与太話をいくつか。


● 中川秀直氏が森善朗氏に梯子を外される

 党内融和を前提に派閥内をまとめたい森さんに中川さんが放り投げられて涙目というわけではないけど、新聞記者や週刊誌の雑誌記者に情報をばら撒いてまで小池擁立に即日動かせて期待感を煽った以上、引っ込めるわけにもいかないんじゃないだろうか。

 ・ (9/3)「非麻生」擁立が本格化 自民総裁選、小池氏ら軸に
   http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt39/20080902AS3S0201X02092008.html
 ↓
 ・ 森氏「小池氏擁立は問題」 中川氏にくぎ
   http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080904AT3S0303Z03092008.html

 福田首相に改造内閣で冷や飯を喰わされ、離党でもして再編を狙うかと見られた中川さんが、突然の福田首相辞意で喜んで反麻生糾合で返り咲きを狙ったんだろうけど、森さんには話が通ってなかったんだねえ。党を割るより先に派閥を割ったほうが早いんじゃないかと思うが、森さんがいるうちはあんまデカいこともできないのかしら?

● 野中広務氏が反麻生連合呼びかけるも創価学会に袖にされる

 似たような話で、引退したはずの野中さんが改めて影響力を誇示しようと御用メディアも動員してネタを振っていたが、あっという間に浜四津女史に麻生支持で踏み込まれてこちらも涙目って感じの展開に。「連立を組む公明党内にも“麻生アレルギー”が存在」とか「支持母体の創価学会内でも「選挙の実動部隊である婦人部を中心にタカ派の麻生総理誕生は好ましくないとの意見が出ている」」とか書かせて、「かつての自民党のキングメーカー野中広務元幹事長が津島派の面々にコンタクトをとって“反麻生”を訴え」とネタ元をチラつかせた記事を掲載させておいて、直後に全否定報道が出て即死。

 ・ 「ポスト福田」麻生氏は出馬、小池氏含み
   http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/09/03/01.html
 ↓
 ・ 公明幹部、麻生氏を歓迎 自民総裁選
   http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080902AT3S0200O02092008.html
 ・ 自民総裁選:浜四津・公明代表代行が麻生氏支持 幹部で初
   http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080903k0000m010069000c.html

 これ、野中さん全盛期ならありえなかった展開なんだがなあ。いやほんと全否定だからねえ… どうなんでしょう?

● 肩の荷が降りた福田首相が面白い件

 福田さん本来の馬鹿キャラが炸裂していてフフンな感じで最高です。投げ出したわけではない、と会見では強弁し、名言である「あなたとは違うんです」をブチ上げた本人自らが「2008年に急に首相が辞めちゃったことが100年たっても1000年たっても分かるようにしなければいけない」というのは福田さんは誠実すぎると思うっス。

 ・ 自虐的な福田首相、有識者会議で笑えない軽口
   http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20080904045.html

 福田さんが著者に入ってる本をいま読むと、ああまあそういう感じの人なんだなというのが良く分かります。

 http://www.amazon.co.jp/一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ-福田-康夫/dp/4584188602

 なんか聞き手が明石散人氏で、しかも対談相手が衛藤征士郎氏という点で凄まじく微妙な感じはするけど。

● 町村官房長官は相変わらず面白い件

 官房長官職での公式な記者会見の場でありながら「UFOいると思う」発言で「それは鳩山由紀夫氏のことか」と突っ込まずにいられなかった町村さんが、今回も相変わらず面白いです。

 派閥の代表である顔もありながら、いきなり「いや、俺総裁選出ねえっス」。誰も出るとは思ってないって。むしろ聞きたいのは小池女史が出るかどうか、派閥として容認するか、そして派閥として支持するかだから。町村さん自身が出馬するかどうかなんてアレすぎて誰も興味なかったと思うよ。

 その後、案の定町村派からの総裁候補である小池氏の出馬が取り沙汰されると「いろいろな人の立候補はいいこと」と超絶他人事。いやいや、小池女史はおたくの派閥なんだから、領袖としてもう少し各論の話しなよ。その後、小池氏の出馬で派閥の方針を聞かれると、さっさと「いや、うちは自主投票っス」とか言っちゃうし。含みぐらい持たせろってば。さすがは町村乳業、泥臭いところは何も考えてない。最高です。町村官房長官、フォエバー。

