株主総会終わって護国寺方面に足を運んだところ、墓穴にお住まいの人たちが以下の記事を酷評しておった。


墓穴を掘る日本コンテンツ--北米のアニメ・マンガ事情が語るもの
http://japan.cnet.com/column/mori/story/0,2000055916,20362979,00.htm


 そのとき私はこの記事を読んでなかったので、何のことだか分からんかったが、読んでみるとまあ事情については概ねその通りだろうということで別に怒る必要もないんじゃないの、墓穴は墓穴なんだからと思った。森氏の言うとおりだぜ。墓場。マジで。
 一応フォローしておくと、引用されている数字において言うならば、そもそも02年あたりがバブルだったのであって、流通もいろんな意味で未整備でゴチャゴチャ、ファンサブはできるわ同人フェスティバルは立ち上がるわで、何か99年ぐらいのソフトバンクの株価みたいな状況だったわけだ。


 その状況と見比べれば、日本のアニメや漫画はアメリカ市場で減衰してもう墓場に入ってるように見えても確かにおかしくない。っていうか、ヒット商品が出なければ売上が下がり、仕組みとしてネットにおける違法な配信が続けばDVDの売上が下がるというのは当然なんだよなあ。


 あと、記事中にあるライセンスの高騰というのは微妙。事実だけど。本来アメリカや欧州でそんなべらぼうにアニメなんか売れるもんじゃねえからなあ。日本の深夜枠でやってるクソアニメ調達かけて利益を上げようとするアメリカの業者がいたとしたら私は尊敬する。悪いけど、撤退したジェネオンは良く頑張った方だ。あれを墓場というようなら、まあ墓場なんだろうな。うん。


 しかもそういう深夜枠でのんびり流れてヲタがちんこ勃ててるような作品を太平洋の向こうからチェックして熱心に観てるアメリカ人どもは、概ねネットでファンサブ活動を通じて作品を既に視聴している。DVDなんか買うわけねえだろ。市場も縮小。権利料も高騰。当然だよね。権利料高くしないと採算合わないんだから。墓場だよ墓場。


 で、韓国や台湾のスタジオに流れているという話はマンガアニメに限った話じゃない。一番顕著なのはゲーム。で、韓国や台湾はもうコスト高くなってきてて、流出先はウクライナとかルーマニアとかああいうとこ。奴らはヤバい。日本の零細が数百万で泣きながらちゃちなアルファ版作ってSCEに納品して「これはつまらんね」とか言って余裕の笑顔でハネられてる間に、ウクライナの連中は汎用エンジン使ってあとはテクスチャ貼ればほぼ完成品の状態で3Dゴリゴリの奴をEAとかに持ち込んだりしている。日本のメーカーがコスト的に敵うわけないだろ。あんなことやられたら死んじゃう。墓場だ墓場。早く国際経済は不況になってああいう安値で高品質なモノを作って喜んでる連中を一掃すべきです。


 シメもなあ。「不安は尽きない」って、しょうがないだろ、現実はそうなってるんだから。業界が駄目になるのが不安だ、といったって。まあ事実なんだから、受け止めて粛々とやればいいじゃないか。そのうち10年サイクルでヒット商品でるさ。カプコンみたいに。


 ついでに調達に関していうと、日本は遅れてるというかどうしようもないので何とも。映画の話だが、ドラゴンボールとかもなあ。日本が独特なんだよ。実写版のキャストで酷評されてんじゃん。ドラゴンボールは確かに日本発のコンテンツだけど、日本人にだけウケたんじゃ採算取れないから、英語圏やドイツ・東欧で回収するために彼らのテイストに合わせるのは何故だぜ。日本での興行成績なんかこれっぽっちも期待してないかもしれない。実写版コケるから。日本だけ。だから日本市場に合わせたハリウッド作品なんか出るわけない。資金が集まらないから。


 だいたい大ヒットした男たちの大和とかいって毛唐が観るかよ。日本でしか観られないから日本でしか金が集められないんだ。調子に乗ったおっさんが音楽会社からカネむしって芸能事務所と揉めてモンゴル素材の奴やってたけど、あれだってなあ。墓場だろ。それが嫌だからって日本人のテイストに合わせてコンテンツを作っても苦しいのは当たり前だ。日本人がアメリカ人に合わせてコンテンツ投入しようったってウケるの難しいよ。ピンクレディとかパフィの海外進出みたいな感じだし。ゲームやマンガならアイデアと作品性で欧米でも当たることもあるけど。アニメって時点で駄目。もう全然。


 だから、書き手の森氏にあれこれ言われなくたって、現地は墓場なのは分かってるんだよ。正直「パルプ業界は墓場です」ってのとあんま変わらん。いいじゃん、a Japanese happy rotten lifeで。ヒット商品出るまで状況改善なんて無理。いいよ墓場で。墓場墓場。文句なし。