雑感書いてどうすんだという話もあるけど、どうせなので。


○ 閣僚失言系スキャンダルが選挙前に頻出するカラクリ


 本当の意味で失言だったのは久間さんの「原爆はしょうがない」発言で、まあ早く死ね可能なら今日死ねと関係者一同思ったのではないだろうか。あれのお陰で計算上自民は3議席ぐらい失ったんじゃないでしょうかね。


 一連の失言、まあ麻生さんの「アルツハイマーでも分かる」発言についてが一番アレだろうけど、一番最初に報じたメディアを調べていくと、何となく構造が分かるのではないかと思います。もともと麻生さんは失言というより比喩が直截的で、別に選挙前じゃなくてもこの手の放言は多い人物なのですが、演説や講演などの映像で問題となりそうな部分だけ切り出して繰り返し放送しながら失言として煽るという手法はもはや確立されたように思います。


 メディア選挙、テレビ選挙@山口中将のカラクリについて、某和歌山で当選した人が中心となってやっている攻めの方法論、例えばTVタックルに出演し続けるとか、討論番組で言い切り型の発言をズバズバやって庶民感情を惹きつけるというような作戦は皆頑張るけれども、一連の発言の一部を切り出してきて誤解しやすいコーディネートをして、それを繰り返し報じることで発言の真意を取り違えさせる、性質を変えるという別のルールが成立した以上、閣僚級以上の人間や高級党人はよくよく考えたほうがよろしかろうと思われます。


 そこから先のダメージコントロールの件は別の人が書いちゃったようだからいいや。


○ 自民党金集まらなさ杉民主党テレビ広告打ちまくりの謎


 民主党がアホほどテレビCFのスポット枠を押し込んできて、それが溢れてCSの空き枠にまで浸透して、ざっと見て凄まじいリーチ率になっているのに比べて、自民党は年初から敗戦ムードが漂っていたからか本部も各候補も有力なスポンサーを引き続き確保することができず微妙な状況になってしまいました。


 民主党で言うならば、申し訳ないけど小沢さんの集金力はピークを超えたというよりゴミ塵芥のレベルで数千万ぐらいの帳尻しか入れられてないような感じはします。ならば、どこからあれだけのCFを打てるだけの銭が湧いてきたのかというあたりに強い関心が出るんじゃないかとは思いました。もちろん、大部分はまっとうな銭だろうとは思うんですが、何か別の集金方法でも確立して、自民党が勝っては困る隣の大陸からロビー資金でも確保したんかなとか勘繰る状況ではありますね。


 勝勢とはいえ、あそこまでの物量差、それも重要極まりないメディア購買の面で差が出るのは通常は考えれませんので、誰か民主党本部に右派かなんかがいて一本釣られて情報大公開時代みたいなトホホな展開になることを期待してやみません。


○ 復権を狙うピザ元秘書官


 このあたりはもう笑い話なんですが、またピザが小細工をしまして楽しかったです。無論、本人は大変優秀な御仁であるし、ぜひ頑張って欲しいという裏返しでもあるんですが(その分、現状の人事がしんどいともいう…)。


 まあ、古典的なカラクリではあって、有力な報道関係者と二人ぐらい握っておいて、事前に小泉遊説かなんかの情報のバーターに3種類の選挙結果予測を二ヶ月ほど前に報じさせておいて、選挙のフタが開いて大勢が判明したところで「選挙の二ヶ月も前に彼はこういう結果を予測していた」とか記事にさせて影響力を保とうという手法です。姑息だけど有効なので彼は何度でもそういうことをやるんだと思いますし、なるほどじゃあ私もと思って共産党員が真似ようったってできるはずもなく、やはり彼は優秀なんだなあという結論に至るんだと。


 復権するかどうかは偏にご主人が新党結成に動くなりポスト何とかに祭り上げられるなり具体的な行動に直結しない限り目は当然ないんですけど、実際にはそんなのどうでも良くて、ポスト何とかにご主人の名前がたびたびメディアに取り上げられてさえくれれば、期待感や保険の打ち先の一つに自分の名前が挙がってくるだろうという分かりやすい話なんじゃないかと。


 そろそろ佐藤優氏あたりが余計なことを言って揉めることを期待してやみません。


○ 組織選挙をやっていた人たちの知能指数は根本的に低い疑惑がある件


 これは某サイトがすでに触りを書いちゃったので多くは書かないけど、一連の選挙関連の結果を報じる内容でもっとも重要で極めて決定的なものは次の記事です。


http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070730AT3S3000L30072007.html


