水道 民営化・広域化の問題点

自治労連公営企業評議会事務局長 近藤夏樹さんに聞く

2024年7月27日

諸外国は再公営化の動き 住民と密着した事業こそ

 私たちの生活に欠かせないインフラの一つが上下水道です。4月、水道行政は厚生労働省から国土交通省へと移管しました。移管の狙いの一つに「水道広域化」(市町村の水道事業の統合化)があります。水の自治のこれからは―。自治労連公営企業評議会の近藤夏樹事務局長に聞きました。(島田勇登)

 

 ―水道行政が国交省へ移管しました。

 政府の狙いは、上下水道一体の民営化・広域化です。国交省はこれまで、下水道行政を担い、多くの公費を投入してきました。現在、全国に普及した上下水道施設が一斉に更新時期を迎えています。財政的な問題を抱える自治体に、総務省は補助金と引き換えに広域化を促しています。

 厚労省は民営化に慎重でしたが、国交省は官民連携の名の下、運営権を民間事業者に手渡すコンセッション方式を狙っています。

 

 ―広域化と民営化の問題点は?

 コンセッション方式で運営費用が余分にかかることが明らかとなり、諸外国では再公営化が起きています。日本の地方議会でも、浜松市や大阪市で民営化が阻止されました。水道民営化が強行された宮城県では、住民による再公営化を求める運動が起こっています。

 他方、広域化は民営化のように議会の同意を必要としません。広域化後は、住民が水道事業者に意見を言える場はなくなります。住民と議会を水道事業から遠ざけることで、民営化のハードルを下げるのです。また、民営化を見据え各市町村の水道事業を統合し、シェアを拡大しておく狙いもあります。ダム水源の依存による井戸や河川などの自己水源の廃止も大きな問題です。

 

 ―水道事業のあるべき姿とは?

 そもそも、水道の目的は福祉です。水道法は憲法に基づいており、できるだけ安い料金・原価で水を供給することが理念です。水を民間企業のもうけの対象にすることは誤りです。

 

 「水の自治」を守るために、自治労連公営企業評議会では、「公公連携」、「公民連携」、「住民参加」、「流域連携」の四つの連携を含めた「公公連携構想」を提唱しています。これは地域住民に密着した水道職員の継続採用や育成、地方自治を重んじる地方公務員が住民と協力して水道事業を進めること、などが目的です。  「赤旗」

 

水道事業という最も重要な公共財のひとつが金儲けの対象にされようとしているというのは知っていたが、その為に所管が国交省に変更されていたなんて知らなかった。

悪知恵だけは働く連中がセッセッと色々策動してるんだなぁ。

水道民営化の弊害から再度公営に戻す動きは諸外国で相次いでいるとのことだが、結論は水道事業を金儲けの対象にすると住民が不幸になると言うことだろう。

 

https://www.tni.org/files/download/heretostay-jp.pdf

 

「共通する再公営 化の理由 以下でとりあげる事例が示しているように、 水道事業の再公営化を導いた要因は世界的に 共通している。水道民営化の謳い文句の嘘 が明らかになったということであり、具体的 には、民間企業による劣悪な管理運営(ダル エスサラーム、アクラ、マプート)、投資の 不足(ベルリン、ブエノスアイレス)、事業 コストと料金値上げをめぐる対立(アルマト イ、マプート、インディアナポリス)、水道 料金の高騰(ベルリン、クアラルンプール) 、民間事業者への監督の困難さ(アトラン タ)、財務の透明性の欠如(グルノーブル、 パリ、ベルリン)、人員削減と劣悪なサービ ス品質(アトランタ、インディアナポリス) などがある。」

 

日本でも今後美辞麗句が並べられ、維新や都民ファースト辺りが先頭に立って水道事業民営化が強行される所が出てきそうだが、いい加減資本主義社会なんて庶民にとっては碌なもんではないという事に多くの国民が気がついて、油断なく目を光らさないと拙いよね。

何しろこの物価高の中、最低賃金50円アップで胸張ってる総理大臣をいただく国だから。

 

川上芳明

@Only1Yori

最賃 50円上がったと言っても、全国加重平均1054円を超えているのは、東京、神奈川、愛知、大阪など大都市部の7都府県のみ!生活費はどこであろうと大差ないわけだから、これでは生活できない。全国加重平均ではなく全国一律1500円にすべき! データは「しんぶん赤旗」2024.7.26

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小さな川を隔てて県が違うと最賃が違うので、高い方の県のコンビニでバイトするという悲劇。