むしょうにナイツオブオナーがやりたくなって、おもむろにアイルランドでプレイ開始。国王の名前はドナル三世、日々怒鳴る怒りっぽい中年男だ。


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 欧州におけるアイルランドの立ち位置とは、信長の野望で言えば畠山家みたいなものである。横を見るとイングランドがいて、その向こう側に神聖ローマとか強大国が控えてて非常にダルいんだが、細かいことは気にせずレッツゴーアイルランド。なお、「このゲームでは騎士をスパイにできるんだけどこのルールは異常に強すぎるのでスパイは二人までで送り込めない」&「戦争やると不正終了する可能性があるし敵の動きが不審なので戦争は自分でやらずにすべて委任」という自分縛りで進めてみた。


 つか、開始早々金欠抗いがたく訓練所の建設すらままならない悲惨な国庫状況に涙する。どうしようもねえじゃん。仕方なく独身王子ブライアンを商人に立てて神聖ローマと貧乏交易でも開始しようかと交渉しに逝ったら、神聖ローマから「お前の娘ルシアをよこせば貿易を認めてやる」とかいう非常にドナドナで人身売買な雰囲気の反応を頂戴する。えー。「犬に虎の子はやれん」とか関羽みたいなことを一度言ってみたい。でも親の立場で言えばこんな欧州の片隅で魚釣りながら極貧の生活を送る城壁もない町の王の娘であるよりは、神聖ローマなる大手企業の御曹司の妻として生家とは比べ物にならないくらい豪勢な暮らしをしたほうが娘の幸せであるような気がしてきた。


 それ以前に我がアイルランドとしてはもう百円もなくていまにも倒産しそうなので娘の幸せがどうとか理想論を言っている場合でもないのである。否も応もなく娘を神聖ローマのゲルマン人の許へ差し出すことに。くやしいのうwwwwくやしいのうwwwwww 盆暮れ正月ぐらいには帰省しておくれ。


 涙を呑んで娘を送り出したところでいきなりウェールズが攻め込んできた! ウェールズの癖に生意気な。といいたいのだが、当方にはゴミのような将軍一名に民兵部隊2部隊がやっとの状態で、さっきようやく訓練所の建設に着手したところであって弓兵の生産など来世紀の話である。迎撃とは何のことだ。損害が出ない程度に顔見せの野戦をやって敵の略奪を防いで城攻めに移行させ、篭城の結果戦争に勝利。ビバ! アイルランド。


 ウェールズはイングランドの走狗であるらしく、その後同盟を結ばされたウェールズがイングランドの外交によって我が国攻略を求められているようだった。文字通り宮仕えである。まあ断ったら死だもんな。ウェールズの気持ちはよく分かるぜ。分かるからもう軍隊連れてくんな。上陸すんな。


 しかし手を拱いて滅亡するアイルランドではなく、矢製造所が建設されたいま、もう普通の女の子には戻れないのである。すべては神聖ローマに嫁いだ娘のお陰で交易ができ、安定収入が入るようになったからでる。当然のように弓兵てんこ盛りの部隊編成で将軍と王子エイドスの二部隊による迎撃を敢行、北大西洋にウェールズ軍を追い落として勝利した。ざまあみろ。


 しばらくダブリンでのんびり魚を釣っていたが、イングランドが調子に乗ってスコットランドを制圧、さらにフランス領へと伸びていこうとしており、どう考えても次は我が国にやってくるものと思われた。大英農弓兵部隊でも前に立てて攻めてこられるとただの弓兵整備して穏やかに暮らしているアイルランドなどひとたまりもない。


