「あれはいい買い物だった」と笑える日が来るのさー。

朝日新聞、CNET Japanを事業継承 9月1日から運営へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/01/news079.html
 ただ、良くも悪くもオーソリティ度の高いメディアが、ネットメディアを買収して事業強化を図るというのはチャレンジとしては全然アリで、あとは事業基盤の維持・拡大のためにどうメディアクロスさせて広告収益を上げていく事業を組み立てるかという問題でありまして。

朝日新聞、CNET買収か?
http://redpen.jp/2009/05/27_05594.php

 ただ、CNETは随分前からOnsaleで、エキサイトやトランスコスモスにも結構早い段階で断られて、あまりにも派手に売却先探しをしていたのか、着地の一ヶ月も前にネットにも書かれてしまい、衆人環視のなかで最終的に朝日新聞が吸い寄せられるように引き取ったというのは特徴的な気がします。金額は分かりませんが、あのCNET JAPANの状態だったらほぼ無償で事業譲渡を受けなければ朝日は損をするはずなので、報道されないのは金を払っちゃったのかと邪推したりします。

 いやまあ、タダでも高いと思いますけどね。事業単体で考えるなら、CBSが閉鎖を決めてから引き取ったほうが良かったようには感じます。CBSとの今後の提携で、もう少し実入りのある話が付随しているのかもしれませんけど、CBSが朝日新聞という紙メディアに対して利益をシェアできるような提案を持っているとも思えず、単純に投資という観点からすると高値掴み以外の何者でもないかなとは思います。

 考え方を変えるならば、朝日新聞はいままで結構な金額をデジタル方面に突っ込んできたはずですけど、CNET程度のアクセスを集めるサービスすら立ち上げることが出来なかったので、ネット資産(SEO的に、あるいはアーカイブ的に)を一刻も早く積み上げたかったのかなあと思います。

 一方で、手早くデジタル資産を安価に手に入れたい、多少のオーバーヘッドは止むを得ない、と判断したのであれば、それはそれで朝日新聞の判断は尊重されるもんだろうとは考えられます。ナイストライ、といったところでしょうか。あとは、冒頭のように「いい買い物だった」と振り返られるかは、CNETという、読者層があまりに技術寄り過ぎてやや硬直化したメディアでどういう商売の種を仕込めるのかという部分ですね。

 あとは、Yahoo!との提携済みである事案はどう処理するんだろうとか、注目すべき点はいくつかあるんですが、発表から二時間経ってもいまなおCNET Japanのトップページに「俺たち、売られちゃいました(テヘ」という記事が来ません。お通夜でもしてるんでしょうか。


http://japan.cnet.com/


 ITmediaも増資とか頑張ってください。