いやもう、凄い感じで。

 今月は出かけるときが多いので、少しでも仕事の打ち合わせをこなしてしまおうと、さっき打ち合わせにホテルのラウンジまで向かっていたんだ。そしたら、何か20cmぐらいもある超高いヒールを履いたミニスカ生足の三十路女がロボットみたいな歩き方で横断歩道を渡っていた。危ないだろ。そんな下駄というか竹馬みたいなのを履いて、オサレとか思ってるのか。
 と思ったら、横断歩道真ん中付近で豪快にコケた。それはもう、テロップで字幕が見えるぐらいに。顔から。格闘ゲームでもあんなやられ方しないだろという。そしたら、通りかかった中年のおっさんが「大丈夫ですか」とか声をかけてて、それを女が「触らないでください!」とか叫んでるの。世も末だと思ったね。

 で、フラグは無視して歩いていくと、何か松たか子の何とかって言う演劇のポスターが貼ってあって、なぜだか松たか子は半笑い。なあ、松たか子って何でいつも半笑いなの。世の中なめてるの。普通に不愉快だと思うんだが。見ている側が。にやりとしててさ。西部劇で若い保安官殺そうと待ち構えている悪党みたいな面構えなんだよね。捕食植物な感じ。

 ホテルに入って、オープンテラスからビュッフェコーナーを通り過ぎてラウンジに逝こうとしたら、死ぬほど貧乏くさい格好をしたイスラミ親子が、プレートに食い物てんこ盛りに盛れるだけ盛ってんの。嬉しそうに。父ちゃん凄い、みたいな顔して坊主が笑顔で見上げててさ。何度取って喰ってもいいんだよ。一度器に入れたらもうもらえないって、年末助け合い運動の炊き出しの行列じゃないんだからさ。ボーイも声かけてやればいいのに。言葉通じるかどうか分かんないけど。

 ラウンジで禁煙席に案内してもらって、ようやく落ち着いたと思ったら、九州訛りのおばちゃん二人が芸能話で盛り上がっているわけ。都会的なシティホテルの風情が台無しな感じがするけど、そもそも都会のホテルは田舎から来た人を宿泊させるための施設なのだから、と合理的に考えて我慢する。バカリズムが根暗そうとか狩野英孝がつまらないとかはんにゃは飽きたとかそういう話を大声でしてるのが耳に入ってしまう。何でこんなに詳しいんだ、お前ら。

 話がギャル曾根の話になって、あれはいい年なのにいつまでギャルなのかしらねとか語ってる。そういうキャラで売り出してしまったのだからしょうがないだろう。ギャル曾根がギャルじゃなくなったら曾根である。私だって、20歳そこそこでパソコン通信始めたときに適当に「切込隊長」とかハンドルつけたら引っ込みがつかなくなって、36歳になりいい年になっても未だに切込隊長から脱却できないまま、いまや子供ができようとしている。そういうのには、そういうのなりの苦労というものがあるんだよ。ギャル曾根に同情する。力の限り同情する。

 書いているうちに凄くどうでもよくなってきた。もういいや。