20211218
Community Nurse Companyの
矢田明子さんのお話を聴いてきた。
これが、
すこぶる面白かった!
まず
何よりも
矢田明子さんのキャラクターが
とてもよかった。
41歳とは思えないような
若々しさと瑞々しさがあった。
話し方も
話す言葉も
そして、その内容も
ハートを鷲掴みにされて
あっという間の2時間半でした。
矢田明子さんは
26歳のときに
父親を癌で亡したことがきっかけで
島根大学医学部看護学科に入学し
看護師の世界に入っていく。
ところが
看護師は厚生労働省の管轄で
健常者を相手にできないことを知る。
矢田明子さんがやりたかったのは
病院の中だけに閉ざされた医療ではなく
人が病気になる前や
人が病院に向かう前の段階で
地域の中で
お互いがケアし合えるような
資格のあるなしに関わらず
地域の中で
お互いがお互いの
相談にのれるような
地域コミュニティに所属して
活動できるナースが
理想形でした。
そこで
「看護師」と名乗らず
「コミュニティナース」と名乗ることで
元氣な人にも対応できるようにしていった。
最初は
出雲の学生5人と一緒に
地元の商店街からスタートして
今では
全国的に
「コミュニティナース」の
活動が広がっている。
このあたりの
広がり方や
具体的な活動状況について
お話を伺っている内に
看護や
看護師や
介護などについての
イメージがガラリと変わった。
今まで
自分の中では
病院も看護も介護も
全く縁がなく
遠い世界にある別世界
という感じで
できれば
一生、ご縁したくない場所や人であり
それらは関わりたくない存在でした。
ところが
矢田明子さんのお話を聴いている内に
これは、なんだか、
とても興味のある世界だと思えてきた。
特に
地域コミュニティの中で
ケアをしていくというところが
わたしの興味関心をひいた。
これは、もしかすると
「家族」の概念を
拡張していくような活動なのではないかと。
それだけでなく
「学校」や
「教育」や
「仕事」の概念をも
拡張していくような活動なのではないかと。
しかも
お互いがお互いを
助け合い、応援・支援し合いながら
地域の中で
活かし活かされながら生きていける
デザインなのではないかと。
近代社会は
あらゆるものを外部化し
アウトソースして
「家」の外へと追いやっていった。
「教育」も
「学校」も
「仕事」も
「医療」も
「介護」も
「食事」も
「育児」も
その他、あらゆるものを
アウトソースして
「家」の外へと追いやっていった。
また
核家族化が極みまで到達して
いまや
単身世帯や
「おひとりさま」が
主流になりつつあります。
もう、すでに
独身や単身の方が
「当たり前」の世の中に
なりつつあるのです。
その振り切った振り子が
どのように反転して
戻っていくのか?
その「間」には
どのようなデザインがあるのか?
「コミュニティナース」の活動に
そのひとつの形というか
事例を見せられた感じがした。
「家」の中から外部化してしまい
バラバラに細分化し
分断してしまいつつあるものを
「地域」という
少し大きな箱に入れ直して
再統合していくようなことが
これからの世の中で
求められているように想います。
このニーズや時流と
「コミュニティナース」という形態での
活動がピッタリと一致しているように
感じました。
この
「コミュニティナース」という形態が
日本全国に定着しつつある段階から
次のステージとして
この仕組みの中で
プロとして仕事として
「コミュニティナース」の活動をする人が
2000人規模になるのを
2025年を目途に目指している
とのことでした。
本音は
30000人規模にしたいそうで
それは
矢田明子さんが
元ヤクルトレディをしており
その
ヤクルトレディが
日本全国に30000人いるからだそうです。
10人中8人は
ヤクルトレディを知っていて
10人中2人は
ヤクルトレディから
ヤクルトを買ったことがある。
なので
日本全国で30000人の人が
「コミュニティナース」として
活動し続ける状態を創ると
「コミュニティナース」が認知され
「コミュニティナース」への理解も
普及していくという
イメージがあるからだそうです。
これにより
人が病院に向かうまでの
間の空白地帯が埋まり
人が病院から出た後の
間の空白地帯も埋まる。
こうして聴いてみると
看護の領域だけでなく
日本には
まだまだ空白地帯が
沢山ある。
ビジネス用語で言えば
まだまだ市場が沢山ある。
そして
そのエリアに
最初に入るのは
「人」なのだ。
だからこそ
「人財」発掘や
「人財」育成や
「人財」活用が
とても重要になってくる。
このあたりを
矢田明子さんは
大学でのアントレプレナーシップの
講義だけでなく
「地域おせっかい会議」という
組織ネットワークを活用して行っている。
https://peraichi.com/landing_pages/view/osekkaiunnan
この
「地域おせっかい会議」というのが
そのネーミングも含めて
また、面白い。
そこでは
お困りごとが持ち込まれたり
企画事が持ち込まれて
その会議に関わるメンバーで
お困りごとを解消していったり
企画事を形にしていったりして
物事を前に進めている。
それはまるで
ドラえもんの四次元ポケットのようで
あるいは
リアルGoogle先生であり
