えびの養殖でもするんだろうか。

大和が出井氏と組み日本とアジアに300億円投資へ
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-37134820090324
 まあ、分かってる人は分かってるんだろうとは思うが、非常に微妙な内容ではある。つか、パンアジアのこの超飽和したPE市場に300億程度の銭転がしてどうにかなるとはなかなか考えづらいし、大和がこれから頑張って営業してお金集めますという話なのにこういう記事にしちゃうのはどうなのかと。

 あくまで一般論だけど、出井さんの件に限らずこの手のパートナー業務というのは「日本3割、アジア7割」とかそういうファンドの性質とは別に、LP側の”お手つき”案件の敗戦処理を一般募集の投資家が被らないようにするのが鉄則だろ、と。たまに、パートナーが私募債でファンドを作るというので、何に使うかと思って調べてみたら、てめえのところのPEで失敗ベンチャーに入れたクソ未公開株をダマテンでファンドに引き受けさせようとしてたりする。違法じゃないけどコンプライアンス的にはどうしようもないわなあ。

 今回の件では、「大和クオンタム・キャピタルの会長には出井氏、社長にはクオンタムリープの水島正副社長が就く予定」とか書いてて大和は3割銭入れると言いつつ運用は出井さんとその周辺に任せる、ということなの? それはやめておいたほうがいいと思うよ。「大和証券SMBCPIは、ファンド総額の30%をめどに出資する予定」とか言ってるけど、普通に投資先候補とかが出揃って、払い込みが済んでからリリースしろよと。それじゃ段取り悪いだろ、という反論もあるかもしれないが、普通、300億程度のPE立ち上げたぐらいの内容でこんな記事にはならんよ。単に出井さん神輿に箱を立ち上げた話だけで記事にするというのはどうなんだ、という話だ。ロイターは分かってて取り上げてるなら凄いけど、普通に提灯の片棒を担がされている感じになってるんじゃなかろうか。

 まああれだ、出井さんが自身のネットワークで将来有望な投資先を発掘して株式引き受けできるのなら、大和の力など借りずに自力でやるだろうし、大和が営業せんでも出井さんの周辺で銭集めればそれで済む話だろう。それをしないということは、どういうことなんだろうね。また金融庁の仕事が増えるのかね。