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【前回までのあらすじ】
叔母の紹介で里親募集中の子猫に会いに行くことに(短ッ)。
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5月5日。

頭上を青く染める五月晴れの空が、 これから訪ねる子猫たちの上にも広がっているかと思うと、 気もそぞろになってしまう。 送られてきた写真を眺めながら想いを馳せていたら、 ダンナに軽くいなされた。 いかん、納品期限まであと1時間っていう 酸っぱい現実があったのだった。世知辛すぎる。

なだめ梳かされながらなんとか仕事を終わらせ、 叔母とダンナと3人で叔母の友人宅へ。

子猫は3時間寝て15分栄養補給、でまた寝ちゃう、という 、まさに寝るために生きているような存在だそうで、 着いた部屋には布の掛けられた小さなケージが置かれていた。

やっとミルクの時間になり、初めて実物とご対面。
布が取られた瞬間、全員がその場に崩れた。
わずかに残された力を振り絞ってシャッターを切る。


子猫は3匹。


brothers


それぞれがそれぞれの魅力を持っていて、どうにも選べない。

「この子だとピンときた」とか、
「1匹が近づいてきて、飼ってくれ、と微笑んだ」とか、
「神様のお告げがあった」とか、
そういうスーパーナチュラルなご縁を期待してたのに。

仕方がないので「うちに来たい人ー」と立候補を募ったが、皆こっちにお尻を向けたきりだ。 ニャーとも鳴きやしない。

こうなったら、運命なんて後付けにすべし。

さんざん迷った末、一番のファニーフェイスを指名した。
なんとなく、人身売買をしたような後ろめたい気分がした。

子猫(仮名:ウシ)はまだ小さすぎるので、 うちにくるのは今月末頃になる。

それまでに、せいぜい運命を捏造しておこう、と思った。