さっき六本木ボルテックスで久しぶりに三国志大戦をやったのであるが、三連勝のあと三連敗して三連勝するなど出入りの激しいプレイであった。いま酒を飲みながらプレイを振り返るに、お手軽な象兵の登場によって攻城兵の意義が置き去りにされ、攻城兵といえば袁家、袁家といえば攻城兵であったはずなのに、銀殿R袁紹のにわかファン急増によって攻城兵自体を見ることがめっきり少なくなってしまった。いまだにトップ100に攻城兵が入ることさえ絶えているという。


 言われてみれば、必死の思いで繰り出し続ける攻城兵をR鮑三娘と象兵の集団が気軽に激しく蹴散らした前バージョンにおいて、わざわざ攻城兵を使うメリットが少ないという理屈は分かる。今バージョンでも、相手の城門をアナルと見立てて力強くコロコロしていく攻城兵は脇に追いやられ、せっかく当方が攻城兵入りデッキで頑張っているのに相手に攻城兵が入っているデッキとガチのいわし合いになることはまずない。


 いまさら攻城兵とか所詮ネタに過ぎないなどと軽視する輩は死ね。大将軍デッキといえど、曲がりなりにも徳11および十四州で頑張る我が身を振り返るに、いまだ研究の余地があるデッキなのである。頑張れば勝率六割は堅い。このエントリーは、恐らく読者の大半が興味ないであろう偉大なる大将軍の孤高の戦術を深く強く吟味する内容である。


【目的】
 三国志大戦の今バージョンにおける大将軍デッキの勝ち目を検証する。


【制約】
 勝ちに繋げるための戦術を「大量生産」から敵のアナルである相手城門まで攻城兵を運び、落城勝利を目指すこと。


【新バージョンでの弱点と対処】


・武力差でのダメージ量がとても多くなったようだ


 全体的に低武力が売りのこのデッキでは武力差ダメージ増加は頭の痛い問題ではあるが、張勲や攻城兵にかける愛情が高ければ乗り越えられる問題である。


 素の武力であれこれしても意味がないので、なるだけ敵をこまめに分割、各個撃破すべきなのだが、どう考えても各個撃破されるのは当方です。本当にありがとうございました。


 なので、SR甘寧やUC張郃(魏)という選択肢も入りうるし、どうもそういうデッキで頑張る覇王もいるようなのだが、ここは敢えて七枚で頑張って逝きたい。何の対策にもなってないのは気のせいである。


・弓兵から受けるダメージ量がとても多くなったようだ


 ただでさえ動きが遅く、騎兵の連続突撃の最良の的であった攻城兵であるが、さらに弓兵からも順調にダメージを喰らう日々が始まった。非常に頭の痛い問題であるが、張勲や攻城兵から受ける最高のロマンさえ肌で感じられれば乗り越えられる問題である。


 それゆえ、相手が柵の向こうで弓兵が並んで待っているだけで当方はゲームセットである。これはどうにかしなければならない。したがって、兵法を速軍の法にしたり、挑発で引っ張ったり、水田で流すなどの手法を駆使してアナルまで辿り着くことに集中しなければならない。


 主要兵種である騎兵と弓兵にともども弱いというのは如何ともしがたく、何の対策も講じようがないのはトップシークレットである。


【俺様大将軍デッキのご紹介】
 美しくも儚い攻城兵の織り成す最高品質のロマンを凝縮したこの七枚。一斉に横一列で城から出てきた瞬間はきっとGメンみたいでかっこいいんじゃないかと思う。


UC張勲、C許攸、C逢紀、UC田豊、UC黄月英、C陳珪&陳登、C費禕 兵法:連環


UC張勲:言わずと知れた我らが大将軍である。人呼んで張本勲。むしろカード的には人を呼ばれかねない品のないおっさんがファントム師によって描かれているだけの微妙カード筆頭であり、よくリサイクルボックスに捨ててある。


 ただ、いみじくもアナル建設を目指す場合は張本勲がいなければ話にならない。張本勲が大量生産している図式は野球ファンなら捨て置けないのもポイントだ。地味に募兵もついてるが、あの頭の悪そうな見た目、しかも知力2を誇る絶望的な能力値についてくる兵士はいるのだろうかという疑問も抱く。トップがアホだと部下が大変です。


