綺麗にいえば、投資家なんですけどね。相場を張って、それを生業のひとつにしていれば山師だの勝負師だの言われるのは仕方がないわけですよ、己の眼力と博才で暮らしているわけですから。卑下しているわけでも開き直っているのでもない。投資の界隈は虚業とはいえ、きちんと自分が取れるリスクの範囲内で誰の力も借りずにチップを置く度胸が必要です。
 でも、相場というのは自分で独学でやるしかないので、誰かに教えられてどうにかなるとか、そういうもんじゃないんですね。前に学校で市場原理についての授業があるんだとか、大学で金融工学が人気とかあったけれども、学があっても相場勘のない奴はどうしようもないし、高校中退でも種銭貯める地力があって相場を見極める力があれば必然的に浮いてきます。

 相場を張らない人からすれば、ギャンブルの世界に身を投じて実業とは程遠いということで理解できない世界なのは良く分かるけれども、手に職をつけたところで先は分からないし安定しないというのがいまの世の中ですからね。サラリーマンが「将来は不安だ」とか言うのを聞いて、私らからすれば「そもそも安定している状況なんて、生れ落ちたその瞬間から存在しないんだよ」と思ってしまう。

 相場を張っている人が、私のように自分の銭で博打を打っているのなら、それは自分で自分の取れる範囲のリスクを取って、自分の才能で飯を喰っていると思って欲しいです。それは、証券や先物、為替で喰ってる人もそうだし、事業家として人を使いながら事業を切り盛りしている人だって自分の家屋敷を担保に金借りながら仕事転がして利益を出しているんです。基本的に、自分の足で立ってる人たちなんですよ。

 資金調達の仕事をしていると、なんか私らが何の苦労も努力もなしにあぶく銭動かして良い飯喰ってるように誤解されるんですけど、まあ私の風体が山師気質なところがあるからというのもあるけれども、こっちも20歳から16年相場やってて山谷あっても生き残ってきているわけで、そこのあたりは理解して欲しいなあとは思います。

(追記 12:34)

 論争になったご本人がこのエントリーをお読みになられ、趣旨のご説明と撤回のお言葉を頂戴しました。ただ、当方の真意も論争相手を貶めようという意志のないことは読み取っていただけると信じていますので、当エントリーについては削除せずそのまま残しておきます。また、関係諸氏のお心遣いには改めて感謝申し上げます。