なんか昨日から急に電話で「どういうことですか」と取材のような質問のような内容を聞かれるんですけど、巷で噂の慶応ラグビー部が仕掛けていた大黒屋の件でしょうか? 確かに怪文書は出回っていたし、それ相応に関係者に濃い面子が揃っているのは事実でしょうけど、第三者的にどういう契約になっているかも分からない実情である限り、合法も非合法も判断できる内容ではないと思います。


 一般論でいうなら、西田晴夫氏の逮捕で出た話の延長線上として弘道会やDKRオアシスの名前が挙がるのは致し方のないことで、そこでモックとかクインランドとかドリテクとか東京衡機とか箱乗りの終わった問題銘柄について議論になるのは仕方がないでしょう。ただ、別にそれ単体が事件化しているわけでもないので、あくまで非合法だ何だというのは周辺が憶測しているだけであって、当局が動いているとか誰某が事情を当局に聞かれたというのは仄聞の域を出ないわけです。


 ただし、問題銘柄といっても曲がりなりにも上場しているから銘柄といわれているので、各社不完全ながらもIRが出ていて、それに沿って調べていくと公開情報でも相応の結論が出るんじゃないかと思います。大黒屋だったらディーワンダーランドの話に直結しているだろうし、クオンツの件ならクロニクルやオープンループの話があって、そこからDKRオアシスまで辿り着くのは公開情報だけでもできるはずですし私だってまずは公開情報で調べます。


 あとは、GSに限らず外資系証券会社や国内大手金融機関が、あたかも全体で関与していたように見てしまうと実態把握がおかしくなるかもしれないという程度の話ではないかと。恐らくは、社内の極特定の人間が問題物件に触っていて、正規の報告として稟議を上げていないんだろうと思うんです。ちゃんと本店なりシャッチョなりが事態を知っているならば、結構な勢いで話が出回るんじゃないかと。


 逆に、シャッチョが単独で周辺の役員にも言わずにダマでやるケースもあるでしょう。それだと会社名だけふらっと取り沙汰されるけど、そこの社員にいくら当たっても情報なんて出てくるはずがない。ゴミ箱漁ったって出てこないものは出てこない。田中慎一氏が事情を聞かれて、じゃあ彼が明確な意図を持って犯罪に加担していたのかどうかというのは外部からはまったく分からないけれども、全体の構図から逆算してみるとあまりにも腐ったミカンが多すぎて、とりあえず引っ張っておくか的な判断も成立したのかと思ってしまう事例はたくさんあると思います。


 だから、千年の杜にせよ鷹山にせよ、片側の情報だけでわあわあ言っても始まらないのかなと個人的には感じるんですよね。だって、ボロ株が十倍になりました、って何の仕掛けもなく動くはずがないじゃないですか。その銘柄単体とそのバックにいる金融機関だけ溝さらいしても、出てくるはずがないと思います。逆に言えば、いますでにいろいろ書かれている組織や人物ってもう手打ちが終わって仕舞いなのかもしれませんからね。かつてのインボイスみたいに。


 よく分からんってことです。分からんのだから、せっせと調べて、引っかからないようにしましょうとしか言いようがないです。