落語 天王寺詣り -1-
(大阪2番 四天王寺)
え~、もぉ日本ほど季節感のはっきりしてる国はないんやそぉでございますけれども、またぞろ、台風がやってくるらしいです、みなさまには、被害がないようにお祈りさせてもらいます。
昔の人は「暑さ寒さも彼岸まで」てなことをよぉ言ぃました。春の彼岸が終わりますと時候がよくなってまいりますし、また秋の彼岸が終わりますと肌寒さを感じる。いわば彼岸といぅのは四季の節目を教えるよぉなもんでございますが。お彼岸さんに入りますと、各家庭ではご先祖さんのご供養が始まります。大阪のほぉでは四天王寺さんで七日のあいだ無縁の仏の供養が始まりますが、この時期天王寺さんへお参りする方はずいぶん多ございまして、まぁその時期のおうわさでございますが。
● こんちゃ~
■ さ、こっち入り
● あんたあの「珍しぃもん」が好きや言ぅてなはるけど「珍しぃもん」見せまひょか
■ 「珍しぃもん」て、いったい何やい?
● あんたあの「ヒガン」ちゅうのん見たことおまっか?
■ 「ヒガン?」ヒガンて何やい?
● さぁ、知りまへんやろ、うちあんた台所、このぐらいの穴を出たり入ったりしてまんねやがな。丈(たけ)は七、八寸で、ネズミのちょっと大きぃよぉなんでな、ほで「キチキチッ」ちゅうて鳴いてまんねん。
■ お前が言ぅてると、何やイタチのよぉやなぁ
● さぁ、それがちょっとも違えしまへんねや。わても最初はイタチやとばっかり思てたん。あんまり出たり入ったりするもんやさかい、下駄で蹴ったろ思たら、そこへ小林っさんが入って来て「何すんねんこれ『ヒガン』やがな!」
● 「ヒガン」っちゅうのはイタチによぉ似てまっせ
■ ほら何を言ぅねん、そらイタチが出たんや
● 何でっか? あの「イタチ」が出て「ヒガン」言ぃまんのん?
■ いや、そぉやないがな。イタチが出たんやけども、彼岸中やさかい殺生したらいかん「これ、彼岸やがな」と、こぉ言ぅたんやないかい。
● あぁそぉでっか……、すると何ですか、イタチが出て「ヒガン」やったら、ネズミが出たら「チュ~ニチ」ですか?
■ そら、どや知らんがな
● ネコが出たら「ケチニャン」ですか?
■ いっぺん去(い)ね、お前何を言ぃに来たんや?
つ づ く
春・秋の彼岸の時には 中日を挟んで 一週間 四天王寺伽藍が開放されます。普段は、夕刻5時までは、入場(有料)できますが、 ライトアップされた伽藍は遠くからしか、見ることが出来ません。昼間と 夜間照明下の 五重塔を ご覧になってください。
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