先週、財団の定例研究報告会があって話を聴きに逝ったら、何か隣の委員が参考資料とかいうので変な資料配ってたんです。何だろうと思って読んでみると、ケータイユーザーの男女で利用、支持されているサイトが男はモバゲー、女は日記だとか書いてあるんです。
 しかも「男の30%以上がモバゲーを楽しんでます」とか。んなわけねーだろ。実働会員数単純割したってそんな数には絶対ならん。なんだこいつ。本気で馬鹿なんじゃないかと思っていたら、サイトにも出ていました。何でしょうか。で、良く見たらサイトを以前見て、何だこれと思ってサイトに登録してデータ既にダウンロードしたりしてました。あまりにもクズな研究結果だったので投げたままだったんですね、私。

"ほぼ毎日"利用する携帯サイト、男性は「モバゲー」女性は「友人のブログ」
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/04/017/index.html
モバイルマーケティングデータ【MMD研究所】
http://mmd.up-date.ne.jp/

 資料を改めて読んでみると、サンプルが研究所の協賛会社がやってるケータイ向けコンテンツでかき集めたアンケートでやっとるようで。本格的に馬鹿ですね。そんなサンプル調査でやったら、似たような大手サービスが一位に来るに決まっています。そういうのが好きな奴だけにアンケート取ってるんだもの。ラーメン屋に来た客に「何のラーメンが好きですか」と聞いて、三割が「醤油ラーメンが好き」と回答したので「日本人の三割が醤油ラーメン好き」と発表するようなもんです。ラーメンが好きだからラーメン屋でラーメン喰ってるに決まってるだろ。ラーメン喰わない奴はラーメン屋に座ってないんだよ。

 ラーメン屋としては、ラーメン喰いに来る奴の話は良く分かっているから、ラーメンが嫌いな奴は何故ラーメンを喰わないか、ラーメンをもし喰うとしたら何故か、というのを聴きたいわけ。ラーメン既に喰ってる奴の話をいくらラーメン屋同士で喋ってもラーメンの中身の話にしかならねえだろうが。ウェブコンテンツが頭打ちになって、いまウェブコンテンツにお金を払わない人が、これから払うようになるのか、払うとしたらどういうものに払うのか、というあたりを調べるのが業界研究の基本的テーマだろうに。脳味噌に何か湧いているとしか思えない。人体実験か。

 それに媒体協力しているサイトごとに重訪問率も違うだろ。ましてや、ユーザーが被ってダブルカウントしている可能性だってあるんだ。回答者属性はきちんと揃えて測定しているのか? 謎は尽きない。っていうか、どうやったら男性に絞った結果がモバゲー三割とかクソのような調査内容を捻り出せるんだ。

リサーチ協賛メディア
http://mmd.up-date.ne.jp/medialist.php

 マイナーゲームサイトやコミュニティサイト、それもマイナーなところに屯している中心から外れた連中集めてアンケート取って、研究発表するとはどういう神経と根性をしているのか不思議でならない。SBI大学に通って池田信夫に罵倒してもらえ。正座してアゴラでも読んでろ。クズすぎる。それも全体的にだ。「何じゃこりゃ」と思って私の純でピュアな探究心により30分以上思い悩んでしまった時間を返してもらいたい。

 最低限、コア客と一般客のバイアス差をきちんと測定して、一日何時間以上ケータイでコンテンツを摂取、消費する層はこの辺のサイトを支持しています、というのがせいぜいで、何の修正もかけずに生のデータを一般論として提示するなバカタレ。騙される奴が続出しかねないだろ。一億歩譲って、アンケートを公表するのはいいから、ケータイでのプロモーション活動に限定したデータにしとけ。
 設問がおかしかったり重回帰分析すらかけてなかったり、本当に研究してんのかな。

 そういうデータ見て、「いやー、いまの若い人は我々の世代とは随分違うリテラシーが一般化してますなあ、はっはっは」とか得心しているお爺さんがたもどうにかしていただきたい。間違ってますから、それ。情弱が情弱相手に作った情弱アンケート結果を情弱が情弱情報と気づかずに信じるなんて酷すぎる。

 敢えて言う。残念である、と。