 ・ 総裁選出馬に否定的=町村官房長官
 ↓
 ・ 【福田退陣】「いろいろな方の立候補はいいこと」 小池氏擁立の動きに官房長官
 ↓
 ・ 町村派は自主投票=官房長官

 ※ 参考
  「個人的にはUFOいると思う」町村官房長官会見(18日午後)
  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071218/plc0712181819012-n1.htm

● 与謝野さんが地味に出馬

 いろんな思惑はあれど、与謝野さんが総裁選に思い出出馬されるとのことで、一応。

 70歳だけど財政再建派のホープということで、このような景気後退局面には仕事師の風格で地道な仕事のできる与謝野さんを上に持ってくるという話もアリって言やアリ。まあ与謝野さんが出れば谷垣さんが温存できて、地味すぎる与謝野さんも政策課題で議論するなどして選挙で勝ち残れる目も出てくるし、とりあえず経済政策での立ち位置も考えれば麻生内閣になってもどこかしらポストを宛がわれるだろうという考えだろうか。

 ・ 与謝野氏、出馬へ=石原氏も意欲-自民総裁選
   http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2008090400372

 推薦人は、記事のなかでは20人集められたとのこと。与謝野さん良かったね。

● ついでだけど石原伸晃氏も出馬らしいよ

 前の記事でもテレビでも報じられてる割にはいまいちパッとしない内容しか伝わってない石原氏も出馬の意向だけは見えてきたみたい。良く知りませんが頑張ってますねえ。

 ・ 石原伸氏が出馬に意欲、与謝野氏は推薦人確保…自民総裁選
   http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080904-OYT1T00315.htm

 なぜどこも石原さんと与謝野さんをセットで記事にしているんだろうと思うわけですが。読売新聞の記事中、そぞろ「山崎派幹部や、石原氏支持の中堅・若手議員と協議し、最終判断する」などと書いてあるけど、要するに山崎派としては麻生さんも小池さんも支持するわけにもいかないし、自主投票とか言っちゃう町村派ほどの規模もなく枢要な位置にもおらんので独自候補でも立てようとするふりでもしておくかという話ではなかろうか、と勝手に妄想。

 つか、うっかり本当に総裁選通ってしまったらアルゼやアルデプロの話が出ちゃうだろうし、結果として攪乱要因にしかならないのではないだろうか。

● おっさん方が協議

 とりあえず石原さんは煙幕として世間を笑わせておいて、足元で小池擁立・支持で一本化できるかどうかをおっさん方が協議という分かりやすい情勢に。確かに小池百合子女史なら選挙にはある程度貢献できると思うよ。でも首輪繋いで大人しくしてるようなタマじゃないと感じるんだよね。

 ・ 古賀・山崎・加藤氏、麻生氏対抗馬擁立で協議
   http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080901-4146106/news/20080903-OYT1T00422.htm

 あまり知られていないけれども、小池さんの事務所はオリックスの宮内さんに支援してもらっていて、そういう意味ではとても分かりやすいが、教科書問題では中川昭一さんと、保守党でのアレは二階さんと、という具合に、一方的に誰かに担がれて、その誰かが敵対する誰かと直接殴り合うような代理戦争の傀儡みたいな話にはならんのではないだろうか。

 たぶん、総裁選二位とかで入閣となって秀直さんの代弁者になろうかという矢先にパチンコ業者の話とか出たら、すぐに秀直さんとの関係を縮小すると思う。したたかと言えばしたたかな人なんじゃないかな。

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(9/3)「非麻生」擁立が本格化 自民総裁選、小池氏ら軸に
 福田康夫首相の退陣表明を受けて2日、自民党内で「ポスト福田」に向けた動きが本格化した。麻生太郎幹事長が総裁選に事実上の出馬表明をし、対抗勢力も小池百合子元防衛相らを念頭に独自候補を擁立する動きが強まっている。22日の総裁選の投開票に向けて、麻生氏を軸に複数候補が争う構図になる見通しだ。

