( by NHK news )
東大寺は 奈良時代に創建された当時の
伽藍空間の復元を目的とした境内整備構想を発表
七重の東塔再建基本構想を発表する
北河原公敬別当と元奈良文化財研究所の鈴木嘉吉氏
室町時代(1180) 南都焼き打ちで焼失の東塔があった地区から
学術調査や資料収集を長期的に進める方針
構想に沿って 東大寺境内で初めてとなる
計画的な発掘調査を実施する意向
東大寺境内では 745年から約20年かけて
大仏殿や講堂などの主要伽藍を建立
その後の戦災や火災で何度も伽藍を焼失し
大仏殿などは 再建されたが
現在も 東 西の両塔や講堂は 失われたまま
歴史や建築に詳しい外部専門家 学識経験者をメンバーに
境内整備計画委員会(座長=鈴木嘉吉・元奈良文化財研究所長)を設置
2010年から構想策定に取り組んできており
今後100年を見据えた境内の整備計画をまとめた
構想は国や奈良県にも提出
地下遺構の保全を第一としたうえで
伽藍の整備を積極的に進めると明記した
古文書などで伝えられている奈良時代の姿を参考に
今は失われた建物の復元を目指す方針で
奈良時代に建てられた東の塔「東塔」の再建を最優先に進め
七重塔の瓦などが発見された東塔跡地の発掘調査から始める方針で
来年度にも実施する意向
東塔は 西側の西塔とともに 大仏殿の脇に建てられた七重の塔で
高さはおよそ100m程度だったと伝えられており
平安末期の戦乱で焼け 再建後も室町時代(1362)に落雷で再焼失
現在は基壇跡しか残っていない
電磁波を使ったこれまでの調査で 東塔があった場所の地中には
奈良時代の柱の跡や瓦があることが確認され
文化庁と協議した上で 同寺全体の本格的な発掘調査を行う
西塔跡地も可能な範囲で発掘する
講堂などの遺構の保全策も実施する
まず 防災用送水管を敷設する際に
塔の瓦などが発見されている東塔跡から調査を始め再建につなげる
具体的な建物の復元計画は発掘の調査成果をもとに検討する
東塔は高さが70m 100mなど様々な学説がある
再建費用は 現在のところ不明
講堂跡や 三面僧坊跡は まず酸性雨対策に取り組む
酸性雨により 屋根の銅板に穴が開いたり
境内の背後の山の樹木が弱って保水能力が低下し
鉄砲水が発生して遺構を削ったりする影響が出ている
東大寺は 聖武天皇の発願で8世紀に創建
当初は 大仏殿の南側に東西両塔が
北側に講堂や「コ」の字形をした三面僧坊などが立ち並んでいた
(今月末で任期を終える北河原公敬 別当)
「復興に向けて一歩踏み出すことになり感慨深い」
「創建当時の姿を復興させて後世に伝えるとともに
東塔を奈良のシンボルにできればうれしい」
「将来的には宗教空間にふさわしい環境を取り戻したい」
ケータイの方 ごめんなさい 適正化していません