”オリックスのローズが本塁打30本以上打ったら坊主になる”と二宮清純がテレビ番組ムーブ内で宣言した件、早くもローズが20本到達で大変なことになりつつある。てか、二宮清純が坊主になろうがならなかろうが、率直に言うとどうでもいいのである。


 が、その一方でローズが30本打つということはオリックスがそれだけ戦力的に高いということでもあり、今年は是非に暗黒オリックスが野村楽天を順位的に下回ることを期待してやまない私としては痛し痒しな状況ではある。


 そのオリックスだが、宮内オーナーが素敵な発言をしており注目している。


宮内オーナー「トレードことごとく失敗」
http://osaka.nikkansports.com/baseball/professional/buffaloes/p-ob-tp0-20070601-207027.html


 まあ… 「トレードことごとく失敗」ってのは事実だろうし、いいだろう。でも、谷(TAWARAの旦那)とノリは、編成がどうというより将来性やチーム事情を考えて放出、という点では、せめて「先を考えて、新天地をと思った」ぐらいのことを言えば良かったのに、と思う。分からなくはないけど言い方が悪いから客受けせず、人気も出ないんじゃないの。


 で、宮内オーナーが「トレード失敗を踏まえ、さらなるフロント改革も明言」って前向きそうなことを言っておきながら、その具体的内容が「より権限が強化される前監督の中村勝広シニア・アドバイザー」ってのは何だろうと。それは中村さんが文句を言わなくてお前が使いやすいから起用してるだけなのかと思ってしまうぜ。


 これ「たぶん」だけど、オリックスは、というより宮内氏は、社員を効率的に働かせて収益を上げ企業価値を高めることには非常に才覚はあるけれども、世間一般の目線で「客が喜ぶ」「大向こう受けする」というような興行の機微のようなものにはまったく才能がないか、関心が持てないのだろう。


 良いとか悪いとかではなく、曲りなりに阪急ブレーブスを買い取って、神戸でイチロー効果があり、地の利がいまいちな球場でも満員にするだけの人気には一時期もっていったのであって、イチローが離れてもある程度ほかの選手にも注目されるような営業努力さえしっかりと払っていれば、実数で千人もいないように見えるような常にアウェー状態にはならなかっただろうと思う。


 あくまで渡辺恒雄氏に続くプロ野球界のヒールとして君臨したいという野望があるのであれば話は別だが、どう見ても観客動員が伸び悩んでいることを苦にしていて、戦力が充実しないことに対してもイラ立っている感じだ。ただのパリーグファンである私から見ても、あの戦力補強の仕方で強くなるわけねーだろが、広島じゃあるまいし、などと思ってしまうわけである。


 もともと分配ドラフトで有利なプロテクトがかけられ、まあ岩隈や礒部といったあたりは抜けてしまったけれども、故・仰木監督連れてきた一年目以降、まったくといっていいほど成績的な改善がなく、選手の放出はわけが分からず、補強はまあまあうまく逝ってるものの客がわんさと来たくなるような代物でなく、何それ? という具合。良くなってるのは大西と大引と本柳と下山と平野佳と加藤大輔ぐらい? 坂口も良く知らん間に二軍に逝ったし。


 楽天は逆にプロテクト漏れしてた高須だの藤井だの吉田豊彦、小倉に山村といったシブいところを中心に即戦力の若手が渡辺直人やら嶋やら、拾い物の鉄平、育ってきた渡辺恒樹や青山っているじゃん。極め付きは山崎武司だし。何あれ。


 オリックスの球団関係者一同、きっと「こんなはずじゃなかった」と思っているだろうけど、ほんと何のためにバファローズと無理に合併して球界再編だ何だと力技駆使してきたのかさっぱり分からん。楽天は楽天で本体の事情もあって、下手するとTBSとの話の流れの中で球団手放す話もあるらしいじゃないか。せっかくパリーグ全体が盛り上がって実質の(金を払って球場に足を運んでくれる)観客動員も増えてきたというのに、何だかな。