 麻生氏は2日の党役員会後の記者会見で「緊急総合経済対策を含め、首相といろいろ話し合ってきた私としては(首相を)受ける資格はある」と事実上の出馬表明をした。

 小池氏のほか、石原伸晃元政調会長を推す声も浮上。秋の衆院解散をにらみ「衆院選の顔」としての役割が候補者探しで重みを増している。一方、与謝野馨経済財政担当相や野田聖子消費者行政担当相は立候補しない意向を明らかにした。

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森氏「小池氏擁立は問題」 中川氏にくぎ
 自民党の森喜朗元首相は3日、次期総裁選で町村派の小池百合子元防衛相の擁立の動きを見せる中川秀直元幹事長について「(同派)代表世話人の立場で(小池氏を)引っ張り出すのはやや問題がある」とくぎを刺した。都内で記者団に語った。

 森氏が最高顧問を務める町村派は総裁選の候補選びの動向を静観する方針を幹部会合で決めている。中川氏の動きに目をつぶれば派閥の統制がきかなくなると危機感を持ったもようだ。

 中川氏は2日、記者団に「改革派から誰か(総裁候補)を出さないといけない」と、小池氏を念頭に麻生太郎幹事長の対抗馬擁立に強い意欲を示した。森氏はこの発言についても「これはわが派の代表としての発言ではないな」と指摘。「改革派を立てるというなら、麻生は改革派じゃないのか」と苦言を呈した。(03日 20:36)
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「ポスト福田」麻生氏は出馬、小池氏含み

記者会見する麻生太郎自民党幹事長
Photo By 共同
 福田康夫首相の辞任表明から一夜明けた2日、「ポスト福田」に向けた動きが本格化した。自民党総裁選の日程は今月10日告示、22日投開票に決定。次期総裁の本命と目される麻生太郎幹事長はいち早く出馬の意向を表明した。対抗馬として小池百合子元防衛相を推す動きも拡大しており、小池氏本人も「危機感を共有したい」と出馬の可能性に含みを持たせた。一方、第3の候補擁立を模索する動きもあり、情勢は混沌(こんとん)としている。

 お気に入りの青いネクタイを締めた麻生氏は、福田首相も出席した党役員会後の会見で「(総裁を)受ける資格はある。自分なりの考えを実行したい」と事実上の出馬宣言。記者からリーダーシップについて聞かれると、不敵な笑みを浮かべながら「私が意志薄弱だということか?リーダーシップはとらねばならない」と強い口調で言い切った。SPは通常の1、2人から6人に増員されていた。

 総裁選4度目の挑戦にして大本命。麻生氏周辺からは「国民に対し、小沢一郎氏の無投票3選となりそうな民主党代表選との違いを鮮明にしなければいけない。小池氏でも石原伸晃氏でもどんどん出ればいい。政策論争を盛り上げ、お祭り騒ぎを勝ち抜いた勢いで一気に解散・総選挙をしたい」と余裕の弁も漏れた。

 しかし、自民党関係者は「必ずしも麻生有力というわけではない」と指摘。「かつての自民党のキングメーカー野中広務元幹事長が津島派の面々にコンタクトをとって“反麻生”を訴えている」。野中氏は「津島派として体を張って麻生総理を阻止しろ。麻生以外ならだれでもいい。古賀(誠選対委員長)にも伝えてある」と反麻生包囲網固めに奔走しているといい「どこまで浸透するかは不透明だが、動きを活発化させているのは確か」(前出関係者)。

 連立を組む公明党内にも“麻生アレルギー”が存在。同党の太田昭宏代表に近い人物は「党としては静観の構えをみせているが、公明党が提言した定額減税に真っ先に反対したのは麻生氏。そのしこりは消えていない」と強調。支持母体の創価学会内でも「選挙の実動部隊である婦人部を中心にタカ派の麻生総理誕生は好ましくないとの意見が出ている」という。

 一方、小池氏擁立の動きは拡大。小池氏は2日朝、都内の自宅前で記者団に「日本の危機そのものなので、みんなと危機感を共有したい」。午後には「個人的なことより全体の中でどういうことが必要か考えたい」と出馬に前向きともとれる発言をした。

 福田政権とは一定距離を保ちながら一兵卒として政局の行方を見守ってきた小池氏擁立を目指すのは、自民党の最大派閥である町村派の代表世話人の中川秀直元幹事長。小泉改革路線の継承を訴え、経済政策では麻生氏と真っ向から対立する“上げ潮派”の代表格だ。

