サイバーエージェントのページビュー水増し話に加えて、最近はメガサイトと言われるmixiやモバゲータウン、GREEなどの広告枠の取り扱い状況が微妙な感じになってきました。
 加えて、ケータイコンテンツ各社の収益性が分かれ始め、勝ち組と負け組がはっきりしていくなかで、ケータイで儲けられる仕組みを作っている勝ち組企業はビジネスモデルが一部共通しています。

 まず、膨大な「ヘビー携帯サイトユーザーの顧客リストを持っていること」。
 次に、「顧客のイケスとなる主サービスを持っていること」。
 最後に、「広告をクリックさせるための仕掛けを、広告主の意向とは関係のないところにもっていること」。

 こんなところでしょうか。

 で、例えばゲームサイトの話をしましょう。媒体資料では、UU約14万人、中学生、高校生、専門学校生が全体の六割から七割、男女比は男5.5:女4.5、首都圏など都市圏で全体の65%程度、年間にケータイショッピングで使う金額は一人頭平均1,400円ほどと、非常に平均的なサイトです。

 問題は、ゲーム内広告。ゲームに熱中しているのは、男7.5:女2.5、アバターや育成ゲームなどコミュニティ支援コンテンツの有料利用率は一桁%で、だいたい2,000人から3,000人ぐらいでしょうか。まあまあ優秀なほうです。

 で、ケータイ系レップから、広告取ってきて貼ってる。ここまではいい。問題は、ゲームコンテンツや、アバターパーツで優位になるために、広告をクリッコさせて、ポインヨを貯めさせる。タダでポインヨ貯めて武器やアバターパーツ欲しいから、いろいろページ移動して、せっせと広告をクリッコクリッコ。

 確かに一杯人は来るんでしょう。でもそのアクセス、効果が薄いとはいえ多くの人に踏まれたからいいや、というような業態ですかね? 最近はさすがに減ったけど、でも主力はいまだに消費者金融やパチンコや、エロ漫画配信とか場合によっては出会い系サイトの広告ですよね。

 で、そういうのをクリッコして飛んでいく人は、下手すると小学生だったりするわけで。サラ金の広告を踏みまくる小学生。あるいは、出会い系サイトに訪問しまくる小学生。いいわけないですよねえ。

 ゲームやコミュニティ支援コンテンツを餌にして、客に広告をクリッコさせる仕組みが儲かるのは分かります。サラ金がちり紙を街頭で配ってチラシを受け取らせるのとほぼ同義ですから、別にそれが悪いとかはいいません。

 でも、「健全」ですかね。大手メガサイトでも、ケータイからアクセスするとエロ漫画の広告が出るのと同様、何を持ってお前らは健全と自分たちを規定していらっしゃるのでしょう。

 ネットやケータイの「広告モデル」というのは、集まった人たちの中から、能動的に広告を踏む人が一定の割合いて、だから会員を集めれば広告も取れるから無料でも採算に合うよね、というモデルだったはずで。ところが、現実には、「広告を踏まないとポインヨが貯まらない」ので、ユーザーがせっせと広告踏んでポインヨを貯めているという本末転倒のモデルになっている現状があります。

 その広告自体が不健全だったらどうするのかとか、不健全は仕方ないけれどせめて未成年には踏ませないようにしようという枠組みを作らないことには、本来は「健全サイト」と言えないはずです。ところが、枠組みはなかなかできはしない。何故か。

 ユーザーの大多数が、未成年のサービスだからですよ。しかも、似たようなゲームサイト、同じようなプロフ、変わらない音楽サービス、ほぼ一緒のSNSメッセージングサービスで大小いろいろできてるけど、広告出し合ってぐるぐる同じ客を回し合っているだけ、という、ほぼ出会い系サイトと同義のところもあるんじゃないでしょうか。

 だから、未成年者略取のような売春問題が尽きないんですよ。でも、上場しているんですよね。これからどうするつもりなんでしょうか。