煽った形になったので、いろいろメールは貰いましたが、私は梅田望夫さんが好きです。人として好きで、好きだから注目して来ました。別に残念とも私は思いませんけど、彼は彼が思っているほど(あるいは、西村博之さんが語るほど)微妙な存在で終わる人ではないと考えているし、もう少し、膝を折って、”日本の”ネットと向き合ってもらいたいと願っています。
 彼の仕事が、必ずしもうまくはいっていないことも伝聞ですけど聞いています。でもそれは、このご時勢で彼の夢が夢として受け取れる余裕のある人が減ったからに過ぎない、彼の語ることの、本質的な価値はまったく減じていないと感じます。だからこそ、いまなお多くの人が、彼の意見に耳を傾け、彼の論旨にああでもないこうでもないと時間をかけて咀嚼しようとしているのだと思います。

 私は梅田さんは実践者ではないがゆえに、彼の好きではないものに対する評価が低く、結果として多くの彼を賞賛した日本のネットワーカーが彼の発言で裏切られたと感じていることを率直に惜しいと思っています。残念、というわけではありません。

 梅田さんが、将棋の世界にある意味「逃げた」ことは、彼のいまの時点の限界であり、彼の下した決断としては、彼に対するネットワーカーの期待としてはやや期待はずれの部分はあると思います。私は将棋が好きですが(指摘されましたが、私は碁のほうを多く打ちますが)、シリコンバレーで将棋を見ることに価値を置く人は少なく、彼は彼の思うハイソな人々におだてられ、持ち上げられてその気になっているだけじゃないかと周辺の人から聞く限りでは感じます。

 いずれ、梅田さんはこの界隈に戻ってくるだろうし、そのころにはまた新しい知見や思想を携えて、我々を啓蒙しようとすることを期待しています。そうやって、彼が期待に沿う活動をするまで、梅田さんを人間のクズ呼ばわりするのは彼の役割と才覚にいまなお期待しているからだと思ってもらいたいです。

 以上、残念と切って捨てられた日本のネットユーザーの酔拳でした。ご清聴、ありがとうございました。


#余談

 今号のビッグイシュー、面白いです。

http://www.bigissue.jp/

#余談2

 otsune師ほか、本件を俯瞰する位置で包括的に見られる人は、本音で言えばもう少し直接、感じたことを書いておいて欲しいです。あとで読み返して立ち位置を確認したりしたいじゃないですか。

 今回スルーしたfinalvent爺然り、最近のネットを定点観測しようとして、灯台の役割を示せるブレない人たち(頑固な人たち)の動きがここんとこ大変鈍いような気がする。気のせいかもしれませんがね。