チャーシューと角煮の違い — わかりやすい比較と作り方のコツ

チャーシュー(叉焼)と角煮はどちらも豚肉料理ですが、起源・切り方・調理法・仕上がりが異なります。本ページでは違いを図表で整理し、家庭で作るときのポイントと簡単レシピ例を紹介します。

一言で言うと

チャーシュー:広東など中国起源の“焼き(または蒸し焼き)”で仕上げる豚肉。日本ではラーメンの具や焼豚、煮豚もまとめて「チャーシュー」と呼ぶことがある。
角煮:角切りにした豚肉を甘辛い醤油ベースでじっくり煮込む料理。トロリと柔らかい食感が特徴で、東坡肉(トンポーロー)に由来することが多い。

(※調理や呼称は地域や店、家庭によって差があります)

主な違い(比較表)

    
項目 チャーシュー 角煮
起源 中国(広東系の叉焼がルーツ)。日本では焼豚・煮豚を広く指すことも。 中国の東坡肉に由来し、日本で独自に発展した醤油ベースの煮込み。
肉の部位 肩ロースやバラ、モモなど用途に応じて使う。薄切りにしてラーメン用にすることも。 主に豚バラブロック(脂と赤身のバランスが良いもの)を角切りで使用。
切り方 塊のまま焼いてスライス、あるいは薄切りで仕上げる。 ブロックを角切り(厚め)にして煮る。
調理法 下味→焼く(オーブンや炙り、蒸し焼き)。日本では煮る(煮豚)タイプもチャーシューと呼ばれる。 下茹で→醤油・砂糖・酒・みりんなどで煮込む(長時間)→味を含ませる。
味付け 五香粉や八角などの香辛料+醤油・砂糖系のタレが使われることが多い。香ばしさが特徴。 醤油ベースの甘辛い出汁で、味がじっくり染み込む。香辛料は控えめ。
食感 外側に香ばしい焼き目、内部はしっとり〜しっかりめ。 とろとろ・ほろほろに柔らかい(脂が溶けて旨味が出る)。
用途 ラーメンのトッピング、焼豚としておかず・お弁当など。 ご飯のおかず、お弁当、酒の肴、温かいおかずとして。

作り方のポイント(家庭向け)

  • チャーシュー:塊肉に下味をよく染み込ませ、オーブンやフライパンで表面に焼き色をつける。焼き上がりは冷ましてから薄切りにすると切りやすい。
  • 角煮:豚バラはまず下茹でして余分なアクや血合いを取り、調味液で弱火でじっくり煮る。時間を置くほど味が染みるので作り置きに向く。
  • どちらも火の通し過ぎは食感に影響するため、部位や厚みに合わせて加減する。

簡単チャーシュー(オーブン不要の時短版)

調理時間:約50分(漬け時間は除く)

材料(2〜3人分)

  • 豚肩ロース塊 400g
  • 醤油 大さじ3
  • みりん 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1
  • 酒 大さじ2
  • にんにく・生姜 各1片(潰す)

作り方

  1. 肉にフォークで数か所穴をあけ、調味料と一緒に袋などで1時間以上漬ける。
  2. フライパンで全面焼き色をつけ、蓋をして弱めの中火で15〜20分蒸し煮にする。
  3. 取り出して冷まし、薄切りにする。仕上げにフライパンで軽く煮詰めて照りを出すとよい。

チャーシューの写真をここに入れられます

ポイント:香辛料を入れるとより本格的な風味になります(八角・五香粉など)。

簡単角煮(家庭向け)

調理時間:約90分(下茹で含む)

材料(2〜3人分)

  • 豚バラブロック 400g
  • 醤油 50ml
  • 砂糖 大さじ2
  • 酒 100ml
  • みりん 大さじ1
  • 生姜 1片(スライス)

作り方

  1. 豚バラは大きめの角切りにし、鍋で下茹でしてアクを取る(約10分)。
  2. 調味料と一緒に弱火で60分〜80分ほど煮る。途中で煮汁が少なくなったら水を足す。
  3. 火を止めて味を落ち着かせ、食べる前に再加熱して切り分ける。