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(えん)    (しょう)    ()

 圓照寺41

年間5回あるかないかの訪問客にお話されるのですから
場慣れしてないのと、台本が用意されてる訳でもないので
決して話し上手ではありません。
途切れ途切れに聞き取れる執事のお話です。

圓照寺門跡は、大伽藍があるわけではない。
圓通殿と、お庭に阿弥陀堂があるだけの簡素。
圓通殿の茅葺の屋根がカラスによって随分傷められている。
ムササビが屋根に巣を作っています。
昨晩は、庭をタヌキが歩きまだその足跡が残っている。

本堂(圓通殿)は、奈良県指定文化財で茅葺。
唐破風の玄関があった書院は、寝殿造りである。
廊下で続く隣の、奧御殿とお庭は後ほどご案内する。
その奥にある、宸殿は、京都御所紫宸殿の古材で建てられた。
更に奥の客殿 葉帰庵(ようきあん)は、皇族用のもの。


 圓照寺42

開山以来 ご本尊は 木造如意輪観音さまで 江戸時代初期のもの。
大和三門跡のご本尊 法華寺は 木彫十一面観音立像(平安初期・国宝)
中宮寺は、木造菩薩半跏像(白鳳時代・国宝 寺伝では如意輪観音)である。

河内長野・観心寺や吉野・如意輪寺の観音像や絵画は
妖艶な姿で願いを叶える エロス漂う如意輪観音さまだ。

観音像は、右膝を立てて立膝スタイルにし、
右手で頬杖をついて座る姿をしており、
これは他には無い独特なポーズ(輪王座)である。

右手を頬にあて思惟(しゆい)という物憂げに耽けったスタイルは
どうすれば人々を苦しみから救えるかを模索している姿。

如意輪観音は、梵名 チンター マニ チャクラ

一般的には『観音さま』の名で広く信仰を集めている
『観世音菩薩(観自在菩薩)』の変化身(へんげしん)の1つであり、
六観音の一尊に数えられている。

『チンタ』は如意(思いのまま)、
『マニ』は宝珠(ほうじゅ:宝の珠)、
『チャクラ』は法輪を意味している。

6本の腕を持ち 右膝を立て 右肘をついた 一見 行儀の悪い恰好。

右第1手は『思惟相』と呼ばれ、別に行儀が悪い訳ではなくて、
人々をいかに救おうかと考えておられる。
右第2手には胸前で如意宝珠を持ち、
右第3手は外方に垂らして数珠を持つ。

左第1手は大地を触れ、左第2手には未開敷蓮華(蓮の蕾)を持ち、
左第3手の指先からは法輪(チャクラ)が出現。

インドでは、一般的に右手は『清浄』、左手は『不浄』とされ、
『右』は清浄・神聖・真理・仏を、
『左』は不浄・世俗・煩悩・衆生を象徴している、

如意輪観音が右膝を立てておられるのは、
不浄さ、煩悩を象徴している左足を、右足で踏みつけ、
それらを封じ込めるという意味を込めている。

 圓照寺43

しかし 圓照寺のご本尊は、エロス漂う如意輪菩薩さまではない。
如意輪さん特有のなまめかしさはなく 慈しみを含んだ綺麗なお姿。
それはそれは美しく お優しいお顔をしておられる。
このような高貴な如意輪さんは はじめて。


第十代門跡山本静山尼は、自著「花のこころ」で 次のように・・・・。
「いろいろな事情の中におかれた私は、
悲しいときも、うれしいときもご本尊の観音様にだけ、
そのことをお話ししてきました。
私を励まし、慰めてくださった観音様。今も観音様は私の心の母です」

幼くしてこの寺に入られた静山尼は、幼心にこの美しさに圧倒され
得度のあとも、辛いことは語りきれないほどあったはず。
母としておすがりする観音さま」という言葉に納得する。

宝冠の中は、くり抜かれ化仏がまつられている見事なもの。
光背はシンプルだが躍動的、 如意宝珠は、大きな水晶。

お隣には、塑像 後水尾天皇像などが安置されている。


 2010 02 24



本堂の廊下から、白砂が敷き詰められた大きな庭園の紹介があった。
(後ほど、白砂の大庭園に下りての 見 学 が許された)

(右から順に)                          . 
 圓照寺44
鎮守の神様

 圓照寺45
十三重石塔 と 阿弥陀堂 

 圓照寺46
二十五菩薩の楽器やその持ち物を形取った石を配置、
静かなたたずまいを よりいっそう際だたせている。

 圓照寺47

 圓照寺48
美しい庭園、本堂横の枝垂れ梅もほころびはじめ
清楚な尼寺に春の彩りを添え・・・・。 



巨石を配した庭を眺めながら 渡り廊下を抜け
お隣の、奥御殿への案内・・・・・ ( つづく )