ネット界隈最新極論案内。珠玉の二件、メモ風に。
○ 楽天のネット薬品販売関連

徒労感 雑種路線でいこう
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20090513/drug
VS
トロイ クロサカタツヤの情報通信インサイト
http://japan.cnet.com/blog/kurosaka/2009/05/12/entry_27022336/

 現実的な戦術論を語るクロサカ氏と、規制のあり方という原則論で勝負する楠氏との、決して交わることのない絶妙な平行線の議論が秀逸。話の中核に居るはずの津田大介氏が完全に埒外というのもポイント。

 ネタは厚生労働省の「医薬品のネット販売規制に関する委員会」で、クロサカ氏も解説するとおり、要するに「三木谷さんvs.他全部」。三木谷氏側がこの手の既得権益に入り込むには、天下りの受け入れなど泥臭い部分も必要、という話でありまして。もっとも、TBSの件や国重氏の問題でもそうだったけど、三木谷氏の嫌われっぷりはもはや芸の域に達していると思う。

 一方、楠氏側は「偏った利害関係者と癒着した組織は、公正に機能するよう見直さなければならない」と厚労省のやり口を原則論で批判。公正に機能した結果、改善するのは楽天が医薬品ネット通販ができるようになるだけというのは泣けるが、正論といえば正論ではあります。

 で、なぜか爺のところのコメントで問題の本質を抉る書き込みが。

これ、できているはず
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20090513/1242176147
bn2islanderbn2islander 2009/05/13 20:36 厚労省の検討会を見る限り、ネット販売に批判的な見解が多く目立ちました。もし多数決で結論が決まるのであれば、ネット販売原則的禁止という事が決まっていたでしょう。ある意味、厚労省は全面的なネット販売の禁止を防いだとも言えるのではないでしょうか。

問題は、検討会の議論が民意を反映していたかどうかですが、私はある程度は反映しているのではないかと思います。つまり、この話が政治の場に直接出された場合、ネット販売の全面的な禁止が決定されるように思うのです。


 「やはりあのとき逮捕しておけば良かったんだよ」とか「孫だの安だの半島系経済人は相変わらず行儀が悪い」とか言ってはいけない。

○ コンテンツ既得権益関連

コンテンツの搾取は環境破壊と同罪
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/mediabiz.aspx?n=MMIT12000010052009
VS
新聞の没落と資本主義の運命
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/2a7fefd572578c141168d098a8a6bd1b

 論文を書かない学者対決。赤丸急上昇中の釣り師・岸博幸氏と、面白経済論戦の常連・池田信夫氏との不思議な極論のありようはやはり芸術だと思います。

 ただ、本件は池田氏の本職に近い分野でもあり、書いてることはまともです。入り口は新聞社ではあるけれども、このまま逝けば、コンテンツを作って、金を稼ぐビジネスは死滅しかねないよという話。で、〆の文章がこれ。

「そのうち新しいバランスが成立するだろう。しかし、そのとき残っている新聞社(あるいはメディア複合体)は全国で3社ぐらいになるかもしれない。ここでも資本家は負け、消費者が勝つのである。」

 最後は何を言っているのか良く分からないのもポイントが高い。なんだこれ。また書いている途中で自分に酔ったかな。

 逆に、岸氏の文章は、もうポジショントークとかってんじゃなくて、それっぽい話を書きさえすればもう何でもいいじゃないかというレベル。締め切りが迫っているとき特に書くネタがないと陥りそうな桎梏そのものであって、コンテンツ業界搾取論がどのようにエコと結びつき、最後は「対策しない政府も民間も全部死ね」という捨て台詞で終わる壮大な言論スペクタクルを心逝くまで堪能されたい。

「日本政府ももっと真面目な政策を講じるべきである。そして、すべての国民がコンテンツの搾取を深刻な問題と捉え、それを平気で実行しようとする企業を糾弾しなければならない。」

 なんだこれ。

 結論の良く分からなさでは池田信夫を超えた。

 そんで、主義主張もさることながら、議論のスタンス自体も(二人がある程度論理的であるという前提で言うと)岸氏と池田氏は見事に対立しています。これまた、絶対に交錯しない平行線を美しく、そして力強く描く。ろくなもんじゃないんですが、面白ければ全てが許されるというネットの美徳に全面的に寄りかかっているあたりは真に共感を抱かずにはいられませんね。