今朝方、改めて外資の皆さんとやり取りをして、自分でも上場企業全社から条件付けでスクリーニングしてみて思ったのだが、結構むつかしい情勢なのだなあ。

・ 規模がある程度あって、業務内容に将来性のある会社が、大手の資本系列に入れてもらえない(←15:45 訂正)
・ すでに大手の資本系列に入っていて、規模がある程度ある会社は、業態に将来性がない
・ すでに大手の資本系列に入っていて、業務内容に将来性がある会社は、伸び悩んでいて規模が小さい

 最近、エコ関連のベンチャーの資料を読む機会が増えているのだけど、正直言うと、何を基準に判断すればいいのか良く分からない。
 だから、官公庁関連や大企業からのエコ発注が主たる売上になり、彼らが発注先としてそのような企業を選択するのには、何らかのコネか、どこぞ大手の資本参加があって信用があることが条件になるのかしらねえ。よほど効率がいいか、安いかという純然たる企業競争の結果というのは重視されなさそう。

 いま、140億ぐらい売り上げているエコ関連企業と、同じような商売をしていて精励しているにも関わらず数億の売上でふうふう言っている企業の業容を見比べているのだが、前者が勝っているところというと、なんかでっかい企業数社から出資して貰って、どこぞの国立研究所と共同研究しています、というような話ぐらいしか思い当たらない。プロダクトを純粋に比べると、ほぼ同等か、むしろ小さいほうが細やかで品質の良いサービスを行っているように見える。

 コジェネも然り、太陽電池設備関連も然り。市場規模はでかくなりそうなのは分かるんだけど、どこまで利益が出るかは受注内容にもよるだろうし、ダンピングとか始まっちゃうとあっという間に巨大固定費賄えなくなりそうだし、すべての市場が官公庁や大企業のエコ発注の比率が大きすぎて、あんま自由市場で資本を調達して大規模な国際展開を目指すというような話になりそうもない。

 良く分からないんだよなあ。ヒヤリングしてても。経営してたり資本参画している人たちは目キラキラさせてイケてる風の話をするのだが、結局、そのサービスなり商品が、エンドにどういう受け取られ方をして、どれだけ社会に利益が還元されそうなのかがイマイチ見えない。イマイチっていうか、全然見えない。

 IT業界もバブルだったけど、まだ「将来的には会員がこれだけ増えて、一人当たりこれだけ回収して、広告がこれだけ入って」っていう「画餅」がちゃんと画だったから良い。絵が描かれていれば、良い悪いを判断するのは投資家で、悪い判断をした投資家は金をスッてしまうという自然の摂理は働いていた。

 でもエコはなあ。昔も高機能焼却炉とか言ってたが、あれよりも性質の悪い話が多くなった気がする。「これ、凄いんですよ」とデータだけ渡されて、その信憑性はまったく分からないが、そこにどこそこ大教授とか、某大企業OBが役員や監査役にとか、著名経営者が株主にとか、M資金みたいな話が一杯だ。

 私の懸念どおり、本当に「騙し」なんだとすると、かなり強烈な詐欺みたいなのがエコ関連で横行していることになる。誰かが国家ぐるみのねずみ講だと騒いでいたけれど、今回はプロがプロを騙している構造になっているのが、ITバブルと決定的に違う。むしろ、バイオバブルや炭素取引に近いかも。

 そういう関係の事務方をやっている人がどれだけこんな辺鄙なブログを読んでいるかは分からないけれども、「そのデータは真正か」と「売上の根拠はどこにあるか」は良く見たほうがいいと思う。マジに。

(15:45 訂正)

 誤記があるとの指摘があり、訂正しました。ありがとうございました。