birdwingという人のブログを初めて読みまして、なるほどと思う部分が大きかったので勝手ながら掲載。


アルファブロガー批判。
http://d.hatena.ne.jp/birdwing_tn/20070513/P0



 表題はアルファブロガー批判ということになっていますが、事の次第は要するにdankogai氏批判のようであります。そうならそうと明示すればいいんじゃないのと思ったんですけど、慎み深くご指名はナシであったので、dankogai氏かなあと思ったのはあくまで私の判断だということで、ひとつ。


書評 - フューチャリスト宣言
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50825977.html
書評 - デジタル・ワークスタイル
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50824675.html



 個人的に思ったのは、もちろんbirdwing氏の言うような、商魂逞しいアルファブロガー(笑)と献本に至った執筆者との立ち位置の遠近で書評が甘辛焼きになる実存の問題というのもあろうと。私だって献本が来たら嬉しいし読むし面白ければ掲載するしつまらなければブックオフ逝きであるのは間違いない。ただ、面白かったものを無原則に掲載していくとほぼほぼ私の読者日記状態になってしまうのを恐れ、dankogai氏ほどに熱心に読書遍歴をすべて出すわけではない。


 一方で、(敢えて触れなかったと思えるが)birdwing氏は書き手のステータスとその人に求められる言論のクオリティという、一種の虚像については触れられていない。ウェブから出てきた社会も語れる論客として、実績はともかく階段を登っていく梅田望夫氏と、むしろウェブ社会(つか、ブロゴスフィア)のキーマンとして社会的にはメジャーではないけれど一定方面に影響力を保持している徳力基彦氏とを、同じ視点かつ同じハードルで書評をする必要はないだろうとも思うわけである。


 dankogai氏の場合は、私が勝手に代弁するのも何だが、彼が目を通す書籍の量そのものが多いのもあって、dankogai流解釈というのが良いも悪いも一本化されている部分が強く、そこが逆に”定点観測者としてのdankogai”の価値を上げ、これから本を読もうと考える一部の諸氏にとって、それなりに参考になっているだろう。だからこそ、彼のブログからamazonで本を買う人が多いのであろうし、それがアルファブロガー的な意味合いを達成してるか否かの条件だということであれば好きに判断すればいいんじゃね、という話にすぎない。


>タダで本をもらっておいて言いたい放題とは思い上がったものだな、その程度のレビューでそんなに偉いのか、アルファなんとか(苦笑)


 というのはごく真っ当な心象だろうし、誰もが賛同し、誰からも支持される事案など存在しない、という真理において、何ら否定されるべき性質のものではない。


>率直にいって(ひがみも少々入りつつ)、ぼくはアルファブロガーという権威に疑問を感じていて、ただでもらった本をけなしているアルファなひとたちのレビューなんか信用できない、と思っています。


 これは… 正直、私には良く分かりません。私は私の書いた書籍で、dankogai氏から酷評を貰った。別に献本してないが(笑)。それ相応に売れた本なので、評価して欲しいと願う反面、あんな書き方で万人からウケるはずもなかろうという目線もあり、dankogai氏から下のような評を貰ったことこそ、私は彼の本に関する審美眼はある程度以上の信頼を置けるものなのだろうという評価を逆に下さざるを得なかった。


http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50162467.html



 翻って、フューチャリスト宣言@梅田氏の今回の著作は、いままでの梅田的世界観からすると風呂敷の右から左まで辻褄がぴっしりと合ってきていて、げっぷが出るほどポジティブで、輝いた眼をした若いころは私もきっと梅田万歳とか確かに言ってただろうなと思う点で、非常に考えさせられた本だった。


 それゆえ、birdwing氏が自力で書いちゃってるように、己の価値観が「ポジティブに未来を考えようとしているエヴァンジェリストやフューチャリストのような方たちの言葉が参考になる」のであれば、dankogai氏を含めポジティブかネガティブかよりも、実現可能な未来を実証的に語るかどうかで判断する人間の書評は相容れないだろうと思う。


 その後の


>フラットだからこそ意義のあるブログの世界
>ぼくはブログに書かれた文章は、アルファだろうがなかろうが、すべて尊いと思っています。フラットであるべきではないのか。


 以下の立論は蛇足というか荒すぎて評に耐えないので無視するとしても(原始情報共産主義かよ)、なるほど書評ってのは案外難しいもんだねそうだねということであります。いやはや。