少々ぼんやりしてたらCountrywideFCが吹き飛びやがりまして、煽りを喰らって売却予定の在米物件が見事に全部焦げ付いちゃいそうという悲しむべき事態となっております。昔はこういうのはいつも一足先に逃げていたものなんですがねえ、ヤキがぐるぐる回っているといいますか、まあ在米不動産にしてた資産がゼロになるわけではないから逃げる努力だけは続けておいて枕を涙で濡らしつつ諦めるか、といった塩梅であります。私が投資を決めたのではないとはいえ、まあ仕方がないね。来月はテキサスからアメリカ巡業の旅ですかね。


 さて、もういろんなところで兆候はあったわけで、投資は自己責任である以上言い逃れはできないのであります、IPOや新興市場が壊滅的になっているのも、上流がおかしければ下流が良いわけないという事情は全く変わらず。CLO/CBOが吹き飛んでリスクマネーが収縮しないはずもなく、もう選挙前から我が国の不動産物件は地価が上がっているのに実態は投売り状態という具合なので、まあ、年内はもたないかなあと。一年ぐらい前であればいろんなファンドが二桁億級のテナントつき賃貸物件が7%ぐらいで回っていたらあっという間に引き受け手は見つかったもんですけど、最近じゃ手放したい投資家が多すぎて同じ物件が複数の業者経由で次々に回ってくるという状況になってます。それでも、今年上期は「集めた金は寝かせたくない」とかいう理由で引き受ける馬鹿もいたんですが、もう国内系で買い取ってくれるまともなところはないんじゃないかと。大型物件でも仕込みに協力してくれるところはそんなにないみたいです。


 国内の上流でさえこういう状況であるのに、エマージング株やってたりFXやってる素人が大丈夫であるはずもなく、どっかの銀行のアホが「素人の集団が相場を動かすぐらいFXにのめりこんで、しかも勝っている」とかテレビで言ったらしくて調子に乗った連中が持ち銭全部をFXに突っ込んで凄い勢いで焦げ付いてにわかに個人向け債権とかがまたぞろ飛び交いだす時期になっているようです。「ようです」なんて伝聞調で書いてるのは、私など個人向け債権を引き受ける度胸はないからなんですが、決算内容が微妙すぎるサイバーエージェントさんもFXに参入したり、FXセミナー講演をアルバイトで受けてる人がファンド作って余剰資金をFXで運用しようとして大穴開けたりしていて知らぬ間にそこまで加熱しているとは驚きです。


 要するに、パチンコ・パチスロや競馬競輪などのギャンブル産業から、ギャンブラーがFX投資とか株式投資というラベルのついた新しいギャンブルに流れていっただけであって、パチンコ台の前からパソコンの前に移動しただけなんでしょうけどね。国内なら美人投票だし素人嵌め込みの証券会社や事件師にさえ気をつければ何とかなるけど、これでさらに馬鹿が焦げ付いて自己破産ラッシュなんてなったらまた世の中が不安定化しそうです。