースの有力馬を適当に並べて「これを買えば儲かる」と紙切れに書いてオケラ街道の入り口で営業してる馬券師そのものですよね。そんなに儲かるなら、自分で買えばいいじゃないですか。その馬券。

 確かに私はただの山師だけれども、誰の下につくわけでもなく自分の嗅覚だけを頼りに儲かる仕事を選んで自分の足で立ってやってきたという自負も蓄えもあるので、ヒルズ族連中が全滅しても金をすることなく普通に生き残っていることを忘れないで欲しいです。