落語 天王寺詣り -6-
(大阪2番 四天王寺)
■……、さぁ、こっち出といで。
前 回 の つ づ き
■これが義経の鎧掛け松。文殊堂やなぁ。これが金堂や。この中を見てみぃ、中にあるのが淡太郎の木像や
●何でんのん?
■淡路屋太郎兵衛、紙屑問屋の旦那やなぁ。我一代で身代をこしらえて、我一代で使こてしもた。天王寺が天火(てんび)で焼けた時に五重塔を建立したんや
●偉い人でんねやなぁ……、で、その五重塔ちゅうのはどこにおまんねん?
■どこにあるて、目の前にあるやないか
●目の前? 一つ、二つ、三つ、四つ……、四つしかおまへんで?
■何を言ぅてんねん。もひとつ上にあるやないかい
● 「もひとつ上に」て、あぁ、あの蓋(ふた)も一緒でっか
■ 「蓋」ちゅうやつがあるかいな、重箱みたいに言ぅてるなぁ……、こっち出といでや。
■これが南門、仁王さん の あんのがここや。西に見えるが紙衣(かみこ)さん。
■ 虎の門。太子堂。引導鐘やなぁ。猫の門は左甚五郎の作、大晦日の晩にはこの木彫りの猫が鳴くと言ぅ。用明殿。指月庵に、お太子さん十六歳のお姿や。
■亀井水と言ぅて亀の口から水が流れてるなぁ、経木流しに来んのがここや。
■西に見えるが牛さん で、前が瓢箪の池。
■東に見えるが東門で、内らへ入ると釘無堂に本坊に釈迦堂や……、こっち回り。
つ づ く
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