 すべての戦術はこの人の大量生産にかかっているだけに、C夏侯月姫がいた瞬間に詰み、名君に「驚け」とか言われて詰み、R姜維に「はい、そこまで」と言われて詰み、呉の皆さんに焼かれて詰みである。基本的に詰んでいる相手は数多い。


 だが、それがいい。


 このデッキでは誰も一個も武力が上がらないので、最高武力保持者の誉れは大将軍のものである。どうです、この絶望感。誇らしげに「大将軍撤退」を叫ぶのが通。


C許攸:いまや私の携帯電話の待ち受け画像にさえなっているC許攸。落城時に「しめしめ、ここは儲かりそうじゃわい」と言う。しめしめって。


 ただし、性能は抜群。香車戦法はリアル挑発そのものであって、着弾がズレるのを厭わぬときはそのまま張り付いてよし、なるだけ相手の足並みを整えないようにするためにはこの人がいないと話にならない。相手が蜀単とかならもう大活躍である。


C逢紀:自爆で相手脳筋を屠るためにいる人。敵が城門に張り付いたり攻城を阻止しようと乱戦を試みたときに自爆。最高。こんな優良な武将がコモンというのは袁家とはつくづく恵まれた陣営である。


 大量生産で出てきて敵脳筋を発見してコロコロ転がって逝って自爆というのが非常に美しい。君は何のために戦場に出てきたの? と問い質したくなる。


UC田豊:通称「水田」。伏兵を利用してのステルス攻城やステルス水計など用途さまざまの多機能攻城兵であるが、水計を使えるようになるほど士気が余る展開は少なく、そういう状況はだいたい大将軍が陥落してて普通に攻城兵が復活カウントをこなしてしまったときであるので困ったものである。


 それゆえ、勝率を見直してみると序盤に水田伏兵を踏まれたほうが安定するように思える。というか、私の落城勝ちの半分近くは彼の手によるもので、そのたびに「私がやりたかったのはこれでございますぞ」とか言う。見かけによらず派手な戦術が好きなんだね。


UC黄月英:アナル建設の紅一点。なのに黄色とはこれいかに。どうでもいいですかどうでもいいですね。この人よりC辛評のほうが良いのではないかという意見も多いが、彼女の良さは魅力持ちであるところ。序盤攻めてって、当然のように全滅する、その2カウント差で大量生産が打てるか打てないかで、実に大きくその後の展開の良し悪しが決まるわけである。


 滅多に使わないけど城を出るなり全員の兵力増やして突撃とか、あと一踏ん張りのところで回復したりといった技が使える。というのも、C何太后の計略がエロ過ぎて効果ダウン&武力差ダメージ増でイマイチな感じなんだよね。


C陳珪&陳登:排出停止カードである。カード屋に逝くと10円で売られているのでコストパフォーマンスは最強。基本的に、騎兵の連続突撃からころころを守るためと、攻城中のころころから敵の妨害を剥がすために存在する。


 よく鬼神が降臨した関羽さんを呼び止めて轢き殺されたり、激怒中の夏候惇さんにおねむの時間じゃてと言って返り討ちに遭ったりしているが、その間に一発でも攻城兵が入れちまえばペイなので品質に問題はありません。


C費禕:誰か芸能人に似た顔つきだが思い出せないほど地味な人。この人の計略が連環の連計であることは頻繁に忘れられている。C許攸の逆サイドをてけてけ歩いていると、存在を忘れられて馬超さんが白銀してたり王双さんがやってきたり張飛さんが回ってたりする。ちょっと前までC孟達やC高覧を入れてた枠。


 武力が2と心許ないので、とりあえず自城に張り付かれる前にどうにかするのが役目。ただし、やってるとこの人の目立たなさは特筆に価するものがある。ポストC審配。


【立ち回り方】


 大将軍が落ちたら苦戦間違いなしのこのデッキ、序盤の配置から終盤の攻め方まで、極力戦場を左右に広く取って両サイドと中央でころころがいつも走っている状態にするのが理想である。唯一、弓兵主体のデッキが相手の場合は、右半分あるいは左半分を使う形にならざるを得ないが、相手の士気残が一番重要なので、カウント数から常に相手士気を逆算する癖をつけないとほとんど勝てなくなると思う。


