おととい、漫棚通信ブログを読んでいたところ、唐沢俊一氏の盗用問題についての交渉が何故か決裂していることが書かれていて驚きを禁じ得ませんでした。


http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_604f.html


 「大いに参考にして」「大変似通った文章で表現」であると唐沢氏当人が認めている以上、ある程度の大人の対応の結果として早々に幕引きするのかなあと思っていたら不思議な展開もあるものです。恥ずかしながら漫棚通信氏は良く知らなかったんですが、交渉の経緯を見るにそんな常軌を逸した対応をしているようにも見えず、せいぜい幻冬舎側からすれば「ネットに書くなよ…」ぐらいのとほほ感が漂うぐらいのものであります。


 若干コメント欄が焦げ臭いのは致し方のないことですが、ここに町山智浩氏が参戦。いい湯加減になっております。もっとも、コメント欄も立場ははっきりしているものの内容自体は穏当なもので、町山氏も正論を述べていて何の問題も感じません。


http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20070728


 発端の「唐沢俊一氏が盗用をした(らしい)」ということだけが微妙な行動で、それ以外は各人各プレイヤーが立場に基づいた正論を述べ何一つ瑕疵も問題もないのに、発端の行動についての是非だけが残っていつまでもネット上で燻っているあたり、だんだん芸術性を帯びてまいりました。


 ついでに、本件についてはどーもそういう「界隈」で本件についての見解をネットに書くか書かないかの「踏み絵」のような状態になっているようでありまして、詳しいことは良く知らないまでも、何かごちゃごちゃしてます。


 たぶん、町山氏指摘の通り「とにかく、唐沢はバレた時点でさっと盗用を認めて、自分の責任で回収などの後始末をすれば、これほどみっともないことにはならなかったはず」というのに加えて、同じテーマで新書で五冊六冊出す方法論でやろうとして引くに引けなくなって、掛け金が上がってしまったため勝負から降りられない唐沢俊一氏に、現状で誰一人まともな人が助け舟を出していない状況について鑑賞するべきなのかとさえ思います。町山氏は自身が熱くなってるととんでもないことをやるが、他人の揉め事だと驚くほど正確で説得力のある議論を展開するあたり小寺球審みたいです。


 このあたり、問題の所在がどうというより、論評する人間の立ち位置が明確に現れるもんだなあと改めて感心しましたが、本件についてはあくまで感想であって特にこれといった提言もオチもありませんので、引き続き本件ネタをお楽しみください。