人は本棚を見れば人格が分かると言われる。これをデータベース化すれば、その人がどんな内容に関心を抱き、どういう思想を持っているのか想像がつくよ、ということであり、いわゆるグーグルゾン批判というものの一部は人間の頭の中に入り込もうとする企業活動全般に対する不快感から出るものである。


 前置きはともかく、amazonの話である。たまにamazonから以下の書き出しのメールが届く、別にそれはいいのだが、いったいそれはいつの購買履歴を参照して送ってきているものなのか、あるいは、本当にそれが私の嗜好だと思って選別しているのか不思議なものが紛れ込んでいて不自然である。


「 切込隊長様, お客様がこれまでに購入された、またはお持ちの商品を参考に、おすすめ商品を紹介させていただきます。 」


今回のおすすめ内容:
* 薬物乱用の科学―乱用防止の知識
* 図説 金融工学とリスクマネジメント―市場リスクを考える視点
* WPB-net REMIX DVD 佐藤寛子「ANNIVERSARY」
* 別冊宝島『嫌韓流の真実! ザ・在日特権~朝鮮人タブーのルーツから、民族団体の圧力事件、在日文化人の世渡りまで!~』
* プロ野球スピリッツ4公式ガイド


 その前の回に送られてきた内容は以下のようなものだった。


今回のおすすめ内容:
* ああ、堂々の自衛隊
* リリーホワイト―白鳥百合子ファースト写真集
* 天秤の錯覚
* 堀内恒夫―悪太郎まかり通る!
* 名将たちの指揮と戦略 勝つためのリーダー学
* リベラルたちの背信?アメリカを誤らせた民主党の60年
* 「反日マスコミ」の真実
* アメリカはアジアに介入するな!


 確かに私が乱読傾向であるのは認めるが、改めてデータベース的な判断で認識されている個人の嗜好を改めて提示されてみると、自分の声を録音したテープで聴いたときの不快感というか、「自分ってそんなんだっけ」と思ってしまう再発見があるのだ。


 だから私はamazonではあまりモノを買わない。やはり、物事の好みというのは機械的に対象とされる領域と、その人が好きである分野のズレというか、ズームの差があって、amazonは森が好きだと解釈して「あの森いいよ」と送ってきたとしても、私はその森で棲息している虫が好きなのかもしれない。プロ野球スピリッツ3は好きだったがプロ野球スピリッツ4は嫌いなのであり、共和党の解説本は買ったが別に支持者ではないし、白鳥百合子に至ってはなぜそのようなレコメンドになったのかさえ想像がつかない。記憶にない。佐藤寛子は買いました。申し訳ございません。さらには堀内恒夫。いや、堀内は好きだけど。関連本買ったかと思い返すと、ナベツネ本を読んだぐらいだ。だったらナベツネ関連をお奨めしてくれ。


 一方、単なるスパムメールをせっせと送ってくるTSUTAYAは死ね。