リアルYouTube先生であり
リアルAmazon先生であり
リアルChatGPTなのだ。
実際にリアルに
お手伝いしてくれる
コンセルジュのような
組織ネットワークなのです。
こういうことで困っている
こういうものがあったらいいな
という問いかけや相談に対して
具体的な最適解のようなものが
人・物・情報・お金などを伴って
返ってくるのです。
今までであれば
インフルエンサーのような人が
SNSやクラウドファンディングで
困りごとや企画事を発信するだけで
リソースが集まって解決する
という事例が数多くありましたが
「地域おせっかい会議」というのは
インフルエンサーのような人でなくても
また、声を上げることができないような人でも
「おせっかい」な人が
その声なき声をすくい上げて
必要を充たしていくようなインフラなのです。
わたしは
このお話を聴くまで
「おせっかい」のような
いわゆるPUSH型のものが
あまり好きではなく
どちらかというと
パーミッション・マーケティングのような
PULL型のものを好んでいたのですが
矢田明子さんのお話を聴いている内に
ようやく「おせっかい」の
素晴らしさを理解するに至った。
世の中には
助けを必要としていても
その声を発することができない人も
いるからだ。
それを
PULL型で
ただただ待っていても
本当に必要とする人には
届かないからだ。
このあたりのギャップを埋めて
マッチングを促進するような
インフラが求められるのです。
わたしは
この「地域おせっかい会議」に
ひとつの雛形を垣間見ました。
今日は
お話を聴いただけなのですが
もし、機会があれば
「現場」にも出向いてみたいと
想いました。
2013年頃にも
同じような想いを持ったことがあり
わたしは
2014年から2016年の
約3年間、和歌山の奥地に出向いて
取材活動をしたことがあります。
何のあてもなく
現地に出向いていき
取材活動に入ったのですが
現地で
まず最初にミュージシャンに出会い
このミュージシャンが
たまたま、その地域のキーマンで
コネクターだったことから
数珠繋ぎ的に
県外から和歌山に移住してきた
新しい世代の人たちを紹介いただきました。
その多くは
「311」をきっかけに
関東エリアから
関西エリアに移住してきた人たちで
その3年後には
みなさん「知り合い」になって
新しい地域コミュニティを築いていた
ちょうど、そのタイミングでの取材となり
今から振り返っても
2014年というのは
ベストなタイミングでした。
そこで観たのは
「お金」を介在させないような
助け合いや協力態勢でした。
そこには
新しい世代による
「お金のいらない世界」が
出来上がっていたのです。
その上で
「外貨」を稼ぐような活動も
とても活発でした。
そんな元氣な地方や田舎を
たっぷり視察しつつ
海外の都市や田舎を
観て回ることもしていました。
これも
今のコロナの状況を考えると
ベストなタイミングで
各国事情の視察ができたように思います。
今も、その手は緩めておらず
機会があれば
地方や田舎や都市部の視察をしています。
それだけでなく
実際にローカルの人と接続して
お手伝いもしています。
やはり
どこか、こういう活動が
好きなんだなと
改めて再認識することができた
2時間半でした。
その中でも
特に印象に残ったのは
「22世紀への願い」としての
矢田明子さんの言葉でした。
21世紀の今現在も
世界中に
「課題」や「問題」と
呼ばれるものがある。
その多くは
人間の認識によって
「課題化」している。
だから
人間の認識を変えることで
「課題」や「問題」そのものが
解消することがある。
なので
22世紀への願いとして
人間の認識が進化すること。
そのことによって
活かせるものが増えること。
といったようなことを
おっしゃっていました。
これは
わたしが携わっている活動とも
とても重なるものがあります。
人間の認知認識を進化させていくこと。
別の言葉で表現するならば
人間の意識を引き上げ続けていくこと。
ここに
わたしの興味関心があります。
今回、同じような「想い」を持った
矢田明子さんのお話を
聴くことができたのは
とても幸運でした。
今後も
矢田明子さんの活動を
追っていきたいと想います。
ということで
御蔭様で今年も
「1218」コンプリート。
「全部丸ごと」ありがとうございます。
「無限の広がり」ありがとうございます。
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(以下、公式ページから引用)
コミュニティナースは
日本を元気にしていくための
壮大な社会実験です。
この社会実験を今まで以上のスピードで
日本中に広げていくためには
多くのおせっかいな仲間の協力が不可欠です。
ラボラトリーは
この活動に共感していただいた
皆様からの寄付という応援を原資に
運営をしていきたいと思っています。
コミュニティナースが
日本中で活躍することで、
日本中が元気になると信じていただける
皆様のお力添えをお待ちしています。
一般社団法人コミュニティナースラボラトリー
「コミュニティナース研究所」
https://community-nurse-laboratory.com/
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