名前が悪いとか、配慮に欠けているとかいろいろ言われてるけど、いい加減やらなきゃまずい政策のひとつじゃないかと思うので、理念っつーか考え方は賛成。


http://news.nifty.com/cs/headline/detail/yomiuri-20080512-00813/1.htm


 いやー、正直いまの日本人で若者が高齢者を支えなければならない実情はしんどいよ。


 そりゃ同じ日本人として、末永く健康で長生きしてもらいたいとも思うけどね。年金問題にせよ今回の医療制度にせよ、いまでいう負け組確定の厄年以下の人と、すでに勝ち逃げしている後期高齢者との間での世代間闘争という側面が本来はあったはずなんだよなあ。


 別に高齢者の負担が実質増えたわけじゃないことぐらい、報道ちゃんと見てれば分かることだろ。ついでに、超高齢化社会とかいって、いつまでも若い世代がたくさんいて経済が成長する前提で制度に高齢者が寄りかかられても困るわけでね。介護保険もそう、一頃前の消費税値上げ論争もそう。


 ただ、高齢者はヒマで一票投じる可能性の高い世代だから、政治が主導で高齢者に嫌がらせするような見え方にしてしまうのはバツが悪い。でも、本来はもうとっくに済ませてなければならない世代間の所得調整なんだけどね。働いている時期に、老後のことを考えて貯蓄せずに、いざ年金世代になってみて目減りするように見える政策を捻り出されて老人が騒ぐ、それをマスコミが煽るってのはどうなんだろ。


http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02036862/1.htm


 報道が間違ってるってことじゃないよ。でも、どうすんだよ、という話。


 もっと冷たいこと言うなら、老人が病気になって、公共の金で高い医療費払って治ったって社会全体の生産性が上がるかと言われると疑問だ。高い医療費を自費で負担できない老人は、結局そういう結末を受け入れるしか現実はないんだろうと思う。そういう社会にしたくない、だから充分な医療を高齢者にも行き渡らせて安心できる政策を実現しましょう、というのは理解するけど、それって経済がある程度長い期間に渡って好調で、社会がそれに耐えられる状態じゃないと単なる画餅だろ。


 生活保護でも似たような議論は出たけど、もう、そういうぶっち余裕の日本社会じゃなくなってるんだよね。残念ながら。だから、後期高齢者に対する医療制度で負担がどうというのは、何を騒いでるのか不思議に思うぐらい極自然な政策だろうと思うし、弱者にしわ寄せと言われても不合理押し通して強者弱者共倒れになって、強者が不在で社会が困る状況になる前にどうにかしなきゃならん。


 ゲンダイの記事で、採算に合わない患者が追い出される、という懸念が書いてあるけど、そもそも医療機関が不採算なんだよね。都市圏の大学付属病院の勤務医とか、あの安い給料であの過酷な勤務状況で、それでもなお病院は赤字だったりするだろ。


 いやほんと、どうすんだよ。


 といって、何もしないわけにもいかないから、案としては不充分だったとしても後期高齢者医療の件は私は賛成。むしろもっとやらないとまずかろ。でもこの人に言われると何か説得力が根底から失われる気がする。なぜだろう…


http://mainichi.jp/select/science/news/20080511k0000m010057000c.html