国内でも報じられたのでたぶんもういいんだろうと思いますが。


米大手3行、サブプライム基金断念…拠出金集まらず
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071222i203.htm


 日本が駄目なだけじゃなくて、米国内でも支持が集まらなかったというのもあるので、一応。「博打でスってオケラ街道を歩いている奴にサラ金が金を貸しても、サラ金対策を強化されたら回収できない」って感じでしょうか。違うか。


 大方の予想通りオイルマネーと中国人という新たな資金エンジンで穴埋め、そのままドルごとドボンでもリスク背負わすことで妥結という感じでしょうか。これについては、いいたいことは今週何度か書きましたから、もういいでしょう。モルガンなんか最初から中国マネーの運用で急先鋒ですよ。当局俄然ご注目。ごく普通の流れです。


 最後の最後までシェルとかカーギルなどまともな投資家の話が出ないあたり、本件問題というのはノンバンクが潰れそうで埠頭に高収益上げてきたところを救済するべきかどうかというのと変わらなさそうなんですが、大枠で見ると実に重い。本当は大問題なんだろうけど、大義名分が立たないので楽観は許されない、そういう意味では受けてたつ人たちは頑張って欲しいと切に思います。私はやらないけど。HSBCなんてSIVどう見ても違法だし。何で摘発せんの。


 個人的に一番の関心事は、アメリカ国内で彼らを救おうという富裕層系ファンドが結局最後の最後までサブプライム損失を計上した各社の支援に応じるどころか資金の引き上げに転じていたこと。中には「アメリカ、もうだめですから」とか言いつつシンガポールに金入れたり東欧でファンド作ったりしててドル以外の通貨にせっせと両替してて。


 逆に中国の側も「中国、もうだめですから」とか言いつつ大キャピタルフライトで合法的かつ高官レベルで妥結できそうなサブプライム焦げ付き系の米系金融大手への出資は加速するでしょうね。いい買い物だったかどうかは神のみぞ知る。


 「買わせてやるかわりに元レートの原則切り上げを」という話は現段階でまともに語ったところはまずない時点で、ネットというのはポジショントークが多いことを再確認するわけですが。もちろんそのポジションは全然アリだけど。