この前、関係先がアレンジャーを某外資証券にしたというので、増資の話を聞きに先方へ訪問したところ、何か超タメ口である。まあ、フレンドリーだからいいか、と割り切ればいいんだろうけど、心理的に近くに来すぎて逆にキモい。というか、顔がGG佐藤に似ている。あ、GG佐藤だ、と思った。「キモティィィ」とか言われるんだろうか。
 挨拶から状況説明から資料の受け渡しからクロージングまで、ずっと「でさあ」とか「だからよ、」というような調子で話されるので、てっきり同行していた当方側ブローカーの証券会社のYさんが死ぬほど仲が良いのかと思った。ところが、ふと横を見るとあからさまに不機嫌そうな顔をして黙っている。気に入らないに違いない。

 ひょっとしたら、帰国子女だとかそういうオチなんだろうか。でも、普通そういう顧客対応では外資系のほうが煩いほど徹底するもんだがなあ。ましてや、それ相応の金額のディールなのだから、もうちょいフォーマルな感じがよろしいのではないか、と感じていたのだが。

 そのミーティングのあとはすぐ次の予定が入っていたので、玄関先で当方側のマネージャーとは別れてしまったのだが、夜になってYさんから電話がかかってきて「あの野郎、不愉快極まりないですね」というような話が。ですます調の語尾に「あの野郎」という指示代名詞がつくというのは表現として気になるところではあるが、私も私であまり相手の気持ちを考えずに一方的に話す癖があるので「いやまあ、しょうがないんじゃないですか。相手もそういうスタイルなんでしょう」とか「ユニークなお人柄なんですよ」とかフォローした。

 そしたら、何が気に障ったのか「山本さん、それがいけねえんだよ!」と怒声が。えええええ。「ああいう奴に舐められるとろくなことがねえんだよ山本さん!!」とか。いや、舐めるとか舐めないとかそういう話じゃなくて。さん付けはいいけどYさんもビッグなまでにタメ口。んー。まあ仕事熱心だからしょうがないか。私はイメージと違ってビジネス的には非常に穏やかな人柄なんですけどね…。

 5分ぐらい、わーわー言われた。その間、ずっとタメ口。結局、なんだかんだでその仕事はぽしゃってしまったわけだが。ついぞさっき、Yさんから電話来て、やっぱりタメ口だった。別にいいんですけど。ええ。