 で、よく見たらドナル三世、軍事的才能が☆0個であることに気づく。弱すぎる。二人の王子も揃いも揃って軍事的才能ゼロ。ヤバい。まあ、城壁整備して塔建てて食料庫にパン屋作って守備に徹すれば占領はされないのであるが、問題はそんな領土を敵国に蹂躙されっぱなしで主権国家と言えるのかという話である。我々は自立していたい。でも戦争には負けたくない。きっと十倍のイングランド兵がアイルランドにやってきて村々を焼いて略奪三昧レイプ三昧なんだ。指を加えてみていろというのか? 嗚呼、我が同胞アイルランド人たちの穏やかな漁師ライフが。ジレンマすぐる。


 そんなジレンマを勝手に感じているうちにアイルランドはイングランドから宣戦布告を頂戴したのである。ついに悲しむべきときがきた。弱小国の悲哀なのだが、運命なのだから致し方あるまい。危地に陥ってこそ男の価値が分かるというものだ、はっはっは。このドナル三世、やる気倍増である。軍事的才能はないけど。


 なお、このゲームのAIは馬鹿であり、多方面作戦を厭わないどころか、フランス方面に進出している軍隊がいても、軍隊を保有してさえいれば他国との戦力比較は絶対値で行っているため、アイルランドとの前線に軍隊が配備されていなくてもイングランドは宣戦布告してくるのである。だからイングランドは戦争準備はしていまい。先制こそ勝機なのだ。


 戦争に才能はないまますでに熟年を迎えたドナル三世率いる弓兵と梯子を抱えた二部隊計22小隊がイングランド領デリーに雪崩れ込んだのは宣戦布告直後のことであった。22小隊と偉そうに言ってもゲーム内表記は400人ぐらいである。高校の修学旅行程度の人数であるのは時代背景というやつなのだろうか。


 大苦戦しつつもデリーを無事占領、アイルランド島の統一に成功。おめでとーうおめでとーう。その間、イングランド軍が海を渡ってやってきたが、取って返した熟年ドナル三世以下でこれを撃退。そのまま余勢を駆ってイングランド側に逆上陸、コーンウォールを占領することに成功したのである。


 その後はフランス領に単身赴任していたイングランド軍隊が帰ってきて多少混戦になったが戦線は拮抗し、アイルランドとしても厭戦ムードの高まりからパルチザン祭りとならないよう早々の和平交渉が必要である状況に陥った。


 で、よく見たらドナル三世はいつの間にか高齢になっているのである。おかしい、ついさっきまで熟年だったのに。高齢の父がいるのに王子二人は独身である。どっちも無能だから跡継ぎはどちらでも構わないが、親として、儲けた息子が二人とも見事に非モテというのはマズすぎる。


 慌てて各国花嫁探しのため外交ウィンドウを熟読し始めるドナル三世。しかし欧州にはピチピチの独身王女を示すマーカーはわずかしか表示されない。アンティオキアとかセルジュークとかアラブ方面の僻地に王女が売れ残っているほかは、イングランドに王女がいるぐらいである。まさかヨーロッパの端っこと隅っこで手を取り合っても仕方がない。アラブ人の奥さんを嫁に迎えたら国内が大変なことになりそうなので見送るとすると、イングランド王家の娘を迎えるぐらいしかあるまい。


 早速イングランドに使節を送り、戦争に勝った和平交渉として「お前の娘を寄越せ」と申し入れたところ、力の限り却下される。軍国主義者で強欲で傲慢なイングランド国王リチャード一世だけのことはある。仕方がない、折れるまで戦争を継続して戦勝すりゃ王女の一人も差し出すのかと思いロンドンを落としたりヨークまで制圧して、イングランドの領地をスコットランド高地だけにしてやりイングランドという名前を名乗るのも恥ずかしい状況にしてもなお和平交渉で娘を出しやがらない。戦勝国だぞ、うちは。


 金も溜まったのでアラブ嫁でも仕方がないゲットするかと思ったら、すでにアラブでも花嫁が売れてしまっている。どこかに嫁さんはいないの? 今日も二人の王子は自家発電である。アイルランドの血筋が途絶えちゃう、誰かボスけて。