年が明けると、世のお母さん方は、子どもの卒業式、入学式に出席するご自身の装いの準備が気になってきますよね。私もそうでした。セレモニースーツなんて数年に1回しか着ないのに面倒くさいなぁ〜と思っていらっしゃる方もいるのでは。でも、そういうセレモニーも無くなってしまう年になると、式典に呼ばれていた頃が懐かしい!もっと歳をとると呼ばれる式は葬式だけという寂しいことになるのですから、若いうちにセレモニーを楽しんでおかれるといいと思います❣️

私はちょっと時間をかけて手作りしました。まずどういうデザインにするか、から始まって、色々考えるのが楽しかったです。

卒業式は高校になると2月という学校もあって、まだまだ寒い時期なので、防寒対策も必要です。売ってるセレモニースーツはワンピースとジャケットの場合、ワンピースが袖無しがほとんどですよね。袖無しは寒いので、袖を是非付けて、スカート丈もある程度長くして、と色々考えます。そして作ったのがこちら。

黒のレーヨンベルベットのワンピとノーカラージャケットです。ワンピの袖は、同生地だとゴロゴロするのでシャンタン生地にして、七分丈くらいになるようにレーヨンレースを付けています。



ボタンは黒のチェコガラスボタン。高級なレーヨンベルベットは光沢感があって案外と軽くてとても素敵ですが毛足が長く、毛並みに上下があるので一方向で断つ必要があるので用尺も多くなり、裁断に失敗できない緊張感が伴いました。そして長い毛並みのせいで2枚合わせで縫う時も、ミシンの布送りが下の生地は送っても重ねている上の生地が少しずつズレて余ってくるという事になります。接着テープを貼ってから縫うとか方法は色々ありましたが、面倒臭いので私は目打ちで上の生地を突いて手動で送りながら縫ってしのぎました。でもそれほど綺麗には揃わなかったです。あと、真っ黒すぎて黒糸で縫うと、失敗して解く時に糸が毛並みに埋もれて見えないと言うことになるので、なるべく解かずに済むように慎重に進めました。苦労しただけに、愛着があります❣️




もう1着はファンシーツィードのセットです。シャネルのメティエダールコレクションのショーを見ていると、ビーズ刺繍の職人さんの手仕事の技が冴え渡っていますよね。見ているとやりたくなって、テーマはビーズ刺繍!それがこちら。色々研究?すると、チュールレースを貼り付けてそれを下絵としてビーズを乗せていく感じのものが多く、確かにビーズだけで図案を書くのはビーズの量が多くなって重いとかゴワゴワするとか不都合です。


そこでレースに沿って、気の向いたところにちょこちょことビーズを縫い付けていきました。ビーズは百均です。しかし!普通の縫い針ではビーズの穴を通らないんです。ビーズ用の細針を楽天で慌てて買いました。やってみないと分からないものですね〜。

チュールレースのごく一部にビーズを付けただけですが、光沢があるので簡単な割にけっこう満足できました。

ワンピの袖やスカートの裾にもレースを付けて。


この生地も黒で、やはり縫い直しは糸が見にくいので解く羽目にならないよう、慎重に進めました。


そして防寒対策に、黒のカシミア生地でガウンコートを作りました。

それがこちらです。ガウンコートは身体にグルっと巻き付けて紐で縛るというアバウトな服なので、とてもアバウトな方法で作りました。

ある程度の厚みがある冬のコート地は、裏無しの一枚仕立てにして、端はレーヨンのバイヤステープで始末しています。

そしてなるべく縫うところが少なくなるように考えて、型紙を工夫しました。前身頃の左右は繋がった一枚ものなんです。つまり、長いスポーツタオルを首に垂らしているイメージで、肩のところで後ろ身頃の背中を覆う1枚と接続しているのです。あとは袖が左右の2枚で、合計4枚のパーツでできています。前身頃はショールカラーの真ん中をワサにして裁断するので、布目に対して斜めになりますが、斜めになって差し支えのない無地とかなら全く気になりません。

正直言って薄い毛布を巻き付けているイメージで、打ち合わせも下に着るものに合わせて紐で縛るだけなのでサイズはどうとでもなり、ボタンも無く、めちゃくちゃ簡単です❣️下に着るものがスーツとか嵩張るものであればあるほど、コートは規制がない方が良く、そういう意味ではマントなんかも最適です。実際、ヨーロッパのロイヤルファミリーなどは式典でケープコートをよく着ている気がします。アメリカでも大学の卒業式は黒いマント着てますよね。マントやケープって、日本人にはあまり馴染みがない感じですが、西洋では法王もマントだし、正装なのかな?日本ではマントは金田一耕助か、ポンチョは自転車に乗っている人の雨合羽の様なイメージですが、、、。


ウチの子の卒業式はちょうどコロナで謝恩会も無かったのですが、学校によっては謝恩会されるところもこれからはあるのではないでしょうか?一生にそうそうない日なので、ドレスアップして楽しまれるのも良いことだと思います❣️

2024.1.20