落語 天王寺詣り -7-
(大阪2番 四天王寺)
■ ……、こっち回り。
前 回 の つ づ き
■これが大釣鐘に、足形の石に、鏡の池に、伶人(れんじ)の舞の台やないかい
●へぇ~ッ、あんた何でもよぉ知ってはりまんなぁ、へぇ~ッ……。
●ほなちょっと尋んねますけどもね「♪天王寺の蓮池に、亀が甲干す、ハゼ食べる。引導ぉ鐘ゴンと撞きゃ、ホホラのホイッ」ちゅうのはどれです?
■そんなおかしな尋んねよぉすなアホ、そらここの池やがな
●あぁほんに、ぎょ~さん亀が泳いでまんなぁ、向こぉの方ぎょ~さん寄ってまんなぁ、向こぉ行きまひょか?
■行かいでもえぇ、人の寄ってるとこ行くと餌がもらえると思て、あないして寄んねんなぁ。手ぇ叩いたらこっち来るわ。
●あッさよか、いっぺんやったろ(パンパン)ほんに(パンパン)ワァ~ッ来よる来よる。手ぇ叩いたらこっち来るとはよぉ仕込んだぁるがな、ここの亀、元仲居してたんか?
■アホなこと言ぃないな
●おぉ~いッ、そこのとこで「奴さん」踊りやッ
■そんなもん踊れへんで
● 「踊れへん」て、こないして亀踊ってまんがな。
■あれ、踊ってんねやないがな、餌がもらえると思て 上手をしてんねや
●可愛ぃもんでんなぁ、そんなことと知ってたら、わて来しなにソラ豆のひとつなと買ぉて来てやんねやがな
■お前ともの言ぅてたら嫌になってくるわ、ソラ豆みたいな堅いもん噛むかいな
●噛まんもんに何で「噛め」ちゅうねん?
■わしに怒ったってしゃ~ない……
こない言ぅてますと、天王寺さんの中は たった二人しか歩いていんよぉでっけど、なかなかせやないんですなぁ。彼岸にはぶっちゃけ商人(あきんど)が 店を出してるやら、寄進坊主が出てるやら、参詣人で押し合いへしあい「お焼香ぉ~ッ……♪」
いろんな店が ぎょ~さんに並んでおりますが、・・・・・・・・
つ づ く
伶人(れいじん)=雅楽を演奏する人。楽人(がくにん)。楽師。
ハゼ=生米を炒ってふくらませた干菓子の一種。ポン菓子ともいう。
ポップコーンの親戚筋。
ぶっちゃける=打ちあけるの約訛。くつがえす・ひっくりがえすの意。
また、心の中を打ぢあけるなどにもいう。
ぶっちゃけ商人=地面に品物を広げて商いをする人。
寄進坊主=乞食坊主を上品にいった語。願人坊主。
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