 はっきりいって、これが総括。それ以上でもそれ以下でもないと思います。業界団体が支援して全国比例で出す候補者が大幅に負け越し。次の選挙では全敗が予測されるぐらい、ある特定の利害関係の皆様の支援を受けて国政に奉り上げられる方法論は死んじゃったということです。どのくらい前回比で得票を失ったかというと、概ね各候補17%減。17%というとそんなもんかと思うかもしれないけど、そう思う奴は博打やるな。そしてそのまま死ね。自民が逆風といったって、前回得票との差異でどうだったかとか比べてみてくださいよ。もっとも強固な地盤を持っているはずの組織選挙主体の候補者がこうで、無党派層が鈴なりになってる選挙区で上積みが期待できない選挙戦で自民が勝てると思いますか。


 良くも悪くも小泉さんが本当に公約どおり自民党を壊したわけです。その先がないのは自民党の中の人がみんな良く知っていることだろうと思うんですが、一方で座して死ぬ潔い人などいないわけで、当然選挙ではない別のルールで議席を増やそうと考えるだろうという見立ては一緒。じゃあ具体的にどうすればいいのと言われると、ここから先は人によって言うことが違うってことでしょうね。


 投票日が一週間ずれたからとか、安倍さんのメッセージが国民に伝わらなかったからとかいうのはすべて口実でしょうね。選挙が先週だったら自民はどれだけ議席増やしましたか。安倍さんがもっと即物的なことを語ってれば得票がありましたかね? ないでしょう。むしろ具体的な公約を党が公示しているときのほうが、選挙は苦戦しているはずなんですけどね(笑)。ちゃんと使えば統計は嘘をつきません。


○ 自分のことを「陣営」と呼ぶ人は知能指数が低い疑惑がある件


 ある目玉候補者を擁立してみたら何か微妙なスキャンダルが出たのと思ったほど人気がなかったってのが選挙戦中盤で分かって、演説と行脚を増やして対応しようってんで連立先の支援団体である煎餅屋に助けて電話をして、三百人だか駅前の演説に動員してもらいましたとさ。


 ところがその日は某本部長が煎餅屋の商売敵である朝立ちが正しい団体に「挨拶」に逝っていたことがたちどころにバレてしまい、揉めたんだそうな。そんでよりによって閣下御自らご出陣なされ、ことの次第をご愛息からお耳になされ、神輿の担ぎ手ともども懇願するので人前で煎餅をお褒めになられました。煎餅褒めた割に、目玉候補についてはろくに語らずというあたり、さすがは閣下であります。


 それを見て某本部長曰く「わが陣営の結束はこれで固まった」。馬鹿ではなかろうか。正直どうしようもありません。素人でもそれはマズいんじゃないかと思うだろうし、そこに博打を張っている人であれば泣いて諦める状況になろうかって騒ぎなんですが、選挙箱を開けてみたら割を喰ったのは三選を目指す比較的まともな候補者でした。南無。


○ 神田さんお疲れ様でした


http://knn.typepad.com/knn/2007/07/post-15.html


 立場上いろいろあるわけですが、単なる泡沫候補とは違った意味で注目して見ていました。ネットと選挙というのは次か次の次で大きな議論になるべき課題のひとつであって、不利な条件が揃う中でほんとに出馬した神田さんの敢闘は讃えたいと思います。本当にお疲れ様でした。


 結果は一万票あまりで、恐らくほとんど選挙資金を使っていないだろう候補者としてはそれなりの内容だったのかなとは思います。


 ただし、敢えて厳しいことを言うならば、出馬して分かることという記事の中で、出馬する前に立候補するのであれば当然知っておいたほうが良いであろうことも多数含まれ、そのようなものはモノの本を読めば書いてあることも体当たりされているように思われます。また、お金をかけない、かけられないのは仕方がないとして、神田さんが本来強みとしているデジハリだったりその他IT業界界隈にどれだけ政治参加のお願いを能動的にやったのかというと私は疑問に思います。少なくとも、神田さんはいま何をしているんだろうと思ってデジハリにいる人やIT系の政治活動を行っている人に話を聞いてみましたが、終盤戦になっても神田さんやその支援者から電話やメールをもらったという回答はありませんでした。ほかの人には送っているのかもしれませんが、選挙ポスターを1万2,000箇所以上貼るのは当然として、支援してくれるくれないに関わらず「立候補していること」そのものを能動的に伝えることは選挙戦どころかマーケティングのイロハであって、私は神田さんがそれを怠ったような気がしてなりません。


 事前に集められる情報を集めず、事態進行中に伝えるべき情報を伝えていなければ、選挙という観点から言うとスタート地点にさえ立てないのではないでしょうか。いくら神田さんの人柄が愛すべきものであって多くの人がネタにし関心を持っていたとしても。欲を言うのならば、一度の落選で諦めることなく支援者を増やし次の機会にも立候補するべきです。地盤看板鞄というけれども、どれも投資であって、とりわけ地盤は資金を時間に置き換えられる唯一の政治資源であることを、神田さんには是非学んでいただきたいと強く思います。ただ、本当にナイストライだったと感じてます。「ああ。私にはそれはできないな」という自戒の念を込めて(笑)。