 デッキ的に、常に大量生産を狙って逝くのがアナル建設への近道と思われがちだが、実は攻城兵が総撤退して、相手が攻めてこない状況のときは、大量生産を打たずに士気を溜めるほうが立ち回り的に極めて有利であることは疑いない。というのは、敵が攻城兵を全滅させたときに、そのまま攻めてくるかこないかはどれだけ敵のの主力を撤退させることができたかに依存するため、UC田豊の伏兵をどう効果的に踏ませるかと、大将軍の突撃が重要なファクターとなる。ついでに、配置上どうしてもUC田豊の周囲に槍兵二人を置くことになるため、二人重ねて槍撃でセコく相手兵力を削っておくことや、カード半分ずらして片方乱戦でも片方穂先が出るようにしておくなどの小細工はやっておいて損はない。


 序盤にやすやすと攻城兵入れさせてくれる展開などまず来ないが、万一リードを奪えても守りに入ってはいけない。というか、守ろうとして守れるデッキではない。相手のアナルに向けて攻城兵向かわせてナンボであることは疑いないのだが、リードを奪えたら相手はたいてい足並みを揃えて大きめの計略を狙ってくることが多いので士気は溜める方向で頑張る。狙いはもちろんUC田豊による水計かC許攸の香車戦法である。上級者になってくると、場内に1コス槍を置いたまま出撃してくるのがダルい。まあお互い様だけど。士気が許せばC許攸の逆サイドにC費禕を出しておくと、意外なほどC費禕の計略を忘れている多くの皆様が近寄ってきて連計の餌食となる。C費禕は「なんでこうなりますかねえ?」と撤退に追い込まれるが、こうなると兵法連環叩くなり香車戦法使うなりでほぼ勝ちが見えてくる。


 問題は、C陳親子の位置取りである。基本的にはアナル前に置くが、とにかく頻繁に轢き殺されるので心優しい大将軍の的確なフォローは必須である。ただし、本当にC陳親子が真価を発揮するのは強化中の弓兵や槍兵が立ちはだかったときである。桃園などで超絶強化された五虎将の皆さんを挑発して、すかさず歩いて逃げる陳親子の姿を見ると涙が止まらない。


 なお、このデッキは劣勢になったら止まらない。大将軍が一騎打ちに負けて撤退などした日には、耐えようがない状況に陥る。自陣近くで大将軍が落ちると悲惨である。自爆ぐらいしかやることがない。そのためにも連環は残しておきたいのだが……


 悪地形対策はC許攸の頑張りに尽きる。特にアナル途中に森とかあると発狂しそうになるが、そこは落ち着いて香車戦法である。アナル建設は一日にして成らずであることを心に刻もう。ただし、ダメージ地形は却って好都合である場合もある。相手が柵一枚二枚の場合、ダメージ地形を通ってこないだろうという甘い観測のもと、そっち方面に柵がないことしばしであるため、移動速度が下がらないダメージ地形は格好のC許攸通過ルートとなる。


【序盤のセオリー】


 キーは85カウント、つまり大量生産が打てる状況における敵の撤退状況と配置にある。相手にSR周瑜がいない場合に限り、大量生産を打つべきシチュエーションは次の通りである。


・ 敵主力が一枚以上90カウント以降撤退しているとき
・ UC田豊の伏兵が踏まれておらず、かつ周囲に敵がいないとき
・ 自陣に敵主力槍兵が侵入しているとき
・ それどころかほぼ敵全員で攻めてきているとき


 逆に言うならば、上記条件が整わず、敵の主力が(当たり前のように)温存されているのに攻めてこないね、という状況で大量生産を使う必要はない。よく大量生産デッキで攻城兵を出しっぱなしにして大量生産だけに頼るプレイングをしている大将軍使いを見かけるが、あれはよろしくない。敵が攻めてこないのなら大量生産を打ってはいけないのだろうと私は考えている。もちろん、士気を溜めるとか、キー計略持ちが撤退しているなどの事情があるから攻めてこないのであるが、士気を9溜めることが出来れば普通に復活カウントをこなし、大量生産を打つことなしに繰り出すことができていることを意味し、大量生産による速度アップは捨てても敵の主力をごっそり撤退に追い込んだり連環の連計でずっと足止めしたりして攻城チャンスを増やすことも可能なのだ。


