もう語るまでもなくamazonつこうて本名バレた件は仕方がないだろうと思う。いろんなところでも報じられているし、amazonでほとんど買い物などしない私は勝ち組と誇ってみても意味がないことぐらいは分かっている。自分で調べてみたら日本国中の山本さんと一郎さんがあんなものやこんなものをお買い上げであり、あれじゃ誰が私だか分からぬ。それだった何かamazonで恥ずかしいものでも買っておけばよかった。


 ただ、私自身実名だから言いやすいというか、野暮を承知でというか、いや今回というのは概念上の匿名実名論争とは別に、実名にさせられちゃった事例としては非常に興味深い。本名をもじったものもあれば、似ても似つかぬ凄い名前の奴もいる。


 もともとブログなどで書いた記述を元に本名バレというのはネット上のリスクであり、同じくネット上のリスクとして業者が個人情報漏洩でそれに巻き込まれるというのがあり、それが同時に起きるとこんなに楽しいのかと思うわけだが、そういう出歯亀式邪推は別としてもつくづくネットサービスとネットユーザーのかかわり方というのは考えさせられる。しかも、銭に直接かかわるamazonがやりやがったというのは趣深い。


 読売新聞が特集していたネット社会の闇の連載企画で、取材に応じた某サイトがwhoisか何かで特定され晒され炎上していた事例を見ても、このネット社会が一般化しつつある状況で本名隠していること自体にどれほどのメリットがあるのか私には分からない。ネットで実名バレて炎上したって実生活にそれほどの被害はないだろ。稀に職場に電凸する馬鹿がでるぐらいじゃないだろうか。人様に読まれるサイト作っていれば、そりゃ嫉妬も好き嫌いも相俟っていろんな奴がやってくるもんだ。そういう奴らとネットでの付き合いに限定しようとして、無理にネットの中で完結させるべく偽名だけでやっていこうとするのは返ってもったいないんじゃないか?


 それだったら、ある程度読まれるサイトになったと自負が出るようになったら、私は実名晒したほうがいいと思います。前に『ウェブ炎上』で著者の荻原チキ氏の実名が流れたことがあったけど、せっかくなんだから実名出せばと思ったのと同じな感じ。勤め先にバレる? いや、余技でサイトやってますって堂々と言えばいいじゃないかよ。何か言われたら「あんただって賭け麻雀やってるじゃないか」とか言い返せばいいだけの話で。ああ負けました負けましたよすいません。


 これだけウェブも普通の社会のひとつに近づいてきたのだから、いっそ実名を出せる状況を考えていくのが一番いいんじゃないでしょうかね。あー、もちろんamazonつこうて趣味嗜好バレとかは論外ですがね。そこまでオープンにしろというわけではなく、もう少し普通の社会にネットを変えていく機会としていいんじゃないかという話ですがね。ウェブの世界だけで生きよう汲々としてるより、どうせ人間誰しも弱みや欠点を抱えて生きているわけで、そんなのも充分織り込んで実名ネットライフを送るというのも手だと思うんですけどね。


 ただまあ、惜しむらくは、ネットアイドル系がつこうて流出した名前が男とか、そういうのが見当たらないこと。いやはや。