○ 本当に続投だそうです


 報道でもあるとおり、安倍さん続投で内閣改造で乗り切りましょうそうしましょうという流れだそうです。選挙が終わってしまうと特に何とも思わないんですが、変にダッチロールしてしまうと結局は低支持率の状態で解散に追い込まれて凄いことになってしまう可能性もゼロではないような気はします。まあ、そのころには野党の一部が別の党作って連立になってそうな感じですが。


 前の項でも触れたとおり、組織選挙で頑張っている候補者が落選してしまうと、率直にパー券の売れ行きが一気に鈍る問題を引き起こしますよね。それも当選回数の浅い人主催の勉強会とか禿増す会とかそういうのに包まれる金が減ります。誰が禿だ。そういうの回してくれないと、チルドレン系は全滅ってのも予想されますけど、そのあたり一体どうするんでしょうね。


 現在も激しく観測気球が打ちあがっていて、党人曰く「次の選挙がすぐだと自民党は持たない。安倍続投で党内融和を進めるべき」ってな言い方だったですね。酒飲んでたのでうろ覚えですけど。ただ、組織票で固める伝統的な地盤が死んだので別の仕掛けをというと、いわゆる”解党的出直し論”とか”民主右派吸収論”とかそういうのになるんすけど、どうすんすかね。前者は金が集まらないし、後者は座布団の親玉を誰にするんだってのと煎餅どうすんだってのと。なんだ、結局煎餅問題じゃねーか。


○ 岐阜のババアが舎弟にネット工作させててバレた件


 普通に党が指定する業者にでも金払って使ってれば問題が起きようはずもないと思うのだが、良く考えると中傷先も党のバッヂだったんですね。失礼しました。でも、忠誠度が低い武将に仕事任すと勝手に下野して持たせておいた兵力が減ることぐらい三国志をやってた人間だったら分かりそうなもんだけどな。


 まあ、何かと問題のある人だったようですけど、新潮と文春が仲良く釣られて、しかもそれを花田紀凱氏が腐すというゴールデンな流れとなってるのが新しいです。おまけに花田氏の書いてる内容が腰引けてて逆に心配になってしまうのは芸風でしょうか。


http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070728/bnk070728001.htm


 むしろ、問題とするべきはそれ以外にも議員や政党が国会期間中や選挙公示後に何らかのネット工作を常態的に行っている可能性があるかもしれず、しかもその一部は党本部も認識していない確率があって、どっかで何かが炸裂すると全部バレて凄いことになるという一連の美しい流れであり、さらにそれら一連のネット工作なるものが一時期ほど得票や支持層の拡大に何にも結びつかないことが分かってきちゃったことなんじゃないかと感じるんですが。


○ 民青が担いでるとされる川田龍平氏が当選の件


 いまや大都市東京の一風景になってしまった左翼活動家に担がれているとされる川田氏が議員バッヂをつけることに。左翼運動もある程度公的監視の枠内で収まるものが多くなったようですね。むしろ反社会的勢力というと暴力団など経済実益を前提とした非合法組織のほうが重要視されるなかで、市民団体を隠れ蓑にした左翼運動のようなイデオロギー色の強いものは「いまどきの連中にそうそう広がらないだろう」という安心感というか、油断があったのかなとは思います。


 まあ、もし私がそっち方面の人ならば、何か適当に公職選挙法違反ネタを見つけ出して連座でバッヂ外させて豚箱に入れられるよう努力するんでしょうけれども、鈴なりになってるところを一網打尽にしちゃうと監視対象の勢いがなくなって、またぞろ公安調査庁要らないよ論が出ちゃいかねないので温存するんだろうなあ。


 そう考えると、タレント議員といいプロ市民といい赤絨毯の価値って随分目減りしたもんだと感慨深いです。


○ mixiで民主党支持者と暖かい情報交換(笑)


 人事のような雲の上のことなど現場にはちっとも伝わってこないので予想するしかないので何ですが、先方も事情は同じようで、休養しているはずの小沢一郎さんが普通に庭を散策している光景を写メしたとかっていうどうでもいい小ネタで盛り上がっておりました。


 支持されたわけでもないのに選挙に勝った民主党の皆さんの困惑した心境が手に取るように分かります。む。


○ 馬鹿が押し目買い


 ご自由にどうぞ。ってあたりで風呂入ってビール飲んで寝るか。お疲れ様でした。