事件単体で見ると汚職であって、摘発にいたった材料そのものは何ら疑義も不思議もない代物ではあるけれども、時期と背景を考えると米帝が選挙終わりで外交的に動けないこの時期にこの球を投じておこうというハラが明確なのが気になるわけであります。

台湾独立派の退潮を期待=陳氏逮捕に高い関心-中国
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008111200546
 大統領選挙関連の報道一色となり、ご近所の知識人の皆様もせっせとその戦いぶりの評価や新政権「後」の行く先を検討されておられるようですけれども、突き詰めれば"Big Brother"であったとしても所詮他所の国のことであるには変わりなく、与えられる影響も限定的で、おまけに財務長官はじめ補佐する陣容が固まって政権がスタートしてみないことには何事も分からんという風にも思います。

 そのなかで、揺さぶりとして陳前相当を逮捕して台湾独立派のプレゼンスを下げる、それに対するリアクションがしづらい時期を選ぶ、大枠の問題との関連を否定する、という一連の流れは、いまはまだランドパワー側にボールがありますよ、という話なのでありましょう。

 加えて、親台派を自認し、台湾は大事で古い友人として遇してシーレーンの確保に日本のアジア外交は注力すべきだと最後まで言っていた日本人が、結局最後まで台湾当局による陳前総統逮捕の高次情報を事前に入手できていなかったというあたりに、「あれだけ交流を深めておきながら重要な情報は何一つ貰えない程度の関係しか築けない、狂言回しの手伝いをしている馬鹿が税金貰って似非研究を繰り広げているのかよ」と幻滅する思いを抱くのであります。何のために存在するのか良く分かりません。早めに二酸化炭素を排出できない身体になるべきだと思いますね。

 つーか、タクシン一家はきっちり第三国に送り出せて保険かかってるのに、陳水扁前総統は身柄まで取られて独立派退勢がまた一歩深まってしまうなんて、ちょっとありえない流れな気がするんですよね。独立派をある種の民主主義陣営と置き換えてもいいや。

 本当に、馬鹿なんだろうと思いますね。