この前、かなーり昔に参加してた草野球の20周年パーティとかいうのがあって参席してたんだけども… あの当時大学生であったから、いまや四十代の半ばという自称甲子園出場男(当時は本当か? と思っていたら、本当に甲子園に出場していた)と二十年ぶりに再会。


 腹の出たいいおっさんになっていた… 彼とは違うテーブルになってしまい、残念だった。のだが、彼がテーブルで一緒になったのが自閉症の息子を持つ35歳無職と勤務先が最近倒産した38歳と競艇にのめりこんで一昨年自己破産した39歳を含む競争社会の敗者見本市のような状況になってて、少し離れて見ててもなんか照明当たってないし、そこだけ暗い感じに。


 で、恒例のビンゴ大会になって「景品は参加者全員分あります」とか言ってて、一等はwiiとか二等がポータブルTVとか微妙な感じの品物。参加賞はタワシとかスポンジセットとかそういうの。ビンゴ大会スタートして、私含め20人ぐらいはあっという間にリーチになって席立って、誰か当たっておめでとーとか言ってる状況で、例のツキのないテーブルの人たちは誰一人としてリーチになってない。遠巻きに彼らに配られたカード見てたら3個ぐらいしか穴開いてなくて、むしろじっと眺めるその視線で穴が開きそうなぐらいガン見してて大変なことに。


 いや、もうカード配られた時点で結果決まってるの。あとは周囲の人間とわいわいやりながら、お前どうなったとか適当に話してればいいのに、何でビンゴ大会ごときでマジになっちゃってるんだ。いやほんとビンゴカード熟視して司会が読み上げる数字一つひとつに反応して一個穴開くだけですげえ嬉しそうにしてて悲惨すぎる。


 私もビンゴ揃ってマグカップとか戦利品で持ち帰ってきて、さらに半数以上が景品漁ったり帰ってきてビール飲んでる状況で、ツキなしテーブルの八人で立ってるのは二人だけって状況を見るとね、やはり人間、持って生まれたツキの太さ、あるいは細さってのを感じずにはいられない。統計とか確率とかでは断じてない、深くて暗い大河の如き差のようなものが轟然と音を立てて横たわっている、そんな雰囲気。


 最後のほうになると、いちいちエアボールでくるくるケース内を飛び交うような時間のかかるやり方しないで、もうさっさと司会が手ぇ突っ込んでボール取って数字読み上げろよ的なだるい空気が流れ始める。ヤバい。すげー気まずい。でもほんとツイてない奴は座りっぱなし。もう目が完全にカードに釘付けになってる状況ってヤバ杉だろ。いまさら呼ばれたってタワシだぞタワシ。100円ショップにでも逝って調達してこいよ。


 最後は司会もいたたまれなくなって、残りの景品はまだ揃ってない人がお好きに、と打ち切って気まずい空気は去ったけど、いやああの光景は人間というか世の不条理ってものを克明に見せつけてくれたね。ツイてないって、本人の意欲や努力や才能だけじゃどうしようもねえもんな。駄目な奴はいつまでも駄目って感じで。世の中厳しい。厳しすぎるぜ。