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彼女が車のオーディオデッキにカセットテープを入れると、
流れてきたのはイーグルスだった。
修理から戻ってきたばかりの車に乗るのは、3週間ぶり。
僕はまだ、免許取立てで、久しぶりの運転はぎこちなかった。
そんな僕を見て、
「あ、そうそう!音楽でも聴いてみたら?」
と、カセットテープを入れてくれたのは、当時の彼女だった。
すると不思議なことに、僕は勘を取り戻した。
ドライブのとき、いつも聴いていたイーグルス。今日、街を
走らせていると、懐かしいメロディがFMから流れてきた。
目の前には、あの日と同じ青空が広がっている。
20年の歳月をさかのぼるように、僕はアクセルを踏み込んでいく。
曲が流れている3分間だけ、僕は19歳になっていた。
だけど、青空は遠いまま。アクセルを踏めば踏むほど、
空は遠ざかっていく。なぜだか、そんな気がした。
やがて3分が過ぎ、僕は39歳に戻っていた。
次に流れてきたのは、カルチャー・クラブの『カーマは気まぐれ』。
目の前には、「カーマ(ホームセンター)」の看板が見える。
嘘のような本当の話。
人生ってのは、やっぱり楽しいものだと思った。
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