鎮火はしていない
日本語のニュースで「豪森林火災、6か月ぶりに制圧」とあって、まるで鎮火したかのような誤解を与えているようなのですが。
鎮火はしていません。
まだ燃えています。
我が家近所の森林火災も鎮火していません。
鎮火の場合、「extinguish」という英語が用いられます。キャンベラの当局のツイッターには、はっきりと「not extinguished」とあります。
そのかわりに用いられている英語が「contain」や「control」。
燃えてはいるが、火災現場が広がらない(延焼を防げている)、火災現場を抑え込んでいるという意味合いです。
ちなみに、日本語の「鎮火」を英語では何というのかと調べたら「control fire」と出て来て、それは違うだろうと。
「鎮火」の日本語の意味を調べたら、「火が消えること」とあった。
「control」は、存在するものを制御する意味合いだから、鎮火に用いるのはどうなの? 鎮火という状態では火はもう存在していないのだし。
細かいことをと思われるかもしれませんが、この違いはとても重要。
火災が発生した当初、out of control という状態が続きました。燃えている面積はまだ小さかったけども、消火活動が困難、いつどこに延焼するか予測不可能、という状態を表す単語だったので、警戒態勢、いつでも避難できるようにしてました。
その後、面積は広がったものの、under control に。これは消火活動が効を奏しているという状態なので、さしせまった危機はない。
我が家近所の森林火災、現在、まさにこの under control 状態です。
雨が降ってくれて、やっと under control になったんです。
ニュースもそういう内容です。
火は消えてはいません。
まだ燃えています。