 中川氏は2日夕、都内で小池氏と意見交換。記者団に「改革派から誰か出さなければいけない。遠くない時期にはっきりさせなければならない」と述べ、小池氏を含む小泉改革継承者を派閥を超えて擁立する可能性を示唆した。中川氏に近い関係者も「津島派を取り込めれば勝機はある」と強気の分析。「脱小泉改革路線」を掲げる麻生氏に警戒を強める党内若手勢力もあり、初の女性総理誕生も現実味を帯びてきた。

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自民総裁選:浜四津・公明代表代行が麻生氏支持 幹部で初
 公明党の浜四津敏子代表代行は2日、党本部で記者団に、自民党総裁選に出馬表明した麻生太郎幹事長について「明るくて、はっきりしていて(総裁・首相として)いいのではないか。公明党の党員・支持者からも受け入れられる」と述べ、いち早く支持を打ち出した。党幹部で麻生氏支持を表明したのは初めて。福田康夫首相を事実上先頭に立って退陣に追い込んだ公明党が、今度は「麻生禅譲」戦略もリードしようとしているようだ。

 浜四津氏は支持母体・創価学会の中核である婦人部から絶大な支持があり、大きな党内発言力を持っている。閣僚の問題発言などで、公明党が辞任を迫る時には浜四津氏が口火を切るケースも多く、「麻生氏支持」発言も同党全体の姿勢を示唆しているとみられる。

 公明党は、年末年始の解散・総選挙実現に向けて8月以降、政局をリードしている。臨時国会の召集日や会期幅の決定、定額減税の年度内実施合意など、この間の重要な政府与党決定では、北側一雄幹事長を中心に麻生氏と連携しながら議論をけん引してきた。

 麻生氏との「蜜月関係」の一環で、党内では福田首相の退陣表明前から、麻生氏への早期交代を待望する意見が半ば公然と出ていた。その意味で、浜四津氏の支持発言は必ずしも唐突でない。

 だが、自民党総裁選で公明党は、しょせん局外にいる。自民党の各派閥はまだどこも態度を明確にしておらず、公明党の先行ぶりが目立つ。麻生氏が狙い通り次期総裁に選出されれば、いち早い支持表明は、連立与党内の足場を強くするが、思惑が外れた時は、先走りすぎたリスクを背負う可能性もある。

 このため、太田昭宏代表は同日の記者会見で「個別の人の論評は差し控える」と慎重姿勢を強調。党内には、「昨年の自民党総裁選では1日で情勢が一変した。行方をよく見極める必要がある」(公明党幹部)と、前のめりな「麻生氏支持」を不安視する声もある。

【仙石恭】
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公明幹部、麻生氏を歓迎 自民総裁選
 公明党の浜四津敏子代表代行は2日、自民党の麻生太郎幹事長が総裁選に出馬表明したことについて「明るくてはっきりしていていいのではないか」と述べ、歓迎する意向を表明した。同党の斉藤鉄夫環境相も「大変見識のある方だ」と評価した。いずれも党本部で記者団に答えた。(15:04)
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町村派は自主投票=官房長官
時事通信 - 2008年9月2日
町村信孝官房長官は2日、TBSの番組に出演し、自身が代表世話人を務める町村派の自民党総裁選での対応について、「グループを挙げて誰かをやるという姿は取らない。それぞれのメンバーの良識に委ねられるということではないか」と述べ、自主投票になるとの見通しを示し ...

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総裁選出馬に否定的=町村官房長官
時事通信 - 2008年9月1日
町村信孝官房長官は2日午前の記者会見で、自民党総裁選への対応について「わたし自身のことについては何も考えていない。しかし、首相を十分に補佐しきれなくて大変申し訳ないという思いが強い」と述べ、出馬に否定的な考えを示した。(2008/09/02-11:50)


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【福田退陣】「いろいろな方の立候補はいいこと」 小池氏擁立の動きに官房長官
MSN産経ニュース - 2008年9月2日
町村信孝官房長官は3日午前の記者会見で、自民党総裁選に、自身が代表世話人を務める町村派の小池百合子元防衛相の出馬が取りざたされていることについて、「いろいろな方が選挙に立候補することは活発な政策論争を通じて国民に問題提起できる。派閥のメンバーである、 ...

