こんにちは!
楽天社員のわたぬきあおいです!☆彡
今回はポイ活ではなく、私の趣味である「読書」に焦点を当てたいと思います👏👏
取り上げるのは、桐野夏生著『日没』(岩波書店)
ジャンルはいわゆるディストピア小説です
(私はディストピア小説だいすきで、ジョージ・オーウェル著『1984』みたいな作品が好きな方は「刺さる」はず)
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ストーリー(日没特設サイトより引用)
小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。
それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。
出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。
「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。
「更生」との孤独な闘いの行く末は――
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感想①
(ネタバレ無)
読み進めている間、結末が気になってしょうがない。
というより、はやく終わってほしい。
没入感が半端なく、こんなバーチャル空間にいるような読書体験は初めてでした。
はやく展開がほしい、次の展開を求めるが故にどんどんページをめくってしまう
あっという間に結末にたどり着かされるような作品でした
言論統制が行われる世界なんて
図書館戦争みたいな作品のなかの世界、作られた舞台の上だと思っていましたが
現実と切り離せるものなのか、自然と考えさせられます
自分が「マッツ夢井」だったら、
圧力に抵抗するのか、屈するのか、服従を選ぶのか。
そんなことを考えながら読んでいると、苦しさすら感じました
だけど!
脳死で物語を追う作品ではないからこそ、充実度は100%保証できます!
感想②
(ネタバレ注意!!)
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とにかく救いようのない結末です
はじめから終わりまで息苦しさを覚えつつ
その息苦しさから解放されたいという思いで進んでいくと突然の暗闇
まるで
針で開けたような穴からこぼれる光へ向かっていたはずなのに
気が付いたら光を見失っていたような感覚
このような感覚を覚えた方は多かったようで
多くのレビューで「後味の悪さ」「気味悪さ」「気疲れ」が挙げられていますが
それこそがこの本の良さだと思います。
この作品は誇張された現代なのではないでしょうか
ジェンダー、人種、宗教、思想、様々な多様性が求められるなかで
「各方面への配慮」が必要になっていますよね
最近では某酒メーカーのイベントが「アルコール依存症の人が見えるところでするのは配慮に欠ける」というクレームにより
撤去対応を余儀なくされていました
これらの「配慮」と「表現の自由」は果たして平等に天秤にかけられているのでしょうか
このような現状を自分事として捉えるいい機会になったな、と感じています
2023年に文庫化され、手に取りやすくなっています!
一度読んでみてはいかがでしょうか?
○日没特設サイト
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