きっかけは、たけくまメモ。総じて話の流れが明確になっていて、読んでいて、ああ、そういう流れになっているのかと得心がいった。


【著作権】とんでもない法案が審議されている
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_b72f.html


 内容的には、とりあえず”企業「も」活用できる”し、”警察「も」取り締まれる”法案に過ぎなくて、恐らくは悪質な著作権侵害行為に対処するのにいちいち著作権者(下手すると法的な引継ぎもなく亡くなってたりする)に通告しなければならない実情をどうにかしましょうや、という以上の話でもなさそうなんですが。


 でも、一連の議論ではコミケの二次創作やパロディ同人誌「が」対象ってことになってます。ちょっと冷静じゃねえなあ。骨子はそんなとこじゃなくて、テレビ番組や映画DVDなどの違法アップロードや、猥褻目的の加工を取り締まる必要があるからじゃないですかね。別にJASRACのような第四権力目指してゴーってわけでもないでしょう。


 もちろん、コミケや二次創作で、普通にちんこまんこモロ出しで猥褻素材をご製本のうえ販売してたら、そりゃ著作権法じゃなくても猥褻物陳列でいままで通り逮捕しようと思えばできるわけですわ。そんなのは模倣ってレベルの話じゃない。著作は自由であるべき、というのは理解するけど、自由にタダ乗りすることも容認すんの? という話かと。ただ、個人として楽しめる範囲内でひっそりとやってね、ということであって。


 模倣は許されるべき、というのはその人本人の価値観であって、そうは思わない人たちもいて、一定ライン以上の模倣は良くないと考える人にも問題解決の道筋を法的に与える必要があるんじゃないの、とは思います。本来なら、同好の士同志の秘め事の世界であった漫画も含めた同人の模倣が、規模化され、市民権を得、商業化されたら、そりゃいままでの法律で仕切るのは難しい。


 権利者に模倣を許容されているからできてきたことが、いつの間にか当たり前のことになって、正当な権利であるかのように誤解するのって、それは外国人が長年住んでしまったのをいいことに参政権要求するのと大差ないんじゃないですか。


 別に諸手を挙げて推進しようぜ!!!ってタイプの法案でもないでしょうが、とんでもない議題だと闇雲に非難するほど深刻な話でもないと思います。というのは、第三者訴訟で恐れてるのって漫画喫茶やネットカフェなどのチェーン店が、要するに漫画のまた貸しで著作権法無視して勝手に営業してて、なし崩し的に成立してた連中であって、現在いい感じで警察などからも物言いがついとるわけですよ。もちろん、割を喰うのは企業じゃなくて可ってに商売のネタにされてる漫画などの著作者なんですけどね。


【明解要解】サイバー犯罪、ネットカフェ温床
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/internet/48255/
悪質店一掃、大阪府警がネットカフェ250店立ち入りへ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070521i406.htm


 いままでは、そんなことを言ってたら床屋で散髪待ちの客のために置いてあったゴルゴ13だの漫画雑誌だのは著作権法違反なのか? というJASRACめいたくだらない禅問答になるので放置されていたのが、悪質な業者が山ほど漫画喫茶やネットカフェの経営に進出して、いままでは消費者金融の無人貸付機や英会話学校が入ってたところが続々と漫画喫茶やネットカフェに鞍替えしてるわけでしょ。消費者金融も空前の赤字で、連結してた銀行の決算に悪影響出したりしてますけどね。


 そういうところが、政党に献金してたり、ネットでの法案成立を妨害するべく金出して煽動してたら、どうします。企業が嫌いな人が、これらの一部の業者の片棒を担いでることになりますわな。また、そういう繋がりの一部の企業が、先日週刊誌に告発され、売上の架空計上までバラされていましたけど、個人的にはもっと奥が深いようには思います。というか、よほど官邸や自民党や法務省が嫌いなんでしょうか。


 まあ、私は別にいいんですけどね。コミケも逝かないし、ネットカフェも使わないから。ただ、共謀法みたいな典型的なザル法に反対だ、とかいう話ならともかく、もうすでに問題が多発していて、解決するのに従来の法案では対応できなくなった案件でさえも、何かコミケだの同人だの社会の片隅でわいわいやっているほうがみんなにとって幸せな物件引っ張り出してきて反対だ! ってことになるのはどういう社会なの。


 もちろん、ここに書いた内容は全部冗談だけどね。