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【福田退陣】「いろいろな方の立候補はいいこと」 小池氏擁立の動きに官房長官
MSN産経ニュース - 2008年9月2日
町村信孝官房長官は3日午前の記者会見で、自民党総裁選に、自身が代表世話人を務める町村派の小池百合子元防衛相の出馬が取りざたされていることについて、「いろいろな方が選挙に立候補することは活発な政策論争を通じて国民に問題提起できる。派閥のメンバーである、 ...

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石原伸氏が出馬に意欲、与謝野氏は推薦人確保…自民総裁選
福田退陣・総裁選


事務所を出る与謝野馨・経済財政相(右)自民党本部で記者団に囲まれる石原伸晃・元政調会長(左) 福田首相の後継を選ぶ自民党総裁選(10日告示、22日投開票)で、石原伸晃・元政調会長(山崎派)は4日午前、東京都内で記者団に対し、立候補を前向きに検討する考えを表明した。

 一方、与謝野経済財政相(無派閥)は同日昼、都内で中曽根元首相と会談し、出馬の意向を伝えた。既に立候補を表明している麻生幹事長(麻生派)への対立候補をめぐっては、小池百合子・元防衛相(町村派)の擁立を目指すグループも、推薦人集めを加速させている。

 石原氏は4日朝、地元・東京都杉並区での街頭演説で、「不退転の覚悟を持って、仲間と相談し、取り組みたい」と表明した。この後、記者団に、「麻生氏1人では政策論争ができない。私は麻生氏とはウイング(政策の方向性)が逆だ。そういう立場でものを言う機会を作らないといけない」と語り、構造改革推進の立場から論争を挑む考えを示した。立候補には国会議員20人の推薦人が必要で、石原氏は「5人ぐらい超えなければいけない壁がある」と述べた。山崎派幹部や、石原氏支持の中堅・若手議員と協議し、最終判断する。

 与謝野氏は、かつて秘書として仕えた中曽根元首相の事務所を訪ね、「今の総裁選の情勢ではちょっと寂しい。世界の情勢や日本の現状、国会情勢なども考えて、しっかりした発言をする選挙戦にしないといけない」と述べ、推薦人を20人確保したと伝えた。会談後、「出馬の意向を伝えたか」との記者団の質問に、「もちろん」と答えた。中曽根氏は記者団に、「(与謝野氏は)インテリで万能の力を持っている。『かなりの票が取れるよ。しっかり頑張りなさい』と激励した」と語った。

 与謝野氏は出馬に向け、公約作りに着手した。園田博之政調会長代理ら財政再建派が推している。

 麻生氏は4日朝、都内のホテルで開かれた自民党議員と財界人による「交流会」の朝食会に出席し、「地方で感じるのは景気後退だ。財政再建も大事だが、景気をどうにかしなければいけない。ばらまきというのは当たらない」と述べた。

 小池氏は4日午前、党本部で記者団に、「環境を整えつつある」と、改めて立候補に意欲を示した。また、「税金の使い道に無駄があるとして、国民の信頼が薄れている。行政改革と政治改革はセットだ」と強調した。小池氏を推す議員は無派閥議員らへの働きかけを強めている。

(2008年9月4日14時11分 読売新聞)

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古賀・山崎・加藤氏、麻生氏対抗馬擁立で協議
 自民党の総裁選日程が正式に決まったことを受け、党内各派は3日、それぞれ会合を開き、総裁選への対応を協議した。いち早く出馬の意向を表明した麻生幹事長の対抗馬を擁立するかが焦点だ。

 古賀派会長の古賀選挙対策委員長、山崎派会長の山崎拓・前副総裁、無派閥の加藤紘一・元幹事長は3日昼、都内で会談した。3氏は、政治理念などをめぐって麻生氏と微妙な関係にあるとされ、対抗馬擁立の是非について協議したとみられる。

 一方、対抗馬に有力視されている小池百合子・元防衛相(町村派)は3日朝、記者団に「いろいろ皆さんと連絡を取り合っている。野球は1人ではできない」と述べ、出馬への意欲を改めて示した。

(2008年9月3日13時39分 読売新聞)