要約

 中国の遼寧省で8月19日に発生した大洪水が報じられています。

 この洪水は、全国で続く洪水シーズンによる水害の一環で、特に8月初めの豪雨によって王力校が氾濫し、北朝鮮側でも犠牲者が出るなどの影響が広がりました。

 しかし、日本では北朝鮮のニュースが優先され、中国の水害についてはほとんど報道されていない状況です。

 8月19日の朝、大連市の金普新区で急な豪雨が降り、市内の一部地域は深刻な冠水に見舞われ、地方政府は非常事態を宣言し救助活動を開始しましたが、2名の犠牲者が確認されています。 

 さらに、8月18日から19日にかけての雷雨によって、大連市内の数か所で大雨災害が発生し、中小河川の氾濫や地すべり、都市部や農村部の浸水が続出しました。

 これにより数千万人に影響が及び、特にトウモロコシや稲の収穫に支障が出ているとのことです。

 遼寧省は、地理的条件や気象パターン、急速な都市化が重なり合い、洪水が発生しやすい地域となっています。

 湿った空気が山地にぶつかり集中豪雨を引き起こすことに加え、都市化の進展がインフラに対する負担を増加させています。 

 金晋新区は2014年に設立された国家級の経済特区で、物流や貿易において戦略的な役割を果たしていますが、治水対策が不十分であり、都市開発が見栄え重視になっていることが問題視されています。

 日本では排水インフラが整備されているため、ここまでの被害は少ないとされていますが、中国の水害は多くが人災によるもので、地方政府の汚職や手抜き工事が原因で国民が苦しんでいる状況が浮き彫りになっています。

 この問題に対しては、抜本的な改革が求められていると強調されています。

 近年、中国では異常気象が頻発し、その影響が歴史的に政権交代と結びついているとされています。

 歴史を振り返ると、明朝末期には旱魃や洪水、地震が続発し、これが農民の反乱を引き起こして清朝に取って代わる要因となりました。

 また、清朝末期にも同様の異常気象が社会不安を高め、辛亥革命を引き起こして清朝を滅亡させました。

 このように、異常気象は政権交代の前兆として認識されることが多いですが、現在の中国は共産党の一党独裁制であり、政権交代のメカニズムは異なっています。

 さらに、異常気象は政権交代に寄与する要因の一つに過ぎず、多くの要因が複雑に絡み合っているため、単純に異常気象が政権交代を招くとは言えまが・・・