 誉れ高き張勲大将軍は、その存在そのものが挑発のようなものである。敵が超絶強化したらだいたい張勲に向かってくるし、ダメージ計略は概ね張勲を狙ってくる。人気者はつらいのである。それゆえ、立ち回りとして張勲が死んでいい瞬間というのが存在する。


・ 士気8以上溜まった状態で大量生産を打ち、C許攸とC費禕がしっかり両サイドを走っているとき
・ 兵法が再起の法で、まだ使ってないとき
・ 敵に弓兵が少なく槍兵が主力で、敵陣の守備が少ないとき
・ 敵が3枚あるいは4枚で、主力の騎兵がオーラ中で士気が3あってC陳親子で迎撃死させられるとき


 張勲を意識的に死なせるときとは、基本、相手主力を道連れにする計略が確定するときであり、攻城兵4枚に対し敵の妨害が3枚以下となるのが確定した状況を指す。立ち回りは主にこれを狙うことになるが、張勲という高貴なエサは何気に武力5しかなくてエサのつもりが戦線崩壊の引き金にならないよう留意されたい。


 また、原則として敵陣で全体号令を使わせるような立ち回りをするのがベストなんであるが、速度上昇が伴う号令は特にヤバい。C陳親子で主力を沈められることなどまずないので、大人しく大将軍は避難しておき大量生産に備えるほかない。


【防戦について】


 敵が自城に張り付かれる前に、UC田豊の水計か、C許攸とC費禕による連環の連計を狙えればベストなのだが、我らが大将軍デッキにとってそのような好ましい状況は1ゲームに1回も来ないと思って差し支えない。というか、大将軍が落ちているときは常に防戦であって、UC黄月英でいいからはやく復活してくれと祈る力と我慢する心が試される。


 攻城兵は堅いというイメージからか、防戦しやすいと思われがちなのだが、相手が槍兵でも一枚だけで妨害していると横に移動されて振り切って攻城されることになる。なので、二枚出せ。二枚出せなければ自城門アナル方向には振り切られないように出せ。あと、攻城兵は遅漏なので少し早めに出さないと間に合わない。というか、びっくりするほど出が遅い。


 C逢紀の自爆は脳筋攻城やマウント槍兵対策の切り札的存在である。外すと死ぬほど痛い。未来あるアナル建設の補助のためにも細心の注意を払われたい。知力5でも、潜り乱戦など駆使しながら多少でも削って味方の復帰を待ちつつ自爆のタイミングを待ちたい。C陳親子の挑発も馬マウントを剥がす際に大変役立つが、だいたいそのまま轢き殺されるのでよろしくお願い申し上げます。


【戦線維持と士気負け状況】


 士気負けで大量生産を叩き、相手に号令などで対処された場合、無理に攻城兵を敵陣まで押し込まないよう気をつけなければならない。


 また、上級者になってくると攻城兵4個のうち、2個だけ壊して張勲狙いに来る場合があり、こうなるといったん城内に逃げ帰るしか方法がなくなる。といって、苦し紛れにC陳親子が挑発してしまうと、肝心の大量生産をするための士気が枯渇してしまう。


 したがって、ギャンビットからゲーム終了までの士気25個のうち、大量生産一回につきどれだけのカウント数を稼ぐことができるかで他に回せる士気が変わってくる。無論、うまく敵を剥がせば一発入るときは躊躇なく計略ボタンを叩かなければならないが、99カウントをフルに戦って大量生産を叩く回数は、勝ちゲームが4回に対して負け試合は平均5.5回と叩くほど負けが込む計算になる。全滅して押し込まれているから大量生産を叩く、勝っているから大量生産をしなくていいという逆説も成立するわけだが。


 ただ、大将軍デッキ40回程度のプレイデータを分析するに、撃破件数は圧倒的にC陳親子で、次いで大将軍とC逢紀で、カウンターで狙うUC田豊が活躍するゲーム、すなわちUC田豊に計略行使があって撃破しているゲームの勝率はわずか二割に過ぎない。大計略に頼る立ち回りは負け試合ということである。


 しかし… プレイデータ見ながら言うのもなんだが、いったいこのデッキでどうやって私は勝ち進んできたんだろう…