ストリートビューなんかより問題になるだろうし、そういう騒動を起こすことは充分分かってる確信犯だろうという判断もしたうえで、だけど。ベルヌ条約の延長線上とはいえ、日本以外の各国もこの作法は単なるrobberyとして批判の対象になるだけだと思うし、相応の対価を支払う方法についてもっと慎重に吟味すべきだと考えますけどね。

日本の作家びっくり!申請なければ全文が米グーグルDBに
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090225-OYT1T00066.htm
 兎も角、googleとしては従前の高成長神話が翳ったところでmicrosoftばりの手当たり次第というかだぼはぜ的な展開が増えたのは間違いないし、逆にそういう話題が振りまかれるということでネットでの存在感を誇示したいのかもしれない。あの手の組織のある種の副作用というかDNAみたいなもんなのかもねえ。

 旨く軌道に乗れば事業的にもいいだろうし、著作権者や出版社に対する見返りも考えられうるとは思うけど、これだけ公共性の高いものを事前の調整もなく上からドンと落とされたような方法で進めるというのはアレルギー反応が起きるかもな。株売っちゃってから細かい数字は見ていないけど、成長戦略が見当たらなくなったので商品ラインナップの入れ替えを急ぎ、フレッシュさを失わないように敢えて挑戦的な事業に取り組みましょうというのは分かるけどさ。

 そのうえで、英語圏での出版権とか、あんまり日本の出版業界ではメジャーに取り扱われなかった分野が掘り起こされて騒動になるだろう。ただでさえ、出版社や新聞社はデジタルに活字需要を喰われていると考えているなかで、よりによってgoogleに持っていかれるとなると知財における国家戦略とか全然大袈裟でない風の活動になるかもしれんし。

 性質は違えど現象としては「背広を着たデジタル版ブックオフ問題」みたいなもんか。あれは新古書という私生児のような望まれない形態を見事に体現した日本社会の歪みの標本だったけど